GIGI日記~映画とか本とか~

映画、本、料理、植物、ときどきファッション

MENU

映画「2020年ゴールデンウィークに見た映画③」

さて、映画紹介、早速②に続けて解説しちゃいます。

①トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男(評価:★★★☆☆)(解説済み)
②ハウス・ジャック・ビルト(評価:★☆☆☆☆)(解説済み)
ヒトラー暗殺、13分の誤算(評価:★★★★☆)(解説済み)
ライ麦畑の反逆児(評価:★★★☆☆)(解説済み)
⑤天気の子(評価:★★★★★)
シングルマン(評価:★★☆☆☆)

さてさて、僕の大好きな新海誠監督のアニメーション「⑤天気の子」で~す。で、結論から言います、もうものすごくおもしろいです、映像がきれいです、雨がきれいです、で、先も雨の中を傘も差さずに庭に飛び出しましたですハイ。

というように、まさに5つ星です、最高でした。新海監督どうもありがとうです。物語はさておき、とにかく映像がきれい、もうこの一言に尽きるのではないでしょうか。しかしここまで来ると、もはや実写にした方が手っ取り早いんじゃないかとすら思いますが、そうじゃないんですね。なにより、こういう細かな日本の風景をアニメーションで緻密に再現するとかっこいいんです。多分、同じ風景を実写で見ても、そんなに感動しないと思うんですよね。が、これがアニメーションとして再構築されると、もうむちゃくちゃかっこいいというね。

あっ、あまりの映像美に度肝を抜かれたので、そろそろ物語に入りますが、この物語の主人公は、訳ありで家出をして東京に来た帆高(ほだか)少年と、同じく訳ありで弟と二人で暮らす少女の陽菜(ひな)の奏でる青春ジュブナイルアニメーション、としか説明できませ~ん。で、そこに胡散臭いK&Aプランニングという会社を経営する中年親父の須賀さんと、その姪である夏美が加わり、まあこの二人がいい味を出してるんですわ。

で、ひょんな事から帆高少年が須賀さんの所で住み込みでバイトすることになって、日々の生活を共にしていくわけです。で、その過程で不思議な力を持つ陽菜と知り合いになってから、物語は急速に加速していくわけでして。

ボク的には、物語のおもしろさはもちろん、須賀さんの住んでいるマンション兼事務所の描写とか、料理を作っている描写とか、風景とか雨の描写がもうすばらしすぎて、それを見てるだけでずっとアドレナリンが出っぱなしというか。特に帆高少年が須賀さんのために作った鮭と納豆と梅干しの朝ご飯がもう最高においしそうで、料理好きの僕としては見終わってすぐにスーパーに鮭を買いに行きましたですハイ。

というように、ただその映像を見ているだけでもすごく楽しいのに加え、物語もものすご~くよくできていて、新海誠さんってやっぱり天才です。こういうクリエーターが日本にいるということ自体、僕たちはもっと誇っていいのかもしれません。

それと中年オヤジの須賀さんも非常にいい味を出してます。彼が冷蔵庫に奥さんの貼ったメモを残したままだったり、ずっと奥さんのことを思っているのが伝わってきて、ちょっとジーンときました。あとは、前作「君の名は。」の瀧くん三葉カメオ出演していたりとか、もう見所満載でした。

で、見終わって思ったのは、この世界の、というか日本の都市(つまり東京)ってなんてかっこいいんだろうってことですね。街並みが都市計画に刃向かうようにごちゃごちゃしてて、色んなお店の看板が混在してて、建物のデザインや色合いもメチャメチャで、街路樹もバチバチに切られてるのに、それでも、なぜか、愛おしくてかっこいいんです。かつてリドリー・スコットブレードランナーで描いた未来都市さながらの混沌というか、そういう色んな表情を持つ東京が舞台になっているわけですが、アニメにするとここまでスタイリッシュという事実にもう驚愕。

ただ一点、欠点がないわけではなくて、このアニメの劇中で頻繁に流れるRADWIMPSという人たちの音楽なんですが、なんか巷では人気なんでしょうか。僕にはその良さが全くわかりません。むしろ星を追う子どもで主題歌を歌った熊木杏里(くまきあんり)さんの歌の方が、よっぽど深海さんの世界にマッチしているし、特に前作「君の名は。」で、なぜ新海さんが熊木さんの「君の名前」というぴったりの歌を採用しなかったのか、理解に苦しみました。まあ、当然、新海さんの自由ですが。ともあれ、四の五の言わずに、新海ワールド全開の「天気の子」絶対におすすめの五つ星です。

で、次に以前雑誌の「popeye」か何かで紹介されていてずっと見たかった「⑥シングルマンなんですが、これはファッションデザイナーであるトム・フォードさんが作った一作目の記念すべき映画のようですが、残念ながら、僕には全く楽しめませんでした。要は物語が閉じているということはもとより、一体何が言いたいのか、僕のCPUが低すぎてほぼ理解不能という。

まず、この主役のダンディな大学の先生のおっさんを、名作「キングスメン」コリン・ ファースさんが演じてますが、この人はゲイという設定で、16年ほど付き添った恋人がいたんです。で、映画の冒頭、その彼が交通事故で亡くなってしまい、それを機にずっと失意のどん底にあるコリン・ ファースが自殺をほのめかすシーンが延々と続くんですが、一方で色んなイケメンが彼の元に集まってきてという、なんともはや、まるでヴィンセント・ギャロのカンヌでこけまくったブラウン・バニーみたいなナルシスト映画なんです。要するに物語にするにはどうでもいい内容を、その映像美で強引にねじ伏せて押さえつけ(引用:マグノリアのセリフ)、そこに詩的なナレーションをかぶせることで、そのどうでも良さを覆い隠し、かつそこに意味ありげなメタファーを構築するという、僕があまり好きじゃない「ムーンライト」とかジム・ジャームッシュ監督「パターソン」とかテレンス・マリック監督ツリー・オブ・ライフとかの系譜というか。。。もう見終わって、DVDディスクをおもむろに「このホモやろう!」と外に投げ捨てたくなったこと受け合い、という。ただ、僕は別にゲイに偏見はないし、特にアン・リー監督ブロークバック・マウンテンなんかは大好きな映画なので、もう残念感が否めません。だって、コリン・ファースの衣装をデザイナー兼監督のトム・フォードが手がけたとか、コリン・ファースが劇中住んでいる家はフランク・ロイド・ライトの弟子のアメリカ人建築家ジョン・ロートナーが建てた家とか、そんなことどうでもいいじゃないですか。そういう小手先感万歳なのがもう耐えられませ~ん。ちなみに、劇中出てくるコリン・ファースに近づいてくる大学生役のニコラス・ホルト君のイケメンっぷりは半端じゃないですよ。とんでもない美成年です。確かにケート・ベッキンセールさんにちょっと似てますが。

「天気の子」DVDスタンダード・エディション

「天気の子」DVDスタンダード・エディション

  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: DVD
 
君の名前

君の名前

  • アーティスト:熊木杏里
  • 発売日: 2009/06/17
  • メディア: CD
 
星を追う子ども

星を追う子ども

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
ブレードランナー クロニクル [Blu-ray]

ブレードランナー クロニクル [Blu-ray]

  • 発売日: 2017/09/20
  • メディア: Blu-ray
 
シングルマン [DVD]

シングルマン [DVD]

  • 発売日: 2018/06/02
  • メディア: DVD
 
ブラウン・バニー [DVD]

ブラウン・バニー [DVD]

  • 発売日: 2004/12/03
  • メディア: DVD
 
マグノリア [DVD]

マグノリア [DVD]

  • 発売日: 2014/12/17
  • メディア: DVD
 
ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]
 
パターソン [DVD]

パターソン [DVD]

  • 発売日: 2018/03/07
  • メディア: DVD
 
ツリー・オブ・ライフ [DVD]

ツリー・オブ・ライフ [DVD]

  • 発売日: 2013/01/23
  • メディア: DVD
 
ブロークバック・マウンテン [DVD]

ブロークバック・マウンテン [DVD]

  • 発売日: 2016/08/24
  • メディア: DVD