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アニメ映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」

評価:★★★☆☆

今週は出張の隙間時間を利用して「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の序、破、Qの3作を見ました。で、どうだったのかというと、確かにおもしろいし映像もかっこいいのでそれなりには楽しめたんですが、なんというか、そこまでは心に響きませんでした。

いや確かにものすごいアニメーションではあるんです。映像とかも随所にCGが使われたり、音楽も凝ってるし、新たな設定もふんだんに出てきて、もう情報量が多すぎて、さっぱり意味がわからないけど、それでもそれなりには楽しめました。

そもそもこのエヴァンゲリオンシリーズは、僕が学生の時にテレビで放映されたのが始まりで、その時のテレビシリーズが全26話放映され、そのあまりにも唐突かつ身勝手な終わり方にファンの怒りが殺到し、あらためて映画版(旧劇場版)の「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(DEATH & REBIRTH)」と「Air/まごころを、君に」の2本が作られたわけです。

そこで僕にとってのエヴァは終了していたわけですが、最近、庵野監督の記事を目にしたのがきっかけで、今回、新劇場版を見てみることにしたんです。で、見てて思い出したんですが、この1・2作目の「序」と「破」はすでにどこかで見てましたですハイ。けれどそれ以降、3作目の「Q」をスルーしていたのは、あまり印象に残っていなかったのと、続きもさほど気にならなかったからなのかもしれません。

そもそも、エヴァンゲリオンってその謎が話題になりがちで、大ブームの社会現象にもなったわけですが、僕的にはこの「謎」って結構どうでもよくて、女の子がかわいくて映像がきれいで、メカやロボットがたくさん出てきて、部屋の描写とかが多ければそれでいんじゃね?程度のノリでした。僕は当然「綾波」のファンで、林原めぐみさんのアニメ史に残る「美声」や「しゃべり方」、映像上の綾波の青い髪、ショートヘア、赤い目、白い肌などなど、もう思い切りドツボでしたね。それにミサトのマンションとか綾波団地の部屋とか、とにかく部屋の描写が部屋フェチの僕にはもうたまらなくツボでした。

で、庵野監督のスキゾ・パラノエヴァンゲリオンという本も買ったし、つられて庵野監督の前作「不思議の海のナディア」を全話見たりもしました。まあ当時はものすごい社会現象になって、経済効果も半端なくて、エヴァがアニメ界に与えたインパクトはとんでもなかったはずです。まさに紀元前(B.C)、紀元後(A.C)と同様、エヴァ前、エヴァ後でアニメーションの文法そのものが変わってしまいました。

庵野監督はもうアニメ界のキリストですよ。しかし、最近の庵野監督の記事を読んで驚愕したんですが、当時のエヴァを作った会社、つまりはガイナックスGAINAX)は、もうエヴァとはほとんど接点のない全く別の会社になってしまっていたんですね。ガイナックスは当時、名作「王位宇宙軍 オネアミスの翼」をつくるために設立された会社だったわけですが、そんなガイナックスエヴァがあれだけヒットしたことで、じゃんじゃんお金が入ってきて、特に経営陣がおかしくなってしまったようなんです。それを庵野監督は必死に軌道修正しようと私財を投じてがんばったようなんですが、どうにもならなくなって、イヤイヤ引き受けた役員も降りて、「株式会社カラー」を設立するに至ったということだったんですね。なので、この新劇場版はガイナックスではなくカラーの作品なわけです。

僕はそういう庵野監督の苦労や悲劇を正月の特集記事を読むまでは全く知りませんでした。庵野監督の奥さんのモヨコさんが書いた「監督不行届」を読むと、庵野監督は今も昔も好きなアニメをつくって、好きなヒーロー物のおもちゃに囲まれていればそれで幸せな方のようなんですね。かねてから「クリエーターは経営者になるべきではない」というのが心情だったようですし。

が、そんな人がそういう会社の経営上の内紛や陰謀に巻き込まれてしまって本当につらかったと思います。多分そういうイザコザさえなければ、新劇場版の4作目の「シン・エヴァンゲリオン劇場版:II」もとっくに完成していたに違いありません。

僕は新劇場版よりも、この「エヴァのヒットに端を発するガイナックスのバタバタ劇があって、当時の庵野監督の学生時代からの友人ら(の一部)がおかしくなったりバラバラになってしまった」という事の方が衝撃的でしたね。アニメをつくっているアニメーターが金儲けなんかより自分の携わる作品に魂を注いでいるわけですから、経営者が金儲けに走ったらダメじゃないですか。そんなことは多分みんなわかっていたんでしょうが、実際にとんでもないお金が入ってくると、色んな輩や取り巻きや企業がウジャウジャ集まってくるしで、むしろ正気を保つ方が難しいのかもしれませんが。

さてさて、新劇場版ですが、従来の謎はもちろん、新たな謎が色々とちりばめられているし、またどうしてもテレビ版をある程度は理解している事が前提となっているので、これを初めて見るような子ども達には全く理解できないのではないでしょうか。この新劇場版はそれなりに興行収入を上げたようですが、恐らく僕の推測からすると、観に行ったのは僕のような当時エヴァにはまった人が大部分のようにさえ感じます。

また僕にとっては、こういう新たな謎ってある意味どうでもよくて、もう少し人物描写や世界の説明に時間を掛けてほしかったんです。だってあまりにもわけがわからなくてついて行けないので。・・・もうエヴァ用語辞典を買うしかないというレベルです(泣)。ただ、恐らく庵野監督もあまり謎とかはどうでもいんじゃね?ぐらいに感じてると思うわけですよ僕は。究極は「破壊尽くされた都市の中をゆっくりエヴァ巨神兵)がノシノシ肩をゆっくり上下させながら歩くシーンを撮りたいだけ」なんじゃないでしょうか。

ちなみに僕としては、綾波よりもニャン!とかメンゴ!とか繰り返すおふざけキャラの真希波・マリ・イラストリアスちゃんの方が魅力的でした。これってある意味、僕が大人になったということなんでしょうかね。いずれにせよ、庵野監督、そしてカラーの皆さん、4作目の制作、がんばってくださいね。 

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本「トランプ大統領とアメリカの真実」「ヒラリーを逮捕、投獄せよ」と映画「13時間 ベンガジの秘密の兵士」

僕の敬愛する政治経済評論家の副島隆彦さんの2016年の本ですが、この2冊、ものすごくおもしろくて衝撃的でした。自分がよく理解できていなかった中東情勢がこの本のおかげでようやくその点と線が繋がった気がします。

もう20年以上前から副島さんの本は愛読書の一つですが、「ハリウッド映画で読む世界覇権国アメリカ」の文庫本が出たあたりからものすごく発刊ペースが早くなって、イルミナティとか金本位体制とかロックフェラーとか預金封鎖とかめまぐるしくて、最近はとんとご無沙汰しておりました。ただ、ブックオフで安ければせっせと買ってはいたので、もう読んでいない本が20冊ぐらいたまっていたわけです。

で、久しぶりに副島さんの本「トランプ大統領アメリカの真実」を読んだのですが、もうあまりのおもしろさにすぐに「ヒラリーを逮捕、投獄せよ」まで一気に読み進めてしまいました。この2冊、もうとんでもない名著です。副島さんって日本のマスコミにはほとんど相手にされてませんが、恐らくあまりにも本当のことばかり言ってるので、ヤバすぎてとても公共の電波なんかでは流せないんだと思います。意外に日本の政治家や経済学者なんかにも副島さんの隠れファンが多くて、むしろ今ぐらいの立ち位置の方が殺されないですむのかもしれませんが・・・。

さて、まずは「トランプ大統領アメリカの真実」ですが、これはアメリカの大統領選のまっただ中で書かれた本で、副島さんはトランプが共和党の指名を受けた段階で、トランプが大統領になることを予見しています。ただ、それはアメリカの内情をよく知っている人であればある程度は予測できた話で、その頃のヒラリーは例の「私用メール問題」の疑惑にまみれ、アメリカ国民には相当嫌われていたんです。

で、重要なのはこのヒラリーの「私用メール問題」なんですが、日本でこの事件の意味をきちんと理解している人がどのくらいいたのでしょうか。おそらくはヒラリーが国務長官だった2012年当時、「仕事上のメールのやりとりを自宅のメールサーバーを使ってやっていた」程度の認識しかないと思います。で、そんなのたいしたことないじゃん、別にいんじゃね?ぐらいの認識だったと思います。かくいう僕もそう思ってましたし。でも、これは全くそういうレベルの話じゃないんです。日本やアメリカのメディアがきちんと真相を報道しないのでそういう誤解がまかり通っているだけなんですよ、まあ確かにヤバすぎるので。その辺の恐ろしい謀略のかぎりが「ヒラリーを逮捕、投獄せよ」に書かれています。

まず、2010年から2012年にかけて、北アフリカと中東の一部の国(チュニジアリビア、エジプト、シリアなど)で突如発生した「アラブの春」という政治変革運動があったことは記憶に新しいですが、これは独裁政権に抑圧された一般民衆の自発的かつ草の根的な民主化運動であったと考えられています。

しかし、これは当時、アメリカの国務長官であったヒラリー(民主党ネオコン勢力)が、CIAを使ってあの手この手で画策して意図的に起こしたことであって、一般民衆から生まれたグラスルーツ運動なんかじゃなかったんです。要は単にヒラリー一派に誘導・画策されて踊らされていただけだったんですね。恐らくヒラリーは、アフリカや中東の独裁政権を打倒して民主化すれば、虐げられた民衆が解放され、よりよい世界が待っていると信じてたのかもしれませんが、それ以降はほとんどの国で混沌が深まり、軍事政権が発足し、抑圧と恐怖が支配し、かつ大量の犠牲者と難民が生まれただけで、今では全く収拾のつかない事態になってます。

で、決定的なのは、2011年の10月にリビアカダフィ大佐を殺害したのもヒラリーの命令だったということなんです。そしてその暗殺部隊がCIAの雇ったアフガニスタン人の傭兵たちだったんですが、なんと、カダフィ暗殺の2日前に、ヒラリーはリビアの首都のトリポリに入っていて、空港でそのアフガニスタン人らと一緒に写真に収まって無邪気にピースとかしちゃってるわけですよ。で、カダフィ暗殺後にそのアフガニスタン部隊は、英雄としてアフガンに帰国する予定だったんですが、その飛行機が着陸直前に謎のミサイル攻撃により全員死亡してしまいます。表向きはタリバンの襲撃を受けて爆撃されたことになっていますが、おそらくは口封じのためにヒラリーらに始末されたというのが真相のようです。

あ~もうものすごく怖くなってきますが、ヒラリーの大罪はそんなもんじゃありません。なんとカダフィの殺害後、リビアの国家資産2.4兆ドルと金塊134キロと武器弾薬を全て秘密裏に持ち出して(つまりは盗み出して)、イスラエルのハイファ港を経由してシリアのラッカまで運び込んだようなのです。そして、この資金を使ってシリアの反政府勢力に給料を出しながら2年間の訓練を施したわけです。

そうです、あのシリアのラッカですよ。つまりは、そのときに訓練を受けた反政府勢力こそ、あの後藤さんや湯川さんを殺害したクズどもの集団、後のIS(イスラム国)なんですよ~あ~恐ろしい・・・。この衝撃の事実!・・・。僕はもう読んでて震えましたね。

確かに彼らISは、2014年の6月に突如としてモスル(ラッカよりさらに東の都市)に出現し、最高指導者であるアブ・バクル・アル・バクダディ(2019年死亡)が自らをカリフと称し、国家樹立を宣言しました。2011年10月のカダフィ殺害から資金と武器の運搬や反政府勢力との交渉等に3~6ヵ月程度を要したとすれば、さらにその後の2年間の訓練期間を経て、ちょうどISの出現の時期が2014年6月となるわけです。つまりは、今の北アフリカと中東の混乱、ISの台頭、シリアの大虐殺、そして欧州へ押し寄せる大量の難民問題こそは全てオバマ政権の外交政策の産物であって、その元凶は時の国務長官であったヒラリーだったということになるわけです。

そして、これらの一連の出来事がヒラリーの流出してしまったメール5万通の中に事細かに書かれていて、だからこそあれほど大騒ぎになったんです。ヒラリーがCIAを勝手に使ってアラブの春を画策し、カダフィを殺害して国家資産を強奪し、反政府勢力を訓練してISを育成したわけですから。これがヒラリーの「私用メール問題」の真相なわけです。ちなみにこれらのメールは、ヒラリーが私用のメールサーバーを使っていたから漏れてしまったわけで、国務省のPCだけを使っていれば明るみに出ることは決してなかったと思います。

僕はずっとISの台頭は中東に介入したブッシュ政権のせいだとばかり思ってましたが、ブッシュ政権末期には、イケイケのチェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツなんかの共和党ネオコン派はすでに失脚して退場していたので、なぜ以降も中東の混乱が引き続き継続したのか、その辺が理解できませんでした。しかし、オバマ政権にバトンタッチした後、ヒラリーらの民主党内のネオコン派が画策していたのだとすれば、その理由がものすごく腑に落ちるわけです。

ちなみにカダフィ殺害の翌年の2012年に、リビアベンガジアメリカ領事館の襲撃事件が起き(=ベンガジ事件)、当時のアメリカ大使であったクリス・スティーブンス大使が殺される事件が起きますが、彼こそは当時のヒラリーの直属の外交官で、カダフィ殺しを実行したCIA部隊の責任者だったんです。ただ、この人は政治家タイプなので、直接の作戦の立案や実行は、当時CIAの副長官だったマイケル・モレルという人が取り仕切ったようなんですね。

で、その辺のヤバすぎる真相には一切触れずに、この「ベンガジ事件」を描いた映画としてマイケル・ベイ監督の「13時間 ベンガジの秘密の兵士」があります。この映画はものすごくおもしろくて、この2冊の本を読んだ後に見るとまた映画の見方が変わってくるので必見です。

ちなみに、このクリス・スティーブンス大使は、領事館に火を付けられその炎で窒息死してしまうんですが、無残にもその遺体が街中を引きずり回されてしまいます。その様子をCNNで見たヒラリーはゲロ吐いてぶっ倒れて入院してしまうんです。が、そんなヒラリーさんも時間が経つと何食わぬ顔で平気で大統領選に立候補してしまうんですから、政治家ってやつはもう・・・。

トランプ大統領とアメリカの真実

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Lock Her Up ! ロック ハー アップ ヒラリーを逮捕、投獄せよ

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映画「LION /ライオン 25年目のただいま」

評価:★★★★★

これ、僕は全く期待していなかったんですが、年末年始に見た映画の最高傑作でした。休みの最後に日に「蜘蛛の巣を払う女」とこの「LION」を見たことで、とても充実した新鮮な気持ちで無事仕事に復帰することができました。

ちなみに僕は、あの休み明け直後の世の中のなんとなくギスギスした雰囲気が嫌で、必ず年末年始もゴールデンウィークも「プラス1」して休む主義なんですね。なんか、駅とか電車の空気が負のエネルギーに満ち満ちているじゃないですか。多分8割方の人間が「行きたくねぇ~」とかって思ってるような気がしますが、案外逆に休み疲れしてしまって「よかった~!やっと休みから解放されたぜファックっ!」とかいう人も結構いるのかもしれません。

さてさて、LIONなんですが、これは驚くべきことに実話モノなんです。で、「LION」って何?という意味不明のタイトルも、ちゃんとオチがついていてきちんと物語を締めくくってるのでご心配には及びません。

で、簡単にあらすじを紹介すると、インドの片田舎で生まれた5歳の子どもが、ひょんなことから家族と生き別れになり、すったもんだがあって運よくオーストラリアの夫妻に引き取られ、その後はずっと幸せに暮らしましたとさ、よかったよかった、という話ではないんです。確かに引き取られた後、あっという間に20年の歳月が流れるんですが、要は思うわけですよ、「まだ兄貴や母親がオレを探してるんじゃないのか?オレの帰りを待ってるんじゃないのか?おれはここでぬくぬくと何もしないでいいのか?」とかって悩み始めるわけです。で、今の時代ですから、Googleストリートビューなどを駆使して少ない記憶を頼りに自分の故郷を探しはじめるんです。

物語は大きく2部構成になっていて、最初は主役のサルー少年の壮絶な子供時代(というか迷子時代)を舞台に、彼が里親に無事引き取られるまでをちょうど半分くらい(1時間程度)で描き、そして後半で一気にイケメンに成長した迷える子羊サルー青年を描き切る、という構造になってます。この構成とかもうマジで神がかりですばらしいです。以前このブログで紹介した「ムーンライト」なんて比較にならないほどの完成度。

何がすごいって、サルー少年が迷子になった時のカルカッタの喧騒を描いているシーンなんて驚愕モノです。とにかく、どこもかしこも人で溢れてて、サルーみたいな小さい子が歩いてても誰も気にしないし、下手をすれば「邪魔だ!」とかって怒声を浴びせられて強引に脇に追いやられたり、駅の中で寝てれば鉄道警備?みたいなおっさんたちに殴られて追い出されるし、相手が年端もいかない子供だろうと容赦がなくて、とんでもなく過酷ですわ。かと思えば、怪しい大人が甘い言葉をかけてきたり、マジで人間不信になりそうです。

それと、カルカッタって、いたるところに修行僧なのかホームレスなのかよくわからない人たちが屋外で集まって集団で寝てるし、町中にごみが散乱しているし、ドブみたいな川で水浴びしたり(ガンジスでしょうか?)、ものすご~く不衛生で、インドって今もこうなのでしょうか。見てて怖~いよ~うママ~状態になること必死ですハイ。

そして、そんな壮絶なインドを後にして、後半のオーストラリアへと話も時間も一気に飛ぶわけですが、もう天国ですわオーストラリア、きれいだし義理の両親も優しいし。そしてなにより、このサルー青年がかなりのイケメン(というより、ナイスガイ)に成長し、しかもとても母親思いのやさしい青年に育ってるではないですか。ちなみに義理のお母さん役はニコール・キッドマンさんで、迫真の演技をしててすばらしいです。

で、このニコール・キッドマン夫妻は、サルーを引き取った1年後にインドからもう一人、孤児を引き取るんですが、その引き取った子供がサルーとは正反対のバカでやなやつでサイクブーでどうしようもないアホなんですわ。確かにこの少年もまた、子供時代の壮絶な過去をトラウマとして引きずっているのはわかるんですが、まあ見ている方は、はっきりいって1週間ぐらいでこいつはすぐにインドに送り返せばよかったのにとすら思うわけです。が、このオーストラリアの夫妻は本当に立派で、その辺の危機迫る様子をニコール・キッドマンがほぼセリフなしの表情と眼力だけで演じてますので必見です。

でかつ、先の記事で紹介した「ドラゴン・タトゥーの女」のリスベット・サランデルを演じたルーニー・マーラちゃんも出てるので見逃せませ~ん。しかし、このサルーを演じたデーヴ・パテール君、ひじょ~にいい役者でイケメンなんですが、だんだん見てると思うわけですよ、本物もこんなにイケメン(ナイスガイ)だったのかなぁ~?とか、こんな洗練された奴なのかよ~などなど。そして、エンドロールでお約束の本人出演シーンがありましたですハイ。・・・って、え?あれっ?この人っ?・・・とまあ、映画は映画としてみないとだめだよね、などと、そこは少しうがった見方をしてしまった自分を戒めつつも反省したくなるわけですハイ。しかし、この映画は日本では劇場公開さえされずにビデオスルーって、この国の映画産業、完璧に終わってますね~。

というわけで、疑似的に迷子になってみたくて、どうしようもないクズの弟がいて、かつ最終的に少し反省したい人には自信を持ってお勧めできる一本です!この3連休にいかがでしょうか?

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映画「蜘蛛の巣を払う女」

評価:★★★★☆

この映画、ものすごく面白かったですハイ。しかし何でAmazonレビューであそこまで評価が低いのかがわかりません。なにか作為的なモノすら感じますね。そもそもこの映画にアメリカ版の名作である「ドラゴン・タトゥーの女」と同質的なものを期待すること自体が間違いなわけで。ドラゴン・タトゥーの方は主演にルーニー・マーラさんを起用したんですが、これが大当たりの最大の要因だったように思います。

そもそもルーニー・マーラってどっちかというと清純派タイプで、原作での過酷な過去を持つリスベット・サランデル像とはどう考えてもマッチしないわけですよ。それをデヴィッド・フィンチャー監督が半ば強引にルーニーちゃんを半モヒカン刈りにしてピアスを付けまくってパンクなファッションでまとめた結果、それが強さとかわいさを併せ持ったいわば異質のリスベット・サランデル像が奇跡的に生まれたというね。

こういうことってハリウッドでは結構あって、例えば「ロング・グッドバイ」でエリオット・グールドが演じたフィリップ・マーロウや、「インタビュー・ウィズ・バンパイア」でトム・クルーズが演じたレスタトなんかがその典型でしょうか。本来は考えられないキャスティングをすることで、むしろそのギャップがキャラクターに強烈なインパクトを持たせ、結果として作品に深みを与える、今でも語り継がれる名作になるといったように。

なので、ある意味「ドラゴン・タトゥー」の方は偶然と奇跡の産物的な映画であって、その続編的な意味合いでこの「蜘蛛の巣を払う女」を解釈しようとすると、もうとんでもない低評価、クソレビューになってしまうわけでして。

あ、そろそろ「蜘蛛の巣を~」の方に話を戻しますと、まず、このリスベット・サランデルというのは家族との壮絶なる過去を持つ天才ハッカーで、今は独立して探偵まがいの仕事をしているわけです。元々はスウェーデンの作家のスティーグ・ラーソンさんの「ミレニアム3部作(Part1~3)」が原作となっています。ただ、このスティーグさんは、この本を出版する前になんと亡くなってしまうんです。まるでゴッホの作家版みたいな話なんですが、死後に出版されて爆発的にヒットし映画化されたという経緯があります。そして、このスティーグさんの意志を継ぐ形で、現在はダヴィド・ラーゲンクランツさん(なんか名前がドイツっぽいですね)という方が続編(Part4~6)を書いている様なんですが、僕はこのダヴィドさんの続編の方はまだ読んでません。そして今回の映画は、このPart4がの原作のようですね。

ちなみに、まずはこのスティーグさんの原作に忠実にスウェーデンで「ミレニアム3部作」が映画化(=オリジナル3部作)されます。このスウェーデン版ではノオミ・ラパスさんという太めのおばちゃんがリスベットを演じてますが、とんでもなく演技力のある女優なので、それはそれで様になっているんです。が、やはりなんとなく映画の映像とかが田舎くさくて垢抜けません。パッケージなんてビジュアル系のロックバンドみたいでダサ過ぎて涙が出てきます。そしてそれをハリウッドがスタイリッシュにリメイクしたのがルーニーちゃんの「ドラゴン・タトゥーの女(=ハリウッド・リメイク版)」であって、これはもう「ファイト・クラブ」のデヴィット・フィンチャーですから、映像とかも懲りに凝っててオープニングから度肝を抜かれること必死です。で、今回の「蜘蛛の巣を払う女」が、言うなれば「アメリカ・スウェーデン合作版」ということになるわけです。

さて、あらすじなんですが、詳細はAmazonや映画レビューなんかで調べてもらうとして、簡単に言うと、リスベット・サランデルには幼い頃に生き別れになった妹がいて、実はその妹の方も父親の意志を受け継ぐ形で組織を維持しつつそれなりに元気にやっていて、久々に再会してみると敵になっていたという、まあよくある話ではあるんです。

が、まず映像がハリウッドレベルとまではいかないまでも、スウェーデン版の「ミレニアム」なんかよりは格段に映像がスタイリッシュでソフィスティケートされてるんです。色々な小道具やインテリアやファッションとかも凝ってて、バイクもドゥカティを真っ黒にスモークペイントしててオシャレだし、一方でアメリカのアクションドンパチ映画みたいな派手さも控えめで、ちゃんとヨーロッパ感が漂っていてかっこいいんです。って、スウェーデンアメリカの合作なので当たり前か・・・。

で、リスベット・サランデル役をクレア・フォイさんというイギリスの女優さんが演じてます。たぶんあまり評判はよくなかったであろうことは確実なんですが、僕はこのクレア・フォイさんのリスベット・サランデルも、ルーニーちゃんとはまた別の意味でものすご~くよかったと思います。殴られたり倒されたあと、それからどうにか立ち上がってすぐにキリッ!と相手を睨み付ける、つまりはガンをたれる(飛ばす)わけですが、その眼力がハンパなくてかっこよくてシビれましたですハイ。彼女になら殴られてもいいとすら思いましたね。しかし、最近はイギリスの女優の方が才能豊かのでしょうか。スター・ウォーズ新シリーズのデイジー・リドリーちゃんもイギリス人ですし。

それと特筆すべきは、妹役のカミラ・サランデルを演じたシルヴィア・フークスさん。彼女が劇中ずっとド派手な真っ赤な衣装に身を包んでいて、「おまえはシャアか!」と突っ込みたくもなるんですが、それが背景の雪の白さに映えてものすごく美しいんですわ。そもそもこの映画の色遣いってほとんどモノクロチックで白と黒以外は最小限に抑えられているので、そこにきてこの真っ赤な衣装ですから、もう強烈なインパクトなんですよ。

そしてなにより、このシルヴィア・フークスさんって、そのサイボーグ的なまなざしってどこかで見たことあるなぁ~と思ってたんですが、ようやくわかりましたよ、えっと、実はあの「ブレードランナー2049」のものすごく強いレプリカントの女で、最後までライアン・ゴスリングを苦しめていたあの子じゃありませんか。あの演技も通にはたまらなかったわけですが、今回も似たようなテイストのサディスティックな演技で悶絶必死ですハイ。

というわけで、見所満載のこの映画、女の子にガンを飛ばされたい方には猛烈におすすめです。そろそろ原作のPart4~6も読みたくなってきました。

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2019年末~2020年始に見た映画

今年はどういうわけか年末年始にかけてあまり映画を見ませんでした。なぜなのか色々考えてみたんですが、おそらくは休みに入った直後に見てしまったスター・ウォーズ9の影響が大きいかと思います。あれを見てしまって、その衝撃と畏怖(イラク戦争の作戦名)によってワナワナしてしまい、ほかの映画を見るだけのゆとりや落ち着きをしばらくは取り戻せなかった、というのが正直なところでしょうか。

さてさて、なんともはや、残念なことに見直したスターウォーズ7と8を除くと、たった5本という暴動必死のていたらくですハイ。以下、そのラインナップなんですが、奇跡的にクソ映画が②の「ゴールデン・リバー」のみ、という極めて良質な映画が多かったのが特徴で、どれを見ても楽しめます。

マイ・プレシャス・リスト(評価:★★★☆☆) 
②ゴールデン・リバー(すでにコメント済みのため省略)
③アンノウン・ソルジャー(評価:★★★☆☆) 
④12か月の未来図(評価:★★★☆☆) 
蜘蛛の巣を払う女(評価:★★★★☆)

まず、①の「マイ・プレシャス・リスト」なんですが、これは飛び級してハーバードを卒業した女の子が引きこもりみたいになって、カウンセラーの勝手に作ったリストにある行動目標を一つずつ達成していくという、僕の大好きな女優サラ・ポーリーの「死ぬまでにしたい10つのこと」を若干パクった映画なんです。最初は主演の女の子のベル・パウリーちゃんが鈍くさくてイマイチ観が否めないんですが、見ていくうちにこの子の魅力やかわいさがジワジワと伝わってくるという不思議な映画でしたね。

で、②の「ゴールデン・リバー」に興味のある方は先の記事を参照ください。骨のある俳優が勢揃いしても、ストーリーがつまらなければクソ映画になるという典型的なクソつま映画、その名も「ゴールデン・リバー」やねん、どないしてまんねん映画です。

さて③の「アンノウン・ソルジャー」ですが、第二次世界大戦時、ロシアの侵略に対抗するために戦ったフィンランド軍の壮絶なる抵抗を描いた映画なんです。戦争そのものは当然として、政府のお偉方や軍の高官が勝手に決定した方針や作戦によって、次々に兵士が死んでいく様をダイナミックかつエモーショナルに描いた映画で、兵士の視点も職業軍人ばかりでなく、普段は普通に農業なんかに従事している予備役兵士(有事の際や訓練の時のみ軍隊に戻る人々)の視点からも描いているのが特徴です。特にこの映画を見て驚いたのは、そんな最前線での壮絶な戦闘のさなか、兵士がしょっちゅう休暇をもらって恋人や家族の元にふらっと一時帰宅するシーンで、なんだか最前線と家族の元に戻っている生活が同じ世界の出来事だとは到底思えないんです。いやぁ~これも不思議な戦争映画でした。しかしこの映画って、パッケージデザインがひどいですよね。これ見て借りる人は皆無じゃないかと。

次に④の「12か月の未来図」なんですが、これは僕の意外と好きなジャンルの一つ「外国の教師モノ」なんです。フランスのパリの名門高校で働くフーコー先生が、あるパーティーでの些細な一言がきっかけで、郊外の問題児ばかりのダメ中学校に1年間の期限付きで赴任することになってしまって、さてその12ヵ月で彼の受け持ったクラスはどう変わったのか?という映画なんですよね。

この映画を見て驚くのは、フランスの教師って全く教師っぽくなくて、背広にネクタイなんてしてないし、みんなジーパンとかワンピースとかの私服だし、それに職員室自体もテーブルがたくさん置いてあるだけのフリースペースみたいな形式をとっていたりと、僕の知っている学校のイメージとは全く異なり、ものすごく驚きましたね。

ちなみにこの映画はミシェル・ファイファーの「デンジャラス・マインド」みたいに「先生お願い辞めないで!」というようなお約束のお涙ちょうだい感動ストーリーとは一線を画し、淡々と先生と生徒の線引き(礼儀やリスペクト)を示してみたり、指導評議会という法律で定められたシステムを取りあげてみたりと、まるでドキュメンタリーを見ているようでとても興味深かったです。指導評議会というのは問題のある生徒とその親とその担任のほか、生徒に教えている先生全員と校長先生を交え、双方の意見を聞きながら評議し、最終的には担任を除いた残りの先生と校長先生の多数決によって生徒の処分を決定するという仕組みで、こういう制度も面白いと思いましたね。まあ何にせよ、このフーコー先生を演じたハゲた中年オヤジのドゥニ・ポダリデスさんという役者さんがもう最高にすばらしかったです。

そして最後は⑤の「蜘蛛の巣を払う女」なんですが、もう最高に面白かったですハイ。デヴィット・フィンチャーの名作「ドラゴン・タトゥーの女」や、スウェーデン版のミレニアム三部作の続編という位置づけではないんですが、リスベット・サランデルものとしては最新作です。これはAmazonレビューでは非常に評価が低いのですが、なんででしょ、こんなにおもしろいのに。長くなってきましたので、この映画に関しては後日一つの記事にまとめようと思います。

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  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2005/08/24
  • メディア: DVD
 
ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]

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その他「カルロス・ゴーンさんおめでとう!」

皆さまそろそろお正月休みも残り少なくなってきましたね、悲しい限りです。

さて、カルロス・ゴーンさんですが、保釈中に華々しい逃亡劇を飾りましたね。僕は心からおめでとうと伝えたいです。しかし、これだけあっぱれな逃亡劇となると、最初に逮捕された頃から、最悪の事態に備え、このような逃亡のシナリオを綿密に練っていたのかもしれません。しかし、被告人が保釈中に海外に逃亡してしまうなんて、もはや日本初の出来事ではないでしょうか。よく取調中の被疑者(検察による起訴前)が交番なんかから逃げたりすることは報道されますが、だって今度は海外ですよ。恐らく数年以内にハリウッドで映画化されるんではないでしょうか。

で、僕はなぜゴーンさんを祝福しているのかというと、このことが日本の前近代的人質司法システムの改善のための橋頭堡となることを期待しているからです。恐らくゴーンさんはレバノン当局に日本の中世魔女狩り的司法システムについて事細かに説明するでしょうし、レバノン当局だってその逃亡に一部手を貸していた以上、今後は政府の正当性を世界に向けて発信せざるを得ません。そしてそのことが世界的な圧力となって日本の司法システムに打撃を与えないかと・・。まあ期待薄ですし、何年も先の話でしょうが・・・。

簡単におさらいすると、日本の司法システムは結論ありきでことが進みます。そのためのプロセスとして逮捕、起訴、そして身柄を長期間拘束し、最終的には自白を強要することになるわけですが、そりゃそうですよ。何日も身柄を拘束され、自分の家族への面会も許されずに、狭い独房に閉じ込められ自由を奪われ、しかも周りで何が起きているかも一切情報が与えられないって、一体だれが耐えられますか。こんなのがんばってもせいぜい3日間が関の山で、それを1年以上も耐え続けた元外務相佐藤優さんの精神力は半端じゃありませんよ。ちなみにその当時の佐藤優さんの大勢の知り合いや友人や関係者も取り調べを受けたわけですが、このやり方で3日以内にことごとく折れ、最終的には佐藤優さんに不利な証言を半ば強要されたわけです。だって、その証言をしさえすれば家に帰れる訳ですから。ちなみにその辺の詳細はマンガの「憂国のラスプーチン」に描かれていますが、このマンガは涙なしでは読めません。

要するに政治・経済犯にとって、日本の司法システムはがんばったやつが刑務所に行き、がんばらないで謝って他人を売ったり貶めたやつが刑務所に行かずに済むというものすごく歪んだステムなんです。佐藤優さんや鈴木宗男さん、それに最近ではホリエモンさんもこのパターンで捕まっています。ちなみに佐藤優さんの場合はずっとがんばり通したのでなかなか刑が確定せず、500日以上も拘置所で拘留され続けました。しかもその間、語学の勉強をしていたというのですから、もうハンパない精神力!まあ、そういう人なので、外務省時代、ロシアの政治家と強力なパイプを築くことができたんでしょう。しかしそれによりキャリアの嫉妬を買い失脚させられてしまうわけですが、おそらく佐藤優さんがまだ外務省にいれば、北方領土問題はかなり前進していたように思います。あっ、服役中の様子をほぼリアルタイムで本にしてしまったホリエモンさんも別の意味での精神力(ビジネス精神)がハンパないですよね。

さて、ゴーンさんですが、僕はテレビはほとんど見ないし週刊誌なんて一切読まないので詳細はよく知りませんが、このゴーンさんの逮捕時には怒りすら感じたのを覚えてます。あれだけ「カリスマ経営者、日産の救世主」などと持ち上げておいて、いざ大本営の発表(しかし推定無罪の原則は無視)があるや否や全てのマスコミ、テレビ、週刊誌、ワイドショーが手のひらを翻したかのようにバッシングの嵐ですわ。そしてすぐに「元日産社員は語る」とか「激白!日産経営幹部2時間」などといった特集が組まれ、公判前に一般大衆に広く被告人の極悪人というイメージが浸透してしまったわけです。あのね、日産の皆さん、そんなに色々とおかしなことがあったのなら、今じゃなくそのときに言えよ!と言っておきますね、今更ですが。そもそも政府の監視機能を担うはずのマスコミが、政府の批判もせず、どの局も全く同じような報道しかせず、そのチェック機能を果たせないのなら、何局もある必要性があるんでしょうか。

そしてもう一つ、ゴーンさんのしたことって本当に犯罪なんでしょうか。ここはホリエモンさんが非常に分かりやすくYouTubeで解説していますので、興味のある方はそちらを見るといいと思います。要はゴーンさん逮捕の理由である「①金融商品取引法違反」って言っても、有価証券報告書に記載していなかっただけのことですし、しかもその理由は逮捕後にきちんと説明されていて、結果的に一度保釈されてもいます。また「②業務上横領」という線に関しても、極めてグレーかつその立証のハードルは非常に高い言われていたわけです。つまりは①で立件しようとしても難しかったので、拘留を強引に延ばすために②を持ってきてダラダラ引っぱり、再び①の線で追求しようとしていたわけです(堀江さんYouTubeより)。どうですか、やることが陰険ですよね。要するにゴーンさんもまたインサイダー取引とかわかりやすい犯罪ですらなく、堀江さんが捕まった際の「偽計及び風説の流布」と同じぐらいのショボさ。しかもこれはその当時、司法制度改革によって新たに導入された司法取引制度の宣伝的な意味合いもあったというのですから恐ろしい限りです。まあ、チンケな①のラインで立証しようとしていた矢先にこの逃亡劇なわけで、ゴーンさん見事!というほかないですね。

しかしゴーンさんだって世界に名だたる実業家なわけですから、僕は今回の件は日本の司法システムが世界の先進国レベルまで成熟したものであれば決して起きなかったと思います。つまりは、あのゴーンさんを逃亡劇にまで駆り立ててしまうほどにこの国の司法システムはひどかったということですし、この件によって我が国の司法システムが先進国では類を見ないほどに幼稚であったことが世界に露呈してしまったとも言えるでしょう。

さて、レバノンで無事奥様とも再会でき、自由を満喫しているゴーンさんに心からおめでとうと言いたいです。もう絶対に日本には来れませんが、僕が日産を代表して申し上げます。ありがとう、そして、末永くお幸せに・・・・。そしてハリウッドは早速「カルロス・エスケープ・フロム・ジャパン」とかって映画化に向けて動き出すでしょうね。現代版の「ミッドナイト・エクスプレス」として後世に残る映画になってほしいものです。

しかし日本の映画界はマンガの映画化やアイドルの起用に忙しくて、本当にダメダメ映画ばかりを量産していますが、狭いマーケットで満足してもはや志は皆無なんでしょう。でなきゃとっくに佐藤優さんやホリエモンさんを題材にした映画が作られてるはずですよ。

憂国のラスプーチン 全6巻完結セット (ビッグ コミックス)

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刑務所なう。 完全版 (文春文庫)

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刑務所わず。 塀の中では言えないホントの話

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ミッドナイト・エクスプレス [DVD]

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本「FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実」

皆さま大晦日はいかがお過ごしでしょうか。今年最後のUPになりますね。僕は掃除に料理に散歩にと忙しい日々を過ごしております。さて、このブログですが、今年の一月に書き始め、1記事2,000字の年間100記事を目指していたのですが、やはり無理でした~ごめんなさい。けれど、自分の見た映画や読んだ本を紹介がてら2,000字で強引にとりまとめてねじ伏せるという行為は、ものすごく自分のためになった様に感じます・・・、というかそう信じたいですね。

さてさて昨日ようやく読み終わりましたボブ・ウッドワードの「トランプ政権の真実」なんですが、実はあまり楽しめなかったんです。この本ってアメリカではベストセラーになったようですが、それって単に作者が伝説のジャーナリスト=ボブ・ウッドワードだからかもしれません。ボブ・ウッドワードは1970年初頭、ワシントン・ポスト紙で働いていて、同僚のカール・バーンスタインとともにウォーターゲート事件の特ダネをものにした伝説的なジャーナリストなわけで、その辺のところはロバート・レッドフォードボブ・ウッドワードを演じた「大統領の陰謀」やリーアム・ニーソンが当時のFBI副長官を演じた「ザ・シークレットマン」に詳しいかと。あとオリバー・ストーン監督の「ニクソン」も外せません。ちなみにそれら3本はめちゃめちゃ面白いので今からまた見ようかな。

さて「トランプ政権の真実」ですが、最初にトランプが大統領選に出馬する前の2010年あたりの状況に軽く触れたあと、2016年の大統領選挙の様子を追い、それ以降はホワイトハウスに場を移し、当選後のトランプ政権の始動(2017年1月)から2018年3月頃までの様子が書かれています。要するに大統領になって1年程度のトランプ政権の内幕が描かれているわけですが、それ以降すでに2年近く経っているので、トランプ政権の業績と解釈はまたこの本とは違ったものになるはずです。むしろその辺を追った直近の本が読みたいですよね。

僕がこの本で一番面白かったのはトランプが大統領になるまでのサクセス・ストーリー部分で、本全体の3分の1くらいまででしょうか。それ以降のホワイトハウスでの惨状はもうダラダラしててひじょ~につまらなかったです。

ちなみにアメリカの大統領選というのは、ある意味1年掛かりで開催されるお祭りのようなもので、予備選(前半1~6月:各政党内での候補者選び)と党大会(7~8月:各政党の候補者の決定)、そして本選(後半9~11月:政党間での争い)という具合に、もう全国的に大統領選一色の1年になるようですね。

さて、トランプ大統領ですが、彼は元々は政治色の皆無な実業家で、たしかに金持ちのボンボンではあるんですが、ある意味親には頼らずに、自力で不動産開発やカジノやホテルなんかの経営で財をなしたやり手でもあるんです。まあ、そういう所が上から目線のエスタブリッシュメント=ヒラリーとは違って大衆受けしたわけで、それが大統領になれた最大の要因なんでしょう。

また公約も非常にわかりやすく、①メキシコとの間に壁を作る、②NAFTA北米自由貿易協定)やKORUS(米韓自由貿易協定)などの貿易協定を見直し、鉄鋼業を主体とした製造業や重工業の雇用をアメリカに取り戻す、③アフガニスタンへの派兵・駐留を取りやめ、完全撤退する、④先進国へ駐屯している軍事基地の費用やその対価を支払わせる、などなど、社会経済情勢をな~んにも知らない一庶民には非常に心強く響いたわけです。

ただ、トランプさんは色んな場所や建物やリゾートに自分の名前である「トランプ」を付けるほど自己顕示欲が強くて態度もデカいし下品なので、それが軍人将校や高級官僚たちとは全くかみ合わないわけです。って、あたりまえですよ。でもとりあえず、がんばって公約を果たそうと奮闘するんですが、実態を知るうちに身動きがほとんど取れなくなっていくんですね。その理由は非常に長くなるのでまた次回に書くことにしますが。

ってなことで、当初トランプの思い描いていた公約は、ことごとくホワイトハウスのスタッフ、閣僚、インテリジェンス・コミュニティの面々とは意見が食い違い、反発を食らい、結果的には一つずつ丁寧に潰されていくわけです。さらに娘のイバンカや夫のクシュナーはどちらかというと民主党員に近くて、「パパ、パリ協定は離脱しないでっ!」とか「パパ、不法移民の子ども達(ドリーマーズ)を国外追放しないでっ!」とかって横やりを入れるもんだから、トランプも困って右往左往して、なんにも決められなっちゃうんですね。

そして同時に、トランプ政権を担うとんでもなくIQの高い輝かしい経歴をもったおっさん達も、トランプのあまりの無知蒙昧で幼稚な性格に付き合いきれず、どんどんトランプとの仲が悪化してしまって、結局は捨てセリフを吐いて辞めていくんです。「あいつはとんでもなく知能が低い!」とか「何の経験もない捕食者ばかりの政権だ!(主にトランプ、イバンカ夫妻を指す)」とか、「彼はバカだ、説得しようとしても無駄だ!」とか、みんな苦虫をかみつぶしたような顔をして巻頭カラーページの写真に収まってるので笑えます。

とまあ、そんなやんちゃでおちゃめなトランプ大統領なんですが、僕はこの本を読んで少し彼が好きになりましたね。その理由の一つ目は、2016年にイエメンで行われた特殊作戦で、SEAL隊員の一人が死亡してしまって、トランプがその家族を電話で見舞うエピソード。トランプは事前に戦死した兵士の身上調書をじっくりと真剣に読みこんでいて、家族との会話の中で「ここに記録があります。彼がとても好かれていたことを物語る報告書があります。彼は偉大なリーダーだったんですね。」と語りかけ、家族を慰めるわけですよ。で、そのあとでホワイトハウスのスタッフがその調書を読んでみると、トランプが家族に伝えたようなことは一切書かれてなくて、実はトランプのとっさの作り話だったということがわかるんです・・・。どうですか?すこしジーンと来ませんか?

で、もう一つは、すでにトランプ政権の要人が次々に辞任していることは書いたんですが、そのときのエピソード。トランプはどれほど意見が衝突しても対立しても、その人が辞める段になるとトランプはなぜか必ず電話かあるいは面と向かって「ありがとう。君がやってくれたことすべてに、感謝している。」と丁寧に粛々と感謝を表するのだそうです・・・。どうですか?少ししんみり来ませんか?

ましてや若者の職場のバックレとか、退職の際の代行業なんかが流行っている今の時代に、トランプさんのこのスタンスってものすごく貴重で男らしいじゃないですか。来年の大統領選の行く末は全くわかりませんが、少しドナルド・トランプを応援したくなっちゃいました。

ちなみに僕がトランプ政権の中で一番好きなのは、大統領主席戦略官だったスティーブ・バノンさんですね。彼はトランプを当選させた立役者で、元々は右派のオンライン・ニュース「ブライトバード・ニュース・ネットワーク」の会長なんだけど、格好とかも軍用のフィールドジャケットを羽織ったりとかラフでノーネクタイで全く政治家っぽくないんですよね。で、大統領の執務室に自由に出入りするイバンカに向かって「おまえはスタッフなんだ!自分が指揮しているかのような振る舞いはやめろ!とんだ思い違いだ!単なるスタッフなんだ!」と怒鳴りつけたりとか、シブいっす。バノンさん、またトランプ政権に戻ってこないかな。

それと元ゴールドマン・サックスの社長兼COOのゲーリー・コーンがトランプに「大統領、大統領の夢見ているアメリカは、ノーマン・ロックウェル風のアメリカ観です(1940~50年代の庶民の生活を描いたイラストレーター)。もはやそんな風景はどこにも残っていません」といさめるシーンも好きですね。

さて、僕は先ほどお手製の年越しそばを食べました。スープも鶏ガラと鰹だしでとったのでもう最高においしかったです。それと一週間前に漬けたキムチもうまく漬かったようでうれしい限りです。それでは皆さま、よいお年を!

FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実

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恒例の年越しそばです。

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これも毎年恒例のキムチです