GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「10~12月の隙間時間で見た映画③」

えっと、ここで過去の記事をチェックしていて、ちらっと「試験前に見た映画」などという記事があるのに気づきました。って、要は僕が7月の国家資格を受験したことをオープンにしていたということなんですが、まあ一応報告まで。落ちましたよ、あっけなく・・(笑)。ものすごく自信があっただけに憤懣やるかたなしですわ。ここで決意表明を一つ。「やいやいっ!オレの解答を読んだ試験官のジジイども、老兵は去るのみ、そして、いつでも、逝ってよし。」と謹んでお伝えしておきます。まあ、来年はリベンジということで・・・。

さて、映画レビューの続きです。さて2,000字で何本いけるかな。

希望の灯り(評価:★★★☆☆)
⑦スノー・ロワイヤル(評価:★★☆☆☆)

はい、マイナーなドイツ映画の「⑥希望の灯り」です。これってもろに僕の大好きなフィンランドの映画監督アキ・カリウスマキのパクリというかリスペクトというか、作風が似てますよね。この映画の醸し出す雰囲気やトーンが非常に僕のツボにはまって、いやあ~いい映画ですよ。しかもこの映画を見る前にコストコに行ったばかりだったので、こういう巨大なIKEAみたいな巨大スーパーで働く人たちの勤務形態をばっちり理解できました。

主人公は顔に似合わずタトゥーだらけのおっさん(お兄さん)で、なんとなくワケありではあるんですが、寡黙でまじめで結構いいやつなんです。が、ほとんどしゃべらないし、そういう過去は一切説明されないので、結局最後までわからずじまいではあるんですが。それとヒロインにこの前見た「ありがとう、トニ・エルドマン」のツンデレ女優ザンドラ・ヒュラーさんが出てます。この子、やっぱりいい女優さんですよね。特別美人というわけじゃないんだけど、やはりスクリーンでの存在感がハンパないんです。複雑な心情を目の力だけで演じることができるというね。

で、ものすごくよかったんですが、最後の最後でやらかしてくれました。えっと、最後のエピソードっているの?とマジで思いましたですハイ。いくらベルリンの壁崩壊後の東ドイツとはいえ、ちょっと最後のオチは納得がいきませんでしたし、その必要性すら疑問。とはいえ、僕は好きですねこの映画。アキ・カリウスマキ監督の「過去のない男」や「街のあかり」が好きな方には特におすすめです。

次に「⑦スノー・ロワイヤル」ですが、こちらも引退したCIA局員役がすっかり板についてしまったリーアム・ニーソンのアクションものなんですが、これは何より邦題がすばらしい。ただ、この「ロワイヤル(Royale)」という言葉は、ロイヤル(Royal:王の~、大勢の~)のフランス語版だそうで、バトル(Battle)とかを付けないと「戦い」とか「大勢で(生き残りをかけて)戦う」といった意味にはならないようですね。僕は「ロワイヤル」と聞くと、邦画のクソ映画「バトル・ロワイヤル」とか、タランティーノ出世作パルプ・フィクション」でトラボルタがしたり顔で「ロワイヤァル・チーズ!」とかって連発していたのを思い出します。

さて、この映画はその邦題の意味する通り、要するに山奥の一面が雪で覆われる町を舞台に、最後の1人になるまで殺し合うだけの映画なんですよ。そしてリーアム・ニーソンは除雪作業員なんですが、息子をギャングに殺された怒りにまかせ、どんどん暴走していくんです。僕は最初、このリーアム・ニーソンが昔は裏社会の住人か元凄腕のCIAなのかと勝手に思ってましたが、どうも素人さんという設定のようですね。ちなみに途中で出てくるリーアム・ニーソンの兄貴は元裏社会の人間だったようですが。

この映画って確かに殺し合い映画ではあるんですが、シリアス感や緊張感はほぼ皆無で、なんともコミカルに仕上がってます。そのため、ハラハラ・ドキドキ感や、目を覆いたくなるようなハードさはありません。そもそも出てきたキャラが死ぬ度に、画面に十字架のイラストと死んだキャラの本名とギャング界の異名(あだ名、通り名)がクレジットされるのが笑えます。最初見たときは意味がわからなかったんですが、3人ほど雑魚キャラが死んだ時点でようやく理解できました。まあ、そんなふざけた作りですので、物語の整合性もあってないようなもので、最初に出てきたリーアム・ニーソンの奥さん役のローラ・ダーンも途中から一切出てこなくなるし、そもそもなぜリーアム・ニーソンの息子が殺されてしまったのかもよくわかりません。

そして一番笑えるのは、敵のボス役のトム・ベイトマン君ですわ。こいつがギャングの親玉を演じてはいるんですが、始終、ニヤけ顔のハンサムガイで、ぱっと見るとスーパーマンの変身する前みたいな感じでなかなかのナイスガイなんですよ。こいつのチャラけた演技がなかなかに味があって、映画のグレードを多少底上げしてくれたおかげで、かろうじてクソ映画にはならなかったように感じます。こいつが終盤で着ていたライダース型のダウンジャケットもかっこいいし、スーツの着こなしもピシッと決まってて、この人って、もっとほかの役をやった方が売れるんじゃないでしょうかね。そもそも、この人が他に出てる映画って見たことないけど。今後に期待でしょうか。

まあ、普通のアクション映画に飽きた人は、こういう映画もありでしょうかね。えっ、ここでも紹介できたのは2本だけか・・・。

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