GIGI日記~映画とか本とか~

映画、本、料理、植物、ときどきファッション

MENU

映画「10~12月の隙間時間で見た映画②」

さてさて前回の続きですが、何本紹介できますかね。どうも余談が多くなってしまって。しかし、僕はむしろその余談の方が好きなわけでして。

③荒野にて(評価:★★★☆☆)
④マイル22(評価:★★☆☆☆)
⑤ブラック・クランズマン(評価:★★★☆☆)

えっと「③荒野にて」は、たしか日経新聞のシネマ万華鏡で紹介されていて、そのとき、絶対に見るぞ!と意気込んだ記憶があるのですが、いつの間にかレンタルされててびっくり!。まず前提として見る前に知っておくべきいくつかポイントがあって、まず物語は僕の大好きなオレゴン州ポートランドのお話で、しかも舞台はほぼ現代ということ。もう一つは主演のチャーリー・プラマー君が、もろ若かりし頃のリバー・フェニックス君を彷彿とさせる点で、その設定だけで心が躍ります。なぜって、リバー・フェニックスは、僕の大好きな映画監督のガス・ヴァン・サント監督が、ポートランドを舞台に撮った「マイ・プライベート・アイダホ」でキアヌ・リーブスとともに主演を務めたわけで。なんとなく近視感がありますよね。

物語自体は、ダメオヤジと貧しくも仲良く暮らす青年チャーリーが、バイト感覚で始めた競馬場での馬の世話を通じて、馬と人間との関係や、競馬業界のきびしさを知り、少しずつ成長していく、といった一見ハート・ウォーミングな展開を予想していたのですが、実際はそんな生やさしいものではありませんよマジで。

もう期待大で見たんですが、序盤は非常にいいムードで映像も美しく、ものすごく繊細に作られていて、アメリカの現代社会のひずみなんかも描かれていて、ものすごくいい雰囲気です。しかし、物語の終盤、とある事件がおきてからは、もはや坂道を転げ落ちるようにダメダメに・・・・。すごく悲しかったですハイ。

そもそも、途中の山場の話って本当に必要だったんでしょうか。序盤のムードのまま、特に何事も起きることなくダラダラ物語を俯瞰していくだけでもよかったように感じました・・・だって、もう、かわいそうでかわいそうで。なんだか、僕にとってはあまり後味のよい映画ではなかったですね。

しかしながら、このポスト・リバーフェニックスと言うべきチャーリー・プラマー君は、今後の成長が非常に楽しみですが、まちがってもリバーみたいにドラッグにのめり込まないでほしいですね。

さて、ブルーな気分から少し気を取り直して「④マイル22」ですが、まずい、全くあらすじを思い出せないという暴挙。これってすっかりアクション俳優になってしまったマーク・ウォルバーグ主演のCIAものなんですが、なぜここまで思い出せないのでしょうか。話が複雑だったような気もしますし、裏切り者が多すぎて途中でこんがらかって理解が追いつかなくなったためなのか。けれど、最初はなんだかワクワクしながら見たような遠い記憶はありますが、ええと、何でマイル22なんだっけ。それとマーク・ウォルバーグと一緒に活躍する女性が結構かっこよかった気がするけど。とまあ、あまり印象に残っていないのは、そもそも、設定が複雑すぎるんですよ。で、仲間もどんどん死んでいくのに、主役のマーク・ウォルバーグがまるでターミネータみたいに一切気にしないんですよね。なので、見てるこっちもだんだんマヒしてきて、誰が死のうがどうでもよくなっていくという。となると当然、この物語の陰謀とかも不思議とどうでもよくね?みたいな感覚に陥ってしまい、どうも記憶から消えたようですね。やっぱり、マーク・ウォルバーグ主演のアクション映画の最高峰は「ザ・シューター/極大射程」でしょうかね。

次に、スパイク・リーの「⑤ブラック・クランズマン」ですが、これも実は伝記物。この映画は決して悪くはないんですが、なんとなく、中途半端感が否めませんでした。そもそも、黒人警官のロンが、白人至上主義者(クランズマン)の秘密組織KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査って一体どうやって?と見る前はすこぶる疑問でしたが、組織との電話でのやりとりは黒人警察のロンが担当し、実際に入り込むのは同僚の白人警官が担当するということだったんですね。なので、刑事2人がののしり合いながらも徐々に陰謀を突き止めていくバディ・ムービーかというと、実話なのでそうもいかず、なんとな~く盛り上がりに欠けます。ともあれ、白人潜入捜査官役を、あのスター・ウォーズのカイロ・レンことアダム・ドライバーが見事に演じているではないですか。なんだか、最初スター・ウォーズで彼を見たときはサイクブー感が否めませんでしたが、こう見るとなかなかにかっこいいではないですか。

まあしかし、アメリカでの黒人差別はともかく、実はユダヤ差別もハンパないのがよくわかって勉強にはなりました。劇中、何度も曰く付きの超大作「国民の創世」の映像が挟み込まれ、アメリカってとてつもなくレイシスト白人の多い国であるのが非常によくわかります(もちろん、そうではない白人もたくさんいますが)。こういう差別感情があるからこそ日本に2発も原爆を落としたわけで。今でも地域によってはそういう根強い差別ってあるんでしょうね。それが近年黒人差別映画が次々に制作される背景にあるんでしょう。

その点日本人は世界的にもかなり差別感情の希薄な民族であるわけで、それはきっと森羅万象や八百万(やおよろず)の神などの言葉にあるように、日本人が何より身の回りのもの全て、つまりは自然や生物や動物、はてや無機物にいたるまでをひっくるめて=「万物に神が宿る」というアニミズムに近い信仰心(もはや信仰ですらない)が関係していると思いますね。それって結局一番進んだ宗教(考え方)だと思うのは僕だけでしょうか。というわけで、クランズマンらの醜さを垣間見たい場合にこの映画は特におすすめですね。

げっ、まだ⑤までしか書いてない。

荒野にて [DVD]

荒野にて [DVD]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2019/09/03
  • メディア: DVD
 
マイル22[DVD]

マイル22[DVD]

 
ザ・シューター/極大射程 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

ザ・シューター/極大射程 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2008/04/25
  • メディア: DVD
 
國民の創生 D・W・グリフィス DVD HDマスター

國民の創生 D・W・グリフィス DVD HDマスター

  • 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
  • 発売日: 2018/11/30
  • メディア: DVD