評価:★★★★★
この映画、この休みに見た映画の中で最高の1本でした。これに比べると、先に紹介した「フォードVSフェラーリ」や「TENETテネット」が色あせてしまうほどの衝撃!もう断然ダントツで面白かったです。リュック・ベッソン監督の放つ渾身の一本ではないですかね。
そしてこれまでに量産された女スパイ映画の最高峰といっても過言ではありません。女スパイものは最近でもシャーリーズ・セロンの「アトミック・ブロンド」やジェニファー・ローレンスの「レッド・スパロー」、少し古めでアンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」なんかがありますが、それらが子供だましにしか思えないほどの完成度。
そのほか古くはリュック・ベッソン監督の出世作である「ニキータ」やそのリメイク版の「アサシン」などもひっくるめて、この「ANNA」は主演女優の美しさ、アクションの娯楽性、綿密なプロット、それらすべての面で旧作を遙かに凌駕しているかと。
そして何より素晴らしいのは、やはり主演を張った新星のサッシャ・ルスちゃんに尽きるのではないでしょうか。超絶美人で本業もスーパーモデルではあるんですが、本来、スーパーモデルが女優として成功することはまれです。なぜなら、モデルと演技は全く別物だからで、どちらかというとモデルはマネキンみたいに表情がない方がファッションが映えるわけですが、ムービースターとなると、全くの無表情のままでは絶対にその女優が大成することはありえません。
しかし、このサッシャ・ルスちゃんの場合は、かなりのクール・ビューティーではあるんですが、なんとなくフランス女優のヴィルジニー・ルドワイヤンとかそれこそモデルのミランダ・カーみたいなルックスで、とにかく表情がコロコロ変わって非常にコミカルかつコケティッシュな魅力が全開なんですね。
そこがチャーリーズ・セロンとかジェニファー・ローレンスとの最大の違いです。でしかも、本業がモデルなので、劇中のモデル役もそつなくこなし、ファッションとか髪型もコロコロ変わって、見ててひじょ~に楽しいんです。まとめると、この映画は単なる女スパイ映画とは一線を画し、
①主演のサッシャ・ルスちゃんの表情がコロコロ変わる。
②サッシャちゃんのファッションと髪型もコロコロ変わる。
③物語の時間軸も「何ヵ月前」「何ヵ月後」などとコロコロ変わる。
というコロコロ感満載の映画であることに加え、格闘アクションがキアヌ・リーブスの近年のヒット作である「ジョン・ウィック」とかコリン・ファースの「キングスメン」ばりのシャッフル感満載のすさまじさなんです。もはや最近のアクションって、このシャッフル感満載の方向が既定路線なんでしょうかね。
以上をまとめると、女スパイ映画にコロコロ感とシャッフル感を絶妙に配合し、そこにサッシャちゃんのお色気要素も絶妙に調合してブレンドして完成した映画、それがこの「ANNAアナ」なんですね。この週末は是非あなたもこの女スパイ映画のあらたなミューズであるサッシャ・ルスちゃんのコロコロ・シャッフル攻撃にメロメロのデレデレになってみてはいかがでしょうか。