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本「この2ヵ月で色々と読みました」

僕は本が大好きで、しょっちゅうブックオフオンラインとかアマゾンのマケプレ、あとはメルカリなんかで買ってます。しかし、僕の読む本はベストセラーとはほど遠いので、そもそも取り扱いが少ないし、結構高いのが泣き所なんです。さて、この2ヵ月で読んだ本のラインナップは以下の通り。

イスラム国はよみがえる(ロレッタ・ナポリオーニ)
②超・格差社会アメリカの真実(小林由美)
③中東の絶望、そのリアル(リチャード・エンゲル)
④西洋の自死(ダグラス・マレー)
⑤移民 難民 ヨーロッパの現実 2011-2019(川口マーン恵美)

あれ、10冊いってないじゃん。まあ、現在同時並行で読んでるのが以下のラインナップなので、そのぐらい読んだと錯覚してしまったようで。しかも、ほかにも同時並行が5冊ほど休止状態という。

⑥FEAR恐怖の男~トランプ政権の真実~(ボブ・ウッドワード
⑦11の国のアメリカ史~分断と相克の400年~(コリン・ウッダード)
⑧階級「断絶」社会アメリカ:新上流と新下流の出現(チャールズ・マレー)
アメリカ死にかけ物語(リン・ディン)
アメリカンドリームの終わり あるいは、富と権力を集中させる10の原理(ノーム・チョムスキー

とまあ、なんだか読み終わってないの多いですね。
特に先に挙げた①~⑤のうち、洋書の翻訳版の①と③はものすごく読みやすい本で、これは内容の飛び抜けたおもしろさはもちろんのこと、翻訳が非常に優れているからなんだと思います。さてさて、さらっとレビューしていきましょうか。

①「イスラム国はよみがえる」ですが、これは「イスラム国 テロリストが国家をつくる時」の文庫版で、何章か加筆されたためにこのようなタイトルになっています。翻訳がすばらしくて読みやすく、イスラム国の成り立ちや目指すべきところが非常によく理解できます。しかしながら、最近最高指導者でカリフを自称したアブ・バクル・アル・バクダディが殺害されましたね。だからといってテロの脅威が無くなったわけでは全くありません。

そもそも中東が問題なのはイスラム国だけではなく、原理主義者の組織が群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)しつつ跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているからなんです。最近の中東の混乱と悲劇は何もブッシュ大統領ら(あるいはチェイニーやラムズフェルド)だけのせいではもちろんありませんが、彼らネオコンパンドラの箱を開けてしまったのは間違いありません。それと重なるように起こったアラブの春とその後のチュニジアやエジプトやリビアの混乱と、シリアのアサド政権の徹底した弾圧などが複雑に重なりあった結果、今のような惨状と化してしまったわけです。

またそれ以降、欧州各国で頻発したテロ事件も、それらの影響で大量に欧州に流入してしまった難民の影響であることも間違いありません。そしてこの難民問題の本質を、ドイツ在住の日本人である川口マーン恵美さんが⑤「移民 難民 ヨーロッパの現実」で赤裸々に説明しています。この人の本は当初全く期待していなかったんですが、とにかく文章がものすごく上手で一気に読んでしまいました。早速中古でこの人の本を買いあさることにしましたよ。詳しくはまた後日ブログで説明します。

②「超・格差社会アメリカの真実」もまた文章がすばらしい。小林由美さん、知りませんでしたが、すごい人です。アメリカの特権階級の実情や最下層の現状ばかりでなく、アメリカという国の成り立ちから行きすぎた資本主義のなれの果てまで、ものすごく勉強になりました。が、小林さんごめんなさい、もうほとんど内容を忘れてしまったので、また読み直して勉強します・・・。

③「中東の絶望、そのリアル」はあの村上龍さんが大絶賛した本です。作者はリチャード・エンゲルさんというイケメンの海外特派員で、この人は先のイラク戦争におけるアメリカ軍の侵攻を、なんとその中心地となったバクダッドからリアルタイムで中継した唯一のアメリカ人記者として有名になりました。それ以降、この人はベイルートイスラエルレバノン、エジプト、リビア、シリアと次々にヤバい地域に飛び、その現状を伝え続けているものすごいジャーナリストなんです。この本はそれらの地域での現状がものすごく丁寧に記されていて、臨場感抜群のすばらしい本です。

④「西洋の自死」については、先に少し紹介した川口マーンさんの⑤「移民 難民~」とセットで読むことをおすすめします。2015年以降、ドイツではメルケル首相の難民受け入れのEUでの決意表明とゴーサインとともに、それを熱烈に支持した数多くのドイツ人たちが、自分たちはヨーロッパで一番の人道主義ヒューマニズム)国家!といった自己陶酔に酔いしれたわけです。しかしながら、それ以降現在に至るまで、シリアばかりかアフリカ大陸からも大量の難民がドイツに押し寄せ、地中海は多くの難民船であふれ、はたまた難民を高額な報酬で送り出す犯罪組織も台頭する始末。しかもなんとその2015年には、1年間で100万人を超す難民がドイツに入国した挙げ句、現在では本来は難民ではないただの貧しい人々でさえもこぞってドイツを目指すようになっている有様です。

そもそも純然たる事実として、そういう難民たちというのは、一度その国に定住すると、自身の国の内戦が終わっても決して自国には帰らないのが通例で、むしろ自国に残った親戚やら家族やらを呼び寄せることすらあるわけです。別にそういう人々が悪いといった話ではなくて、そりぁ当たり前ですよ。国自体が裕福で、社会保障もしっかりしていて、住む場所があって、食うに困らず、何より殺される危険が絶対的に低いわけですからね。

確かに戦争難民なんかは当然人道的に手を差し伸べていくことは大切ですが、それは当然、無尽蔵というわけにはいきませんし、然るべきルールが不可欠で、そもそも全く生活習慣や文化の異なる人々を少数ではなく大量に受け入れるということ自体(100万人って!)、ヒューマニズムよりも前にまずメリットとデメリットがあることを知って然るべきです。だって、自由の国アメリカを見てください。未だに人種間の争いが絶えません。そしてドイツでも、当然のことながら受け入れた難民の犯罪が圧倒的に増えているという恐ろしい事実、そしてそれをひた隠しにする政府やマスコミ。人間の性ですが、そのかわいそうな難民の中にも当然、犯罪者や人格破綻者、はてはテロリストすらいるわけで、むしろ「難民は全て善である」とする論調こそ間違いであって。

今後ですが、おそらくEUという共同体は間違いなく弱体化し瓦解していくと感じましたね。そしてこの川口さんの本「移民 難民 ヨーロッパの現実」は、そのことを遙か以前から見越した優れた名著として語り継がれるに違いありません。

 

「イスラム国」はよみがえる (文春文庫)

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超・格差社会アメリカの真実

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  • 作者:小林 由美
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2006/09/21
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戦場記者が、現地に暮らした20年――中東の絶望、そのリアル

戦場記者が、現地に暮らした20年――中東の絶望、そのリアル

 
西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム

西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム

 
移民 難民 ドイツ・ヨーロッパの現実2011-2019 世界一安全で親切な国日本がEUの轍を踏まないために

移民 難民 ドイツ・ヨーロッパの現実2011-2019 世界一安全で親切な国日本がEUの轍を踏まないために

  • 作者:川口 マーン 惠美
  • 出版社/メーカー: グッドブックス
  • 発売日: 2019/11/02
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その他「はてなブログの行間の件ほか」

昨日の夜ですか、自分のヘタっぴな文章のチェックも含め、寝る前に自分のブログをKINDLE端末で寝ながら読み直してたんですが、このブログの行間の幅が広いために、必死にスペースで送って改行していた部分(最も苦労する部分)が、端末とかGoogle Cromeでみるとグチャグチャのメチャメチャにずれていることにやっと気づいて驚愕!ぐわっ!クソ見にくいじゃん!なんだこれ!と失意のどん底に落ち込みました。僕のブログを読んでくれている数少ない皆様、お詫び申し上げます。

先ほど、休みの日の恒例イベント=公園散歩から戻り、心機一転、ようやく過去の記事も含め、修正作業に着手する事を決意しました!

ちなみに僕の住む町は付近にU字型の公園が整備されていて、2キロほど車を気にしないでひたすら歩き続けることができ、周囲には広場や野球場、それに池や流れまでがあって見所が多く、とにかく快適で気持ちいいんです!

ジョギングする若者や、散歩しているじじい(お年寄り)とか、犬を連れたおばさんたち(奥様方)とか、大声で鬼ごっこしてるガキども(お子さんたち)、さらにはポカポカ陽気の時は家族がシートを広げてピクニックをしたりと、皆さん思い思いにこの公園を利活用してるんです。僕はこの公園を「~~地域のセントラルパーク」と呼んでますが、本来、公園ってこういうものですよね。

なのに、最近の公園はやれ~~禁止!それ~~禁止!これ~~禁止!のオンパレード。ふざけんな!と言いたいです。確かにマナー違反者が多いことが最大の理由ではありますが「何かトラブルがあるくらいならむしろ全て禁止にしてしまえ!」というその安易な発想ってある意味「思考停止」ではないのでしょうか?例えばボール遊び禁止、かけっこ禁止、スポーツ禁止、声出し禁止、ラジコンも当然禁止、飲食禁止、バーベキューや花火なんてもってのほか・・・って、じゃあいったいここでなにをしろと?

もう一つ特徴的なのは、そういう公園に生い茂る美しい樹木たちを、もはや最大限に切り切りに切り詰めてしまうという強度の剪定管理。あのう~そこまで切るともはや電柱と変わりないんですが・・・。確かに公園の管理費が年々縮小されているのはわかりますが、本来樹木は切り詰めるものではありません。街路樹ならともかく、公園という緑地内の樹木を切り詰めるというのは、百害あって一理もないことを国も国民もしっかりと知るべきですよ。美しい樹冠があってこその樹木なわけですから。ちなみに余談ですが、切り詰めれば詰めるほど樹木というのはそこから腐朽菌(樹木を腐らせる菌)が侵入して枝が折れやすく倒れやすくなります。

やれ、落ち葉が困る、日が当たらないという声が聞こえてきますが、落ち葉なんて土の上に飛ばないようにストックしておけばいいんです。いずれ土に返りますよ。バカみたいに埃まみれで毎日掃いて、徹底してゴミにまとめる必要って本当にありますか?清掃してる皆様には本当に頭が下がりますが、周辺は砂埃が舞うし、シャカシャカほうきと地面がすれる音が結構ノイジーですよ。

えっ?日が当たらない?まあ確かにそれは少しイヤですが、欧米では居間とかリビングには家具が傷むのでむしろ日があたらない方が好まれるんです。それと、欧米ではそういうみどり豊かなロケーションに近いマンションの方が資産価値が高いんです。

しかしながら、わがセントラルパークは、最近はそういう強度の剪定が入っていないので、樹木ののびのびと健やかに伸びて見晴らしやみどり景観が格段にすばらしいですね。先ほどもラクウショウの林の中を歩いてきましたが、ラクウショウはわが国には数少ない落葉性の針葉樹なので、ちょうど落葉期を迎え、樹冠が所々赤やオレンジ色に染まって、ちょっと幻想的でひたすらに美しかったですハイ。管理者の皆さん、今後も剪定は枯れ枝程度にとどめてくださいね。

話がかなり脱線しましたが、はてなブログの行間の問題は、SHIFTキーを押しながらENTERキーを押したり、あるいはデザインのCSSにコードを追加することで解決できるようですね。よしっ!早速やってみよっと。

 

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左がラクウショウ、右がイチョウ

映画「10~12月の隙間時間で見た映画⑤」

やっとあとニ本の紹介まできましたよ。結局一日かかってしまいました。

⑩マイ・サンシャイン(評価:★★☆☆☆)
バックドラフト2(評価:★★★☆☆)

まず「⑩マイ・サンシャイン」ですが、これはアメリカのロサンゼルスで、黒人の多く住むサウスセントラル地区で1992年に起きたロス暴動を題材にした映画なんです。たしか黒人の暴動映画ってなんか最近も見たような気が。あっ、あれはジョン・ボイエガ主演の「デトロイト」だった。ちなみにデトロイト暴動は1967年ですし、この「デトロイト」はクソで映画ですので気をつけましょう。しかし、最近多いですよね、黒人人種差別モノ。

この映画も最初はいい感じで話が進んでいくんですが、もう途中から物語のポイントがどんどん拡散して収拾がつかなくなっていくという悲しさ。色々入れ込みすぎ感が否めません。最後はどうなったのかあまり覚えてませんが、終盤にとある悲劇が起きるんだけど、これは暴動そのものとは全く関係なくて、単なる仲間同士の嫉妬とかやっかみが原因だったりとか、ハル・ベリー家の隣人のダニエル・クレイグの役回りがよくわからなかったりとか、盛り込みすぎてパンクした典型でしょうかね。これを見るなら「フルートベール駅で 」の方が何倍もすばらしい。少し期待はずれでした。

最近の映画の典型ですが、そもそも劇中、何か事件って必要なんでしょうかね。「荒野にて」もそうですし、この「マイ・サンシャイン」もそうですが、父親が死んでしまったりとか、ロドニー・キング事件で警察が全員無罪になったりとか、もうすでに悲劇的な事件は起きてるわけだから、それに上塗りするような事件はもう必要ないですよ。そうやって詰め込めば詰め込むほど一つ一つが薄まってしまうのでむしろ逆効果というか。

さて、やっと最後の「⑪バックドラフト2」ですね。言わずもがな、前作、消防士映画の走りであり金字塔の「バックドラフト」のほぼ30年ぶりの続編!そもそも僕はこの続編が公開されたことすら知らず、レンタル屋で見つけた瞬間はそれはもう、心が震えましたね。

続編が作られたばかりか、あの時のへっぽこブライアン役のウィリアム・ボールドウィンや放火魔のドナルド・サザーランドも元気にきちんと出演しているというじゃないですか。そもそも僕は、数年前に防火管理者の講習を受けに行く前、前作の「バックドラフト」をちゃんと見てから行ったほどのファンなわけで。

で、映画はなんとあのブライアンの兄貴役のカート・ラッセル(スティーブン・ "ブル"・マカフレイ役)の息子ショーンが主人公で、しかも役柄は消防士ではなく火災調査官という役どころ。この役って前作でデニーロがやってた職務に近いのかな~と期待大、もう懐かしさと感動の嵐・・・なはずだったんですが、・・・一体何をどうしたらこういう展開に・・・というはてなマーク?ばかりが頭の中を点滅し続け・・・で、ジ・エンドっというね。

なんじゃこりゃ~!!!!!!!!!と疑問と怒りと悲しみとやるせなさが錯綜し、なんともはや、まるでブラット・ピット主演で、テレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」を死ぬほど期待して見た後のような悪夢の再来というか。

とはいえ「ツリー・オブ・ライフ」ほど意味不明でストーリー性が皆無で全くおもしろくないというわけでは決してありませんし、当然ですが映画の内容や作り自体も全く別物です。もちろん、ストーリーは楽しめますし、言わんとするところもわかります(厳密にはわかりません)。さらに言えば、主演のショーン役のイギリス俳優ジョー・アンダーソンがかっこよくて、まるで今は亡きポール・ウォーカーを彷彿とさせます。なのになぜ、こういう悲劇が起きてしまったのでしょうか。いくつか要因を考えてみると、まず、細かなところで説明不足で、色んな伏線をしっかりと回収していないのが最大の原因でしょうか。

あのドナルド・サザーランドじじいの合計10分ほどの思わせぶりなセリフの数々は結局どこに繋がるの?とか、犯人の仕掛けたトラップってどういう原理で?とか、そもそもなぜショーンは助かったの?とか、そもそも犯人って誰?とか、いなくなったハンター夫婦はどこに行ったの?とか、相棒役のマギー・レニングって過去に何があったの?とか、なんでウィリアム・ボールドウィンの奥さんが前作のジェニファー・ジェーソン・リーじゃないの?とか、もう疑問だらけのまま物語は終局に至ります。

まるでエヴァンゲリオンのテレビシリーズのような有様で、見終わってカタルシスを得られた人ってほとんどいないのではないでしょうか。つまりは消防士映画を下手な国家的陰謀アクション大作方向に持って行くこと自体、かなりの無理があるわけで。ミサイルとかマジどうでもいいし。

すごく悲しかったです。けれど、そういうダメダメ部分が多いとはいえ、結構いい部分もあって、例えばショーンの住んでいるロフトがかっこよかったりとか、いつも食べてる羊肉のエスニック料理とか、なぜか敵対してばかりいる元同僚?とか、犬の名前は?と聞かれる度に、どう見ても飼ってるくせに「付けたら飼わなくちゃだめだ」と答えたりとか、結構印象に残る部分が多いんですよね~。しかもワンコは前作でカート・ラッセルが買ってた犬とそっくりだし・・・。それだけに残念感が否めません。

しかし、僕がこの映画に★を三つ付けたのは、実は痛烈に今後のさらなる続編を期待しているからなんですよ。最後の方でショーンが消防を辞めるとかって言ってたけど、ショーンの唯一の取り柄は火を読めることなんだから、まずそれはあり得ないし、またロン・ハワード監督が撮ってくれることを痛烈に期待してます。

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映画「10~12月の隙間時間で見た映画④」

まだあと4本も紹介しなければなりません。しかし最近全くブログってなかったので、結構書きたいことってあるものですね。今年始めたブログですが、やはり年間100本程度は記事を載せたいですハイ。

⑧おとなの恋はまわり道(評価:★☆☆☆☆)
⑨ボーダーライン・ソマリア・ウォー(評価:★★★☆☆)

8本目ですが「⑧おとなの恋はまわり道」です。これは元々見たかったというより、万引き事件以降落ち目で久しぶりにめでたく復活したウィノナ・ライダーを見たかっただけだったんです。で、まあ元気そうで安心はしたんですが、やはりというか、さすがにというか、ウィノナも年をとりましたね。かつての美少女もさすがにもう50才近いわけですし、そりゃ、ジュリー・デルピーも「ビフォア・ミッドナイト」でずいぶん年を取ってましたけど、ジュリー・デルピーの方は何となく健全な年の取り方なんですが、ウィノナの方は少し屈折してるという印象が否めませんでした。劇中、ウィノナお得意の白目をむくシーンなんか、若いときならともかく、もはや少し怖かった次第です。

そもそもこの映画って究極の自己満映画で、劇中ずっとへっぽこ役者のキアヌ・リーブズとウィノナ・ライダーの掛け合いが延々と続くだけなんです。周りには色々な方々が出演していますが、もうそんな人達には一切関わることなく、ずっと二人の世界だけが延々と続くんです。もはやこの二人以外、この世には存在しないと言わんがばかりの勢いで。つまりは他者を徹底的に排除してそぎ落としたというね。もはやこの二人以外空気扱いですわ。けれど、現実の世界でも、人って案外そういうものかもしれません。自分たち以外には一切興味なしで、他人なんてどうでもいいといったように。そういう意味からすると、むしろ本質を捉えた映画なのかもしれませんが、なにぶん、僕の集中力がなかったからなのか、記憶力が低下しているのか、この二人の掛け合いのほとんどが記憶にないんですよ。

例えば、イーサン・ホークジュリー・デルピーのビフォア三部作(「①ビフォア・サンライズ」「②ビフォア・サンセット」「③ビフォア・ミッドナイト」)なんかは、今でも二人の会話のいくつかは思い出せるし、たま~に無性に見直したくなるんだけど、この「おとなの恋は~」の場合はもう一回でいいですごめんなさい、という感じなんですよね。まあ、キアヌとウィノナにはイーサン・ホークジュリー・デルピーの真似は当然できませんし、ちょっとハードルが高すぎたように感じます。

次に「⑨ボーダーライン・ソマリア・ウォー」なんですが、この邦題、さすがに勘弁してください。ソマリア・ウォーでいいじゃないですか。なんで頭に「ボーダーライン」を付けるのかと。ジョシュ・ブローリンとベネチオ・デルトロの傑作「ボーダーライン」を意識したんでしょうが、決定した人、あまり国民をナメないように。

で、この映画もまた実話物で、ソマリア湾沖で暗躍する海賊らの実態を世界ではじめて伝えたジャーナリストであるジェイ・バハダーさんの伝記映画なんです。しかも、この人の書いた「ソマリアの海賊(The Pirates of Somalia: Inside Their Hidden World)」という本は、アメリカでベストセラーになったようですが、なんと日本では全く相手にされず、日本語訳版は未だに発刊されていません。そもそも、世界情勢なんて、ほとんどの日本人にとって関心がないし、この国際社会への関心の低さって、世界的にも日本人は突出してるんでしょうか。僕の場合は、中東情勢とかアメリカやヨーロッパ諸国の動向に関心が強いので、その国の人が書いた本を読んだり映画を見たりしているわけですが、まあ、そういうやつは周りにもほとんど皆無ですしね。

ただ「ソマリアの海賊」がアメリカでベストセラーになったのは、2009年のソマリ海賊による「マースク・アラバマ号」乗っ取り事件で、船長のリチャード・フィリップス船長が拘束されたからでしょうかね。「キャプテン・フィリップス」という映画にもなりましたし(これはまだ見てません。船長役がトム・ハンクスなのがちょっと・・・)。

ちなみに映画自体はなかなかよくできていて、意外にも見応えがあります。ただ当然のことながら映画「ボーダーライン」とは全く関係がなく、単にジャーナリストを追っただけの映画なので、当然派手なドンパチは一切ありません。ベテラン・ジャーナリスト役のアル・パチーノが、ジャーナリストになるためにハーバードで再度学びなおそうとするジェイ・ハバター君に「ファッキン、ハーバードなんてやめろ!真のジャーナリストになりたければ手っ取り早い方法を教えてやる。いいかよく聞け、それは誰も行かないところへ行くことだ!」というシーンは説得力があります。あの~う日本のジャーナリスト気取りのマスコミ関係者のみなさま、この台詞、よく肝に銘じてくださいね。今すぐ、修正ペンで名刺から「ジャーナリスト」という言葉消してくださいね。

あっ、またたった2本で2,000字超えた。

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映画「10~12月の隙間時間で見た映画③」

えっと、ここで過去の記事をチェックしていて、ちらっと「試験前に見た映画」などという記事があるのに気づきました。って、要は僕が7月の国家資格を受験したことをオープンにしていたということなんですが、まあ一応報告まで。落ちましたよ、あっけなく・・(笑)。ものすごく自信があっただけに憤懣やるかたなしですわ。ここで決意表明を一つ。「やいやいっ!オレの解答を読んだ試験官のジジイども、老兵は去るのみ、そして、いつでも、逝ってよし。」と謹んでお伝えしておきます。まあ、来年はリベンジということで・・・。

さて、映画レビューの続きです。さて2,000字で何本いけるかな。

希望の灯り(評価:★★★☆☆)
⑦スノー・ロワイヤル(評価:★★☆☆☆)

はい、マイナーなドイツ映画の「⑥希望の灯り」です。これってもろに僕の大好きなフィンランドの映画監督アキ・カリウスマキのパクリというかリスペクトというか、作風が似てますよね。この映画の醸し出す雰囲気やトーンが非常に僕のツボにはまって、いやあ~いい映画ですよ。しかもこの映画を見る前にコストコに行ったばかりだったので、こういう巨大なIKEAみたいな巨大スーパーで働く人たちの勤務形態をばっちり理解できました。

主人公は顔に似合わずタトゥーだらけのおっさん(お兄さん)で、なんとなくワケありではあるんですが、寡黙でまじめで結構いいやつなんです。が、ほとんどしゃべらないし、そういう過去は一切説明されないので、結局最後までわからずじまいではあるんですが。それとヒロインにこの前見た「ありがとう、トニ・エルドマン」のツンデレ女優ザンドラ・ヒュラーさんが出てます。この子、やっぱりいい女優さんですよね。特別美人というわけじゃないんだけど、やはりスクリーンでの存在感がハンパないんです。複雑な心情を目の力だけで演じることができるというね。

で、ものすごくよかったんですが、最後の最後でやらかしてくれました。えっと、最後のエピソードっているの?とマジで思いましたですハイ。いくらベルリンの壁崩壊後の東ドイツとはいえ、ちょっと最後のオチは納得がいきませんでしたし、その必要性すら疑問。とはいえ、僕は好きですねこの映画。アキ・カリウスマキ監督の「過去のない男」や「街のあかり」が好きな方には特におすすめです。

次に「⑦スノー・ロワイヤル」ですが、こちらも引退したCIA局員役がすっかり板についてしまったリーアム・ニーソンのアクションものなんですが、これは何より邦題がすばらしい。ただ、この「ロワイヤル(Royale)」という言葉は、ロイヤル(Royal:王の~、大勢の~)のフランス語版だそうで、バトル(Battle)とかを付けないと「戦い」とか「大勢で(生き残りをかけて)戦う」といった意味にはならないようですね。僕は「ロワイヤル」と聞くと、邦画のクソ映画「バトル・ロワイヤル」とか、タランティーノ出世作パルプ・フィクション」でトラボルタがしたり顔で「ロワイヤァル・チーズ!」とかって連発していたのを思い出します。

さて、この映画はその邦題の意味する通り、要するに山奥の一面が雪で覆われる町を舞台に、最後の1人になるまで殺し合うだけの映画なんですよ。そしてリーアム・ニーソンは除雪作業員なんですが、息子をギャングに殺された怒りにまかせ、どんどん暴走していくんです。僕は最初、このリーアム・ニーソンが昔は裏社会の住人か元凄腕のCIAなのかと勝手に思ってましたが、どうも素人さんという設定のようですね。ちなみに途中で出てくるリーアム・ニーソンの兄貴は元裏社会の人間だったようですが。

この映画って確かに殺し合い映画ではあるんですが、シリアス感や緊張感はほぼ皆無で、なんともコミカルに仕上がってます。そのため、ハラハラ・ドキドキ感や、目を覆いたくなるようなハードさはありません。そもそも出てきたキャラが死ぬ度に、画面に十字架のイラストと死んだキャラの本名とギャング界の異名(あだ名、通り名)がクレジットされるのが笑えます。最初見たときは意味がわからなかったんですが、3人ほど雑魚キャラが死んだ時点でようやく理解できました。まあ、そんなふざけた作りですので、物語の整合性もあってないようなもので、最初に出てきたリーアム・ニーソンの奥さん役のローラ・ダーンも途中から一切出てこなくなるし、そもそもなぜリーアム・ニーソンの息子が殺されてしまったのかもよくわかりません。

そして一番笑えるのは、敵のボス役のトム・ベイトマン君ですわ。こいつがギャングの親玉を演じてはいるんですが、始終、ニヤけ顔のハンサムガイで、ぱっと見るとスーパーマンの変身する前みたいな感じでなかなかのナイスガイなんですよ。こいつのチャラけた演技がなかなかに味があって、映画のグレードを多少底上げしてくれたおかげで、かろうじてクソ映画にはならなかったように感じます。こいつが終盤で着ていたライダース型のダウンジャケットもかっこいいし、スーツの着こなしもピシッと決まってて、この人って、もっとほかの役をやった方が売れるんじゃないでしょうかね。そもそも、この人が他に出てる映画って見たことないけど。今後に期待でしょうか。

まあ、普通のアクション映画に飽きた人は、こういう映画もありでしょうかね。えっ、ここでも紹介できたのは2本だけか・・・。

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映画「10~12月の隙間時間で見た映画②」

さてさて前回の続きですが、何本紹介できますかね。どうも余談が多くなってしまって。しかし、僕はむしろその余談の方が好きなわけでして。

③荒野にて(評価:★★★☆☆)
④マイル22(評価:★★☆☆☆)
⑤ブラック・クランズマン(評価:★★★☆☆)

えっと「③荒野にて」は、たしか日経新聞のシネマ万華鏡で紹介されていて、そのとき、絶対に見るぞ!と意気込んだ記憶があるのですが、いつの間にかレンタルされててびっくり!。まず前提として見る前に知っておくべきいくつかポイントがあって、まず物語は僕の大好きなオレゴン州ポートランドのお話で、しかも舞台はほぼ現代ということ。もう一つは主演のチャーリー・プラマー君が、もろ若かりし頃のリバー・フェニックス君を彷彿とさせる点で、その設定だけで心が躍ります。なぜって、リバー・フェニックスは、僕の大好きな映画監督のガス・ヴァン・サント監督が、ポートランドを舞台に撮った「マイ・プライベート・アイダホ」でキアヌ・リーブスとともに主演を務めたわけで。なんとなく近視感がありますよね。

物語自体は、ダメオヤジと貧しくも仲良く暮らす青年チャーリーが、バイト感覚で始めた競馬場での馬の世話を通じて、馬と人間との関係や、競馬業界のきびしさを知り、少しずつ成長していく、といった一見ハート・ウォーミングな展開を予想していたのですが、実際はそんな生やさしいものではありませんよマジで。

もう期待大で見たんですが、序盤は非常にいいムードで映像も美しく、ものすごく繊細に作られていて、アメリカの現代社会のひずみなんかも描かれていて、ものすごくいい雰囲気です。しかし、物語の終盤、とある事件がおきてからは、もはや坂道を転げ落ちるようにダメダメに・・・・。すごく悲しかったですハイ。

そもそも、途中の山場の話って本当に必要だったんでしょうか。序盤のムードのまま、特に何事も起きることなくダラダラ物語を俯瞰していくだけでもよかったように感じました・・・だって、もう、かわいそうでかわいそうで。なんだか、僕にとってはあまり後味のよい映画ではなかったですね。

しかしながら、このポスト・リバーフェニックスと言うべきチャーリー・プラマー君は、今後の成長が非常に楽しみですが、まちがってもリバーみたいにドラッグにのめり込まないでほしいですね。

さて、ブルーな気分から少し気を取り直して「④マイル22」ですが、まずい、全くあらすじを思い出せないという暴挙。これってすっかりアクション俳優になってしまったマーク・ウォルバーグ主演のCIAものなんですが、なぜここまで思い出せないのでしょうか。話が複雑だったような気もしますし、裏切り者が多すぎて途中でこんがらかって理解が追いつかなくなったためなのか。けれど、最初はなんだかワクワクしながら見たような遠い記憶はありますが、ええと、何でマイル22なんだっけ。それとマーク・ウォルバーグと一緒に活躍する女性が結構かっこよかった気がするけど。とまあ、あまり印象に残っていないのは、そもそも、設定が複雑すぎるんですよ。で、仲間もどんどん死んでいくのに、主役のマーク・ウォルバーグがまるでターミネータみたいに一切気にしないんですよね。なので、見てるこっちもだんだんマヒしてきて、誰が死のうがどうでもよくなっていくという。となると当然、この物語の陰謀とかも不思議とどうでもよくね?みたいな感覚に陥ってしまい、どうも記憶から消えたようですね。やっぱり、マーク・ウォルバーグ主演のアクション映画の最高峰は「ザ・シューター/極大射程」でしょうかね。

次に、スパイク・リーの「⑤ブラック・クランズマン」ですが、これも実は伝記物。この映画は決して悪くはないんですが、なんとなく、中途半端感が否めませんでした。そもそも、黒人警官のロンが、白人至上主義者(クランズマン)の秘密組織KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査って一体どうやって?と見る前はすこぶる疑問でしたが、組織との電話でのやりとりは黒人警察のロンが担当し、実際に入り込むのは同僚の白人警官が担当するということだったんですね。なので、刑事2人がののしり合いながらも徐々に陰謀を突き止めていくバディ・ムービーかというと、実話なのでそうもいかず、なんとな~く盛り上がりに欠けます。ともあれ、白人潜入捜査官役を、あのスター・ウォーズのカイロ・レンことアダム・ドライバーが見事に演じているではないですか。なんだか、最初スター・ウォーズで彼を見たときはサイクブー感が否めませんでしたが、こう見るとなかなかにかっこいいではないですか。

まあしかし、アメリカでの黒人差別はともかく、実はユダヤ差別もハンパないのがよくわかって勉強にはなりました。劇中、何度も曰く付きの超大作「国民の創世」の映像が挟み込まれ、アメリカってとてつもなくレイシスト白人の多い国であるのが非常によくわかります(もちろん、そうではない白人もたくさんいますが)。こういう差別感情があるからこそ日本に2発も原爆を落としたわけで。今でも地域によってはそういう根強い差別ってあるんでしょうね。それが近年黒人差別映画が次々に制作される背景にあるんでしょう。

その点日本人は世界的にもかなり差別感情の希薄な民族であるわけで、それはきっと森羅万象や八百万(やおよろず)の神などの言葉にあるように、日本人が何より身の回りのもの全て、つまりは自然や生物や動物、はてや無機物にいたるまでをひっくるめて=「万物に神が宿る」というアニミズムに近い信仰心(もはや信仰ですらない)が関係していると思いますね。それって結局一番進んだ宗教(考え方)だと思うのは僕だけでしょうか。というわけで、クランズマンらの醜さを垣間見たい場合にこの映画は特におすすめですね。

げっ、まだ⑤までしか書いてない。

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映画「10~12月の隙間時間で見た映画①」

はいはい、隙間時間をフルに活用し、やはり10本ほど映画をむさぼるように見ましたが、もはや何を見たかも思い出せないというのは、あまりこれだ!といった映画が少なかったからなんでしょうか。以下、リストと評価です。

①ガルヴェストン(評価★☆☆☆☆)
②グリーン・ブック(評価:★★★★☆)
③荒野にて(評価:★★★☆☆)
④マイル22(評価:★★☆☆☆)
⑤ブラック・クランズマン(評価:★★★☆☆)
希望の灯り(評価:★★★☆☆)
⑦スノーロワイヤル(評価:★★☆☆☆)
⑧おとなの恋はまわり道(評価:★☆☆☆☆)
⑨ボーダーライン・ソマリア・ウォー(評価:★★★☆☆)
⑩マイ・サンシャイン(評価:★★☆☆☆)
バックドラフト2(評価:★★★☆☆)

と、挙げてみると10本オーバーですか。我ながら結構見ましたね。これを一言ずつ解説は結構ハードですね。しかもよく覚えていないのが大部分で、やはりブログは見終わって興奮冷めやらぬ時点で書かないとダメかと。まずは最初の5本程度をさらっとレビューしましょうかね。

はい、でましたクソ映画「①ガルヴェストン」ですが、美人姉妹の妹、エル・ファニングちゃんです。えっ、エル・ファニングって身長175cmもあるのかよっ!と驚愕。そして相手役は「ブレイキング・バッド」の名演技が記憶に新しいベン・フォスターなんだけど、ちょっと禿げてきたようですね。まるでソフィア・コッポラの「somewhere」で久々に日の目を見たスティーブン・ドーフの後を追っているような。あっ、そうそう、「somewhere」にも、エル・ファニングちゃんが出てましたね。そしてなんと監督が、タランティーノの「イングロリアル・バスターズ」で一世を風靡した究極の美人女優、メラニー・ロランちゃんなんですよ!!この衝撃の事実!!!!っと期待大で見たんですが、もう~~かなしいかな、~ちょつま。

物語はベン・フォスターが組織の命令で、ある家に強盗かなんかの理由で押し入るんだけど、そこにはすでに別のヒットマンがいて、なぜか人質になって縛られているのがエル・ファニングちゃんで、よくわからないままヒットマンを逆にヒットしたあげくにエルちゃんを助けて一緒に逃げて、いつしか約束の地「ガルヴェストン」を目指す、というしょ~もない逃避行なんです。が、なんでこれをメラニー・ロランちゃんが撮ったのかが意味不明。

まあ、一言で言うといや~な話ですし、劇中、えっウソ!ふざけんな!と叫びたくなること請け合いのダメダメ映画でした。むしろメラニー・ロランちゃんとエル・ファニングちゃんを姉妹という設定にして、二人の日常をずっとカメラで2時間ほど追っただけの映像の方がマニアには受けるんじゃないでしょうか。あっ、一つ目のコメントなのにかなり長くなっちゃった。

で、次に「②グリーンブック」なんですが、この期間に見た映画の中で唯一おすすめの一本です。はい、出ました声が独特のアラゴルン俳優(ロード・オブ・ザ・リング)、ヴィゴ・モーテンセンです。ヴィゴオヤジ、すごいです、さすがです、最高です、僕は何が好きってこのヴィゴ・モーテンセンの少ししゃがれたような独特の高い声が好きなんですわ。そもそもこの人って「ロード・オブ・ザ・リング」でブレイクしましたが、そのときはもう40才を過ぎてましたし、とにかく下積みが長くて、いったい誰が売れると思ったでしょうか。一生脇役かと思ってましたがおそらくヴィゴオヤジ自身が一番驚いたのでは。まさにアメリカン・ドリーム。

僕がヴィゴオヤジの演技で一番好きなのが「カリートの道」で車椅子のラリーンというケチな売人役で、その演技がもう最高なんです。「ヘ~イ~、カリトゥ~(カリート)、アイノウ、アイノウ、ヘ~イ、カリ~ントゥ(カリート)~・・・・」と延々と言い訳と泣き言を繰り返すシーンはもう必見で、何度見ても笑います。しかし役者って声も重要ですよね。思えばこのときの泣きそうな絞り出す声で、アラゴルンがこのラリーン役のヴィゴ・モーテンセンだと気づいたぐらいですから。いい役者で、僕はやはり声が独特で遅咲きオヤジのジョシュ・ブローリンと同じくらい好きです。たしかジョシュ・ブローリンは「ノーカントリー」でブレイク!でしたっけ。

あ、それで物語なんですが、イタリア移民で腕っ節を活かして劇場なんかの用心棒をやってるヴィゴ・モーテンセンが、一悶着あって劇場をクビになり、フラフラしてたところに天才黒人ピアニストのツアー中の用心棒兼ドライバーの話がきて、嫌々ながらも一緒に旅に出る、といったロードームービーなんです。

最近、黒人を題材にした映画がまた増えてますよね。ということは今でもそれだけ差別や虐待がなくなっていないということの裏返しだと思うんですが、この映画はなんと実話なんですね。このヴィゴオヤジも最初は黒人に差別意識を持っているんですが、もともと根が優しいので、結局その黒人ピアニスト、ドン・シャーリーと一緒に旅をするうちにどんどん仲良くなっていくのがおもしろいです。エンドロールで実際のヴァレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)とシャーリー が映し出されるのも楽しい。これって実話もののお約束ですよね。リース・ウィザースプーンの「私に会うための1600キロ」もそう。ちなみに、シャーリー役のマハーシャラ・アリさんは、僕にはいまいちだった「ムーンライト」にも出ていた役者さんで、何となく品があって繊細で、ここでは少しゲイっぽい演技もしていて、いやあ~いい役者ですよ、最近の売れっ子なんでしょうか。

あっ、目安の2,000字を超えたので、とりあえずこの辺でアップしますね。って紹介したの、まだ2本だけか。

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