GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「10~12月の隙間時間で見た映画⑤」

やっとあとニ本の紹介まできましたよ。結局一日かかってしまいました。

⑩マイ・サンシャイン(評価:★★☆☆☆)
バックドラフト2(評価:★★★☆☆)

まず「⑩マイ・サンシャイン」ですが、これはアメリカのロサンゼルスで、黒人の多く住むサウスセントラル地区で1992年に起きたロス暴動を題材にした映画なんです。たしか黒人の暴動映画ってなんか最近も見たような気が。あっ、あれはジョン・ボイエガ主演の「デトロイト」だった。ちなみにデトロイト暴動は1967年ですし、この「デトロイト」はクソで映画ですので気をつけましょう。しかし、最近多いですよね、黒人人種差別モノ。

この映画も最初はいい感じで話が進んでいくんですが、もう途中から物語のポイントがどんどん拡散して収拾がつかなくなっていくという悲しさ。色々入れ込みすぎ感が否めません。最後はどうなったのかあまり覚えてませんが、終盤にとある悲劇が起きるんだけど、これは暴動そのものとは全く関係なくて、単なる仲間同士の嫉妬とかやっかみが原因だったりとか、ハル・ベリー家の隣人のダニエル・クレイグの役回りがよくわからなかったりとか、盛り込みすぎてパンクした典型でしょうかね。これを見るなら「フルートベール駅で 」の方が何倍もすばらしい。少し期待はずれでした。

最近の映画の典型ですが、そもそも劇中、何か事件って必要なんでしょうかね。「荒野にて」もそうですし、この「マイ・サンシャイン」もそうですが、父親が死んでしまったりとか、ロドニー・キング事件で警察が全員無罪になったりとか、もうすでに悲劇的な事件は起きてるわけだから、それに上塗りするような事件はもう必要ないですよ。そうやって詰め込めば詰め込むほど一つ一つが薄まってしまうのでむしろ逆効果というか。

さて、やっと最後の「⑪バックドラフト2」ですね。言わずもがな、前作、消防士映画の走りであり金字塔の「バックドラフト」のほぼ30年ぶりの続編!そもそも僕はこの続編が公開されたことすら知らず、レンタル屋で見つけた瞬間はそれはもう、心が震えましたね。

続編が作られたばかりか、あの時のへっぽこブライアン役のウィリアム・ボールドウィンや放火魔のドナルド・サザーランドも元気にきちんと出演しているというじゃないですか。そもそも僕は、数年前に防火管理者の講習を受けに行く前、前作の「バックドラフト」をちゃんと見てから行ったほどのファンなわけで。

で、映画はなんとあのブライアンの兄貴役のカート・ラッセル(スティーブン・ "ブル"・マカフレイ役)の息子ショーンが主人公で、しかも役柄は消防士ではなく火災調査官という役どころ。この役って前作でデニーロがやってた職務に近いのかな~と期待大、もう懐かしさと感動の嵐・・・なはずだったんですが、・・・一体何をどうしたらこういう展開に・・・というはてなマーク?ばかりが頭の中を点滅し続け・・・で、ジ・エンドっというね。

なんじゃこりゃ~!!!!!!!!!と疑問と怒りと悲しみとやるせなさが錯綜し、なんともはや、まるでブラット・ピット主演で、テレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」を死ぬほど期待して見た後のような悪夢の再来というか。

とはいえ「ツリー・オブ・ライフ」ほど意味不明でストーリー性が皆無で全くおもしろくないというわけでは決してありませんし、当然ですが映画の内容や作り自体も全く別物です。もちろん、ストーリーは楽しめますし、言わんとするところもわかります(厳密にはわかりません)。さらに言えば、主演のショーン役のイギリス俳優ジョー・アンダーソンがかっこよくて、まるで今は亡きポール・ウォーカーを彷彿とさせます。なのになぜ、こういう悲劇が起きてしまったのでしょうか。いくつか要因を考えてみると、まず、細かなところで説明不足で、色んな伏線をしっかりと回収していないのが最大の原因でしょうか。

あのドナルド・サザーランドじじいの合計10分ほどの思わせぶりなセリフの数々は結局どこに繋がるの?とか、犯人の仕掛けたトラップってどういう原理で?とか、そもそもなぜショーンは助かったの?とか、そもそも犯人って誰?とか、いなくなったハンター夫婦はどこに行ったの?とか、相棒役のマギー・レニングって過去に何があったの?とか、なんでウィリアム・ボールドウィンの奥さんが前作のジェニファー・ジェーソン・リーじゃないの?とか、もう疑問だらけのまま物語は終局に至ります。

まるでエヴァンゲリオンのテレビシリーズのような有様で、見終わってカタルシスを得られた人ってほとんどいないのではないでしょうか。つまりは消防士映画を下手な国家的陰謀アクション大作方向に持って行くこと自体、かなりの無理があるわけで。ミサイルとかマジどうでもいいし。

すごく悲しかったです。けれど、そういうダメダメ部分が多いとはいえ、結構いい部分もあって、例えばショーンの住んでいるロフトがかっこよかったりとか、いつも食べてる羊肉のエスニック料理とか、なぜか敵対してばかりいる元同僚?とか、犬の名前は?と聞かれる度に、どう見ても飼ってるくせに「付けたら飼わなくちゃだめだ」と答えたりとか、結構印象に残る部分が多いんですよね~。しかもワンコは前作でカート・ラッセルが買ってた犬とそっくりだし・・・。それだけに残念感が否めません。

しかし、僕がこの映画に★を三つ付けたのは、実は痛烈に今後のさらなる続編を期待しているからなんですよ。最後の方でショーンが消防を辞めるとかって言ってたけど、ショーンの唯一の取り柄は火を読めることなんだから、まずそれはあり得ないし、またロン・ハワード監督が撮ってくれることを痛烈に期待してます。

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