GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「中東(アフガン、イラク、シリア)もの」

今現在、アフガニスタンは不穏な空気が流れてはいますが、ISISホラサンのテロ事件以降、とりあえずは小康状態を保っているようですね。ただニュースになっていないだけかもしれませんが。一刻も早く取り残された皆さんが脱出できることを祈るばかりです。そして、さすがにタリバンも、政府として世界に承認される必要があるため、そんなに下手なことはできないはずです。

なんかタリバンの報道官も、記者から「女性の権利を尊重するのか?」とかって問われたときに、「それはフェイスブックに聞いてくれっ!」などと強烈にビッグテックの言論弾圧を皮肉ったコメントを飛ばしたくらいなので、イスラム法にめちゃめちゃ厳格という方針ではないのかもしれませんが。

ともあれ、渦中のアフガニスタンをはじめ、イラク戦争やシリアやパキスタン及びISIS(イスラム国)を題材にした映画を数本見ましたので、以下に簡単に感想を。

①ハイエナ・ロード(評価:★★☆☆☆)(カナダ軍 in アフガン)
②4デイズ・イン・イラク(評価:★★☆☆☆)(ポーランド軍 in イラク
③ある人質 生還までの398日(評価:★★★☆☆)(デンマーク人 in シリア)
④キル・チーム(評価:★★☆☆☆)(米軍 in アフガン)
エンド・オブ・キングダム(評価:★★★★☆)(アメリカ万歳 in イギリス)

でまず、①の「ハイエナ・ロード」ですが、アフガニスタンを舞台にしたカナダ軍のお話です。これを見ると、アフガニスタンカンダハル近郊に、とんでもない規模の一大軍事施設を作り上げ、そこに様々な先進国の軍隊が何万人も駐留していることに驚かされます。基地内にはカナダ国内で有名なドーナツショップがあったり、おそらくあらゆるファスト・フードのお店が建ち並んでいるのでしょう。これはもう、一つの町ですね。

でボクが度肝を抜かれたのはその基地の描写までで、あとはもう、なんというか、ほとんど覚えてませ~ん。なんか伝説とされるアフガン人の長老がいて、そいつがなぜかカナダ人を助けてくれたり、アフガン人自体も様々な部族がいてお互いに反目し合っていたりと、なんとな~く物語があっちにいたりこっちに行ったりメリハリがなく、まあ微妙な作品でした。そもそもタイトルのハイエナ・ロードはほとんど劇中に出てきません。

で次に、②の「4デイズ・イン・イラクですが、こっちは今度はイラクで戦う多国籍軍ポーランド軍を描いており、実話が元になっています。が、こちらもまた上官の命令を聞かない部下が出てきたり、物語の中心が結局は内輪なので、やはりビミョ~という。ポーランド軍は市庁舎に立てこもり、4日間支援もなく現地の過激派らと死闘を繰り広げるんですが、視点があちこちの飛ぶので、やはりあんまし緊張感はありませ~ん。

で次に③のデンマーク映画「ある人質 生還までの398日」なんですが、これも実話なんですが、もうとんでもない苦行映画の一本。マスコミのどうでもいいコロナ騒ぎなんて軽く笑い飛ばせるほどの過酷さですよ。

簡単に言うと、デンマークの写真家を目指す若者のダニエルが、シリアで取材中に地元の武装勢力に拉致され、そのまま身柄をISISに売られてしまうんですね。当時、このISISにジャーナリストが数多く捕まり、殺されたり、解放されたりしたわけですが、たとえば日本人ジャーナリストの後藤さんや湯川さんも彼らの手によって殺害されてしまいます。しかし一方で、この映画のダニエルのように、解放された人もいたわけですが、彼らがどんな地獄を味わったのか、その舞台裏で一体何があったのか、それがこの映画を見るとよくわかります。ちなみに人間の悪意を形にしたようなクズで負け犬で狂信者のジハーディ・ジョンも出てきます。

ちなみにダニエルはちゃんとガイドを雇って現地の庶民の生活を撮影しに出かけたわけですが、当時のシリアと言えば分刻みで情勢の変わる武装勢力が跳梁跋扈し、絶え間なく覇権争いをしているがために、後ろ盾だった自由シリア軍という組織があっという間に何の力もなくなってしまって、結局は拘束された挙げ句にISISに売られてしまいます。

まあとにかく、悲惨きわまりない毎日で、コロナとか三密とかソーシャル・ディスタンスとか黙食とかがいかにバカバカしくてぬるま湯で平和ボケなのがとてもよくわかります。

これは極めて重い苦行映画なのであまりおすすめはできませんが、デンマーク映画なのでなんとなくオシャレだし、なにより身代金を集めるために奮闘したダニエルの家族が素晴らしい。それと武装勢力と必死に交渉する元軍人のデンマーク人や彼の仲間のトルコ人の佇まいがかっこいいので、そこは見所でもあります。

それと、ISISに処刑されてしまったアメリカ人ジャーナリストのジェームズ・フォーリーさんも出てきて、ダニエルと友情を育むわけですが、実はこのISISを生み出したのがCIAということを考えると皮肉です。

次は④の「キル・チーム」ですが、もう究極にビミョ~な作品です。アフガンで村を捜索中に、爆弾のありかを吐かせるため、無抵抗で無関係な村民を正当防衛に見せかけて射殺していた事件がモチーフになってます。いや~な話で、しかも射殺される村民も100%無実かもわからないので、現場では疑心暗鬼が募り、恐怖心と焦燥感にさいなまれ、一方で仲間が爆弾で負傷したり死んだりしていくので、次第に部隊は憎しみに駆られ正気を失っていく、という戦場の空気感を絶妙に描いてるんですね。

さらに、メインキャラの一人である軍曹がイケメンで、照りつけるギラギラとした太陽の光のもと、かわいいピンクのエプロンを付けて部下にステーキを焼いてやったりするもんだから、見ていてクラクラ軽いトランス状態になってきます。さんさんと降り注ぐ焼けるような日差しのもと、異常な行為が次第に日常となっていく、その様子を見事な描写で禍々しく描いています。ですが、また見たいかといわれると、ボクはもう十分ですね。

で最後に、⑤のエンド・オブ・キングダムですがアメリカ万歳正義の味方テロリスト殺害正当化映画の最高峰っ!かどうかは知りませんが、まあ、アメリカの対アフガニスタン戦争や対イラク戦争及びドローンによるテロリストの殺害を肯定する映画であることは間違いありません。が、それでいて結構面白いのが困ったところです。

簡単に言うと、アメリカ大統領のシークレット・サービスであるマイク・バニング、つまり、ジェラルド・バトラーおやじが大暴れしてテロリストを皆殺しにする物語ですわ。イラクとかアフガンで殺された米兵に贈るレクイエムと言ってもいいかもしれません。

もうとにかく映画にこのジェラルド・バトラーおやじが出てくると、僕の好きなもう一人の大暴れ俳優ウッディ・ハレルソンおやじと同様のノリで、ありとあらゆるものをもうボコボコのメタメタにぶっ壊すぶっ飛ばすぶっ殺すの120分・・・。これを見てしまうと、番宣でさんざん入ったブルース・ウィリスおやじはもう引退ですね。彼ら二人のような立派な後継者がもういますので・・・・。

さて、物語ですが、パキスタンの武器商人で巨万の富を持つ大物(アミール・バルカウィ)が、娘の結婚式の最中にアメリカのドローン攻撃によって、娘ばかりかその会場やお客ごと何百人と殺害されてしまうんですね。で、なぜかこの大物オヤジとか息子たちは助かるんですが(ありえね~)、彼らはその復讐を果たすため、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ドイツ、イタリアの各国首相はもちろん、なぜか日本の首相までを一網打尽にぶっ殺す方法を計画するわけです(あっ、ちなみに日本の首相は速攻で死にますので乞うご期待・・・)。

って、確かに非道ではあるんですが、彼らの気持ちもわかりますよ。アメリカはアフガニスタンを皮切りに、イラク、イエメン、ソマリアパキスタンなんかでドローンを使って、テロリストばかりかその家族や一般市民を巻き添えにしながら、この10年で3,000人近く殺害しているわけですから・・・。無人殺戮兵器を勝手に他国上空に飛ばし、標的がテロリストであれば多少の巻き添えがあっても平気でミサイルを発射するというのは、本来は決して許されるものではありません。が、現実として、こういうドローン(無人殺戮兵器)をアメリカは6,000機ほど保有しているようで、そういう方針を決定・強化したのは他でもないオバマ政権だったという事実。そのあたりはイーサン・ホーク主演の「ドローン・オブ・ウォーとか書籍「ドローンの哲学」に詳しいです。

この映画って、そういうアメリカの悪行をもろに正当化する作りになっています。が、それでもなかなか面白いのが困ったところで、この映画のほか、同じメンツで前作エンド・オブ・ホワイトハウスのほか、調子に乗って最近では「エンド・オブ・ステイツ」という続編が作られているようですので、今から借りに行こっと・・・。

そういえば今日はアメリ同時多発テロの起きた9.11だったんですね。この9.11も、実はアフガニスタンにおける石油のパイプライン建設の許可を巡ってアメリカのユノカル社とタリバンの交渉が決裂したために起きた、というのが真相のようですね。しかもその9.11の起きたそのとき、首謀者のオサマ・ビンラディンアメリカ国内に潜伏していたようで、それからブッシュ大統領の許可のもと数日後に家族と一緒に国外に脱出したらしいです(オサマの家族だけではなく本人もそこにいたというのが最新情報)。そして、ブッシュはこのユノカル社と関係が深く、それ以降アメリカはほどなくアフガンに侵攻し、国内でパイプライン建設が始まりましたとさ、って本当ですか?

それが事実なら、マスコミの情報のほとんどは誤りということになるわけです。911しかり、コロナしかり、ワクチンしかり、世界の裏側はそういう風に動いてるってことですよ。いや~怖いですね。これから1~2年以内に一体どんな悲劇惨劇が待ち受けているのでしょうか。世界の闇は相当に深いですね。

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