GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「ゴールデンウィークに観たA24映画②」

さて前回に引き続きまして、A24映画をさらに追加で2本観ましたので、さらっとその感想を述べることにします。

⑤「ビール・ストリートの恋人たち」(評価:★★★☆☆)
⑥「WAVES/ウェイブス」(評価:★★★☆☆)

まずこの2本ですが、意外にも決して悪くなかったんですね。

1本目の⑤「ビール・ストリートの恋人たち」ですが、簡単に言うと、冤罪で収監されてしまった主人公ファニーと恋人のティッシュの物語です。でその二人の馴れそめが、ファニーの収監前と後の時間を交錯させながら丹念に描かれています。

そもそも時代設定もよくわかりませんが、スマホとかがないし服装も70年代っぽいので多分古いのでしょう。で、ファニー逮捕の過程で白人警官の嫌がらせかつ作為的な証言があったことも明らかになってきます。

つまり、愛し合う二人のほか、黒人差別の問題や家族愛まで話が広がり、物語に重厚感を与えているかというと、別にそういうわけでもありません。

しかし、この二人に良くしてくれるレストランのウェイターの白人青年はものすごくいい奴で、二人にわざわざ不動産物件を紹介したり、「オレは幸せにしてる人間を見るのが好きなんだ」とテレくさそうに打ち明けたり、いいシーンも結構あります。

が、事件の真相がわからなかったり、色々消化不良もありますし、何度も見たいかと言われると、別にそういうわけでもありませんでした。まあ至って普通の佳作といったところでしょう。

ちなみにこの映画って、僕があまり好きじゃない「ムーンライト」で監督賞を受賞したバリー・ジェンキンスさんが監督だそうですが、だからどうしたの?というか。

で次に見た⑥「WAVES/ウェイブス」なんですが、これは現代が舞台の家族の崩壊と再生の物語、といえば聞こえはいいですが、別にそんな崇高な話ではありません。

そもそもこの家族って、タイラー君とエイミーちゃんの兄妹と、そのオヤジと継母の4人家族の物語で、一番まともなのはこの継母なんですね。自分の本当の子供ではないのに、二人の子供を心から愛していて、しかもバリバリのキャリアウーマンで稼ぎも良く、本当に素晴らしい女性です。

じゃあ一体誰が一番アホかというと、前半の主演をつとめるタイラーバカ息子くんで~す。こいつは高校生で、レスリング部に属していて、学校でも人気?の彼女もいて思い切りリア充野郎なんですね。

しかし、騒がしい音楽を車とかどっかの家でガンガンに響かせて、大勢が集まって酒飲んだり踊ったりマリファナ吸ったりドラッグやったり、車から体を乗り出して叫んだりとか、もう前半はアホらしくてうんざりしてきます。今の(昔もか)アメリカの若い奴らって、どんな映画でも必ずこのパーティーノリばかりで、こういうのをかっこいいとでも思ってるんでしょうか。

このタイラーのオヤジも、息子にレスリングとか体を鍛させる前に、まずこういう下くだらないバカ騒ぎに参加するのをやめさせるべきかと。

で、ノリにノってたタイラー君ですが、色々と不運が重なってどんどん落ちぶれていき、物語がはじまって1時間くらいであっという間に物語からフェードアウト、ボクはもうすごくうれしかったですハイ。だってそういうトラブルって全てこいつ(タイラー君)が悪いわけでして。

なにより、このタイラー家は、この継母さんががんばって仕事してるので、ものすごく裕福なんですよ。車も一人一台だし、家もとんでもない豪邸ですからね。その時点でタイラー君やエイミーちゃんは何不自由ない暮らしぶりで恵まれまくってます。その上でオレらも色々と抱えてて大変なんだとかって主張したいのかもしれませんが、あまりにも甘えすぎかと。

で物語後半は、妹のエイミーちゃんの物語がはじまります。そしてこの子はすごくかわいくてチャーミングなので、今後は色んな映画に引っ張りだこになるんではないでしょうか。タイラー君は一発屋で終わる可能性大ですが・・・。

でこのエイミーちゃんのエピソードでぶったまげたのが、先のブログで酷評した「Mid 90s」クズアニキ(坊主頭のモアイみたいな白人青年)が、意外にも結構イイ奴役で出演してるじゃないですか。この坊主頭、最近売り出し中なんでしょうか。そして、このあたりで、この映画と「Mid 90s」の区別がだんだん付かなくなってきます。が、相も変わらず、酒飲んだり薬やったり叫んだり、オマエらそれしかねえのかよっ!と突っ込みたくなります。

とはいえこの映画って、意外にも結構楽しめましたので、そこそこに見て損はありません。が、タイラー君の気持ちもわかるとか、若者は追い詰められているなどというのは全くのお門違いで、誰だってそして大人だって、生きていくのはそれなりに大変だし、そういう不安や欲求がみんなと騒ぐことで解消されることは絶対にないってことでしょうか。

なぜなら、誰も他人のことなんてはあまり興味ないし、結局は自分で決めるしかないからです。あともう一つ重要なのは、精神錯乱状態にある奴は、間違っても外に野放しにしてはいけないってことでしょうか。もう殴ってでも止めるべきかと。

とにかく、この映画って、結構色んなところで絶賛されてるようですが、もううるせ~て感じですね。とにかくお母さんと娘のエイミーちゃんが素晴らしいだけですハイ。

以上、A24映画を立て続けに6本見ましたが、あ~どうもね~というか、ボクはあまり好きじゃないかもしれません。だって、酒、マリファナ、ドラッグ、音楽、車、スポーツ、スケボーなどなど、全てにおいて興味がないので、このノリ全般が理解できないし、それが青春とか今を楽しむって言われても、首をかしげざるを得ません。

あのぅ~、こういう下らないことに参加しないことこそかっこいい!という真実の映画、誰か作ってくれませんかね。

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