GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「ヒトラーを欺いた黄色い星」(ベルリン抵抗もの)

ヒトラーを欺いた黄色い星(評価:★★★★☆)

いやあ、また良作に巡り会ってしまいました。これだから映画はやめられません。この映画、ものすごくいい映画でした。どうしてなぜこれほどの良作が日本ではほぼスルーされてしまうんでしょうか。

第二次大戦のさなか(1941年10月18日)、ベルリン在住のユダヤ人に対し、ポーランドの収容所への強制移送がはじまりました。それから終戦まで、最終的には5万人以上のユダヤ人が移送されたわけですが、実はゲシュタポ等の強制連行から逃れ、ベルリンに潜伏し続けたユダヤ人が7,000人近くいたようです。そしてそのうち終戦まで身を隠し、どうにか助かったのはおよそ1,500人程度だったようです。えっと、この映画を見る限りでは、残りの5,500人がどうなったのかはわかりません。

ここで忘れてはならないのが、ナチスドイツと戦ったのは、何も連合国や占領された国々のレジスタンスばかりではありません。では誰が戦ったのか?それは当時ベルリンに住んでいた一部の市井「しせい」と読みます。ボクは「いちい」と読んでました・・・汗)の人々、つまり理性(良識、良心)のあるドイツ人達なんです。

そしてこの映画では、ユダヤ人の視点から、現在存命の当の本人のインタビューを織り交ぜつつ、必死にユダヤ人を匿ってくれたドイツ人らを描いているんです。ちなみに、もしも匿っていることがナチスにバレたら、たとえドイツ人といえどその一家全員が処刑されてしまうんですよ?

そうです、これこそが、真に「戦う」ということなんですよ。

間違ってもホリエモン衆院選出馬当時、「スタッフはみんなよくやってくれてます。みんなと一緒に戦っているんですっ(※この「戦う」はOKです)」と訴えた堀江さんに対し、スタジオの古舘伊知郎「こちらも(スタジオで)戦っているんだっ!」などと上から目線で怒鳴ってましたが、おいおいオマエ、ふざけんなよ!と(今さらですが)言いたいです。

この国のマスコミというのは、何らリスクを負うことなく、何の裏付けも取ることなく、大本営発表を鵜呑みにし、事件や事故を面白おかしく報道し、そして視聴率を稼ぐだけ稼いだ後は、全てを忘れ去り、その結果に対し何ら責任を負うことはありません。加えて、そういうスタジオ連中が信じられないような給料をもらっているわけでして。

なぜならこの国のテレビ局は、総務省の管轄によって保護・規制され、新規参入が事実上不可能な聖域として、国によって手厚く守られているからなんです。そして、そういう構造をぶちこわすために戦ったのが堀江さんだったわけですが、それらに乗っかる権力層や既得権益層に徹底的に弾圧されてしまいました・・・・。

まあとにかく、この映画では、いつ見つかって処刑されるかもわからない状況の中で、命をかけてユダヤ人を匿った良識あるドイツ人達が描かれていて、先のブログで書いたように、やはり「こういう状況下では理性で立ち向かうしかない」というボクなりの結論が裏付けられた思いでした。

特筆すべきは、こういう理性あるドイツ人達って、そのほとんどがまた貧しいわけです。部屋も2部屋しかなかったり、食べるものにも困っていたりと、要は自分たちも生活が非常に苦しい中で、他人の世話を、ましてやユダヤ人を匿って保護するというのは、正直なかなかできることではないですよ。で彼らは、別に誰に言われたわけでも、強制されたわけでもなく、自発的にそういう救済行動に出るわけです、そう、自身の理性に従って。そこがすばらしいんです。

で、当然、自らの保身のため、ユダヤ人を売ったり密告するようなドイツ人もたくさんいるわけです。まあ、こいつらって、ライブドア事件当時、堀江さんを売った(貶めた)奴らと同じ類いの人たちですね(ただ、堀江さんは、とても実刑2年を食らうほどの罪は一切犯しておりませんが・・・・)。

まあともかく、我が国でも、こういう理性ある人間が増えることが、後の日本の行く末を決定づけるような気がします。相も変わらず思考停止のマスコミは、連日コロナとジャニーズしか報道しませんが、あまりにも低レベルなので一切ボクは見てませんし興味もありません。

そもそも、コロナって、今後どうなるかは誰にもわからないはずです。だって「新型」なんですから。そして、ワクチンができるまで、きっと抜本的な対策は不可能なはずです。なぜなら、コロナウィルスの黙示録的な映画コンテイジョンのラストでも、最終的にはワクチンが開発されてエンディングを迎えたわけですし。

となると「国が何も言わない!」とか「国と都で言ってることが違う!」とか「国は再度宣言を出すべきだ!」とか、もう皆さん不満タラタラの最前線の様ですが、そもそもこの国のダメダメな行政や自治体なんかに一体いつまで期待してんの?と聞きたいですね。

つまりは、そんなことぐらい、自分たちで(つまりは家族で、あるいは会社で、あるいは組織で)決めろ!と言いたいです。いつまでも大本営発表に頼っていると、どんどん理性的な判断ができなくなりますよ(ダメダメなマスコミみたいに)。

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