評価:★★★★☆
見ました。これも確かBRUTUSの映画特集号で紹介されていたと思います。ちなみに最近はBRUTUSの映画特集号よりもPOPEYEの映画特集号の方が、がっつり気合いが入っているのでおすすめです。
ともあれ、エルドマンですが、なんというか、説明に困る映画なんですね。父と娘の物語ではあるんだけど、よくある反目しあっていた両者が、いろいろな出来事やイベントを通じて、最終的には和解するといったものとは一線を画し、なんだかミョ~なテンポでグズグズ話が進みます。何せ2時間40分もあるし。が、それで飽きるかといったら、何が起こるか全く予想がつかないので、ず~と楽しめるというか。エルドマンオヤジがかなりの変人なのに、娘も微妙にそのシチュエーションを楽しんでいるというスタンスがいいんです。
娘がプレゼンの準備に1週間かけたりとか、プレゼン時のジェスチャーの入れ方を反省したりとか、猛烈営業マンとかには共感できる話がある一方で、普段はバリバリのキャリアウーマンで全く隙がないのに、家ではダラけきってグダグダしてたりとか、そのギャップの見せ方がまるで私生活をのぞき見してるようでたまりません。
その他、舞台となるルーマニアの首都ブカレストの景色だとか、エルドマン宅の洒落た庭とか、細かな部分が見ていてほんとに楽しいです。庭に置いたテーブルでPCをいじったりとか、すごく真似したいです。ただ、なにが「ありがとう」なのかはよくわかりません。
ポイントは主演の娘役の女優がクールでツンデレでかっこいい!ということに尽きますね。終盤、彼女が振り絞るようにホイットニー・ヒューストンの「Greatest Love Of All」を歌うシーンで僕は不覚にも泣きました。