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アニメ映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」

いよいよ今年の冬「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」が公開されます。しかも三部作ということで、これはもう、スター・ウォーズの新シリーズの公開に匹敵するすばらしさ、この時代に生きてて本当によかったというこの奇跡、そして感謝!スターウォーズのエピソード9も公開されますし、これはもう最高の冬になりそうですね。

さて、イマイチ消化不良だった「ナラティブ」に対する怒りを安易にブログに綴ってしまった贖罪と反省の意味で、ここでは「閃光のハサウェイ」についてのディープな愛について書いてみることにしました。

この小説って30年も前のモノなんですが、富野さんのガンダムモノのノベライズの中で、この作品と「ガイア・ギア」だけがアニメ化されていなかったわけで、巷では映画化は絶望的!などとず~と言われてきた曰く付きの作品だったんです。なので、何回もボロボロになるまで小説を読み返していた僕にとってはもうアニメ界の革新としか思えなくて。

そしてなぜ僕がこの作品をこんなに好きなのかというと、きっとハサウェイというキャラが単なるヘタレ野郎だからなのかもしれません。ハサウェイって、オヤジは地球連邦でニュータイプを率いた名艦長である堅物のブライトだし、母親のミライさんもお嬢なのにホワイトベースを操艦するほどの肝っ玉お母さんだし、まあ、色々とコンプレックスを抱えた甘ちゃんなんですよね。

で、「逆襲のシャア」では、そういう危うい思春期病の状態で、好きになった女の子(クェス・パラヤ)には「ガキは嫌いだっ、馴れ馴れしいからっ!」とかって全く相手にされないし、しかも敵であるシャアに奪われてしまった(と思っていた)り、挙げ句に自分のせいで死なせてしまって、果てはアムロの彼女まで殺めてしまったりと、もう完全にこじらせてしまうわけですね、思春期の中二病を。碇シンジならとっくに発狂しているというね。

で、「逆襲のシャア」が宇宙世紀0093なので、その12年後の宇宙世紀0105年、これがマフティー動乱という「閃光のハサウェイ」の舞台となる因縁の世紀なんですが、ハサウェイ君は一体どうなっちゃったのかというと、いやいや、立派な青年に育ってますわ、しかもどこか陰のある憂いを帯びたナイーブな青年に・・・。けれど、心の中には誰よりも熱~い想いを秘めてるんですよ。まあ設定はよくわかりませんが、年齢的には「逆襲のシャア」当時が15~17歳ぐらいに見えるので、であればこのマフティー動乱では20代後半の27~29歳ぐらいでしょうか。

そして、ここが重要なところなんですが、はっきりってハサウェイってニュータイプじゃないんですね。たしかにニュータイプ的な素養はあるし、それなりにファンネルとかも使ってみせるんですが、アムロとかシャアみたいなバリバリのニュータイプにはほど遠いわけです。

けれど、かつて好きになったクェスも本物のニュータイプだったし、そのクェスもアムロやシャアに惹かれていったので、きっと誰よりもニュータイプにあこがれてるんですよね。だからこそ、ハサウェイってきっと「逆襲のシャア」から「閃光のハサウェイ」までの時代を通して、ず~とアムロとかシャアみたいになりたいと願って生きてきたと思うわけです。

で、その一つの帰着点として「反地球連邦組織」というかZガンダムエゥーゴとは比較にならないほど小規模なテロリスト集団(マフティー)に入り、アムロが最後に搭乗したν(ニュー)ガンダムの「ニュー」の次のギリシャ文字であるξ(クスィー)という冠をわざわざガンダムに付け(=クスィーガンダム)、そしてシャアと同じように地球連邦政府に戦いを挑むわけです。

さらっと書きましたが、これって実はものすご~くとんでもないことなんですよ。要は地球連邦のアムロの愛機に乗って、反地球連邦のシャアと同じことをしようとしてるわけですからね、しかもニュータイプでもない20代の青年がですよ。

そこに僕はすご~く惹かれるわけです。本物じゃないのに、本物になるために死ぬほど努力して、本物以上のことをしようとしたわけですからね。考えてみれば、ガンダムの主人公って、アムロにせよカミーユにせよジュドーにせよ、みんなあまり努力もせずに気づいたら勝手にニュータイプだったわけです。まあ、シャアは少し違いますがね。

けど、このハサウェイは唯一、ガンダムサーガの中で努力型で、ず~とあがいてるんです。努力型のヘタレのくせに、それを自覚しつつ努力して行動して戦うわけですよ。ここまで書いてて、もうおっさんなのかな、涙腺がうるうる潤んできましたですハイ。

とにかく、ハサウェイ、もう最高にかっこいいです!そしてなにより、アホな発言を繰り返した幼稚な議員とかに知ってほしいです、これが国とか世界を変えるっていう本物の覚悟なんだということをね。

さき、閃光のハサウェイの公式HPのトレーラーを見たんですが、よかった~、福井さん関係してないようです、けれど、トレーラーの中で「ネジェン」という単語が!って、こんな用語とか設定、小説版にあったかな~。少し不安になってきました。

あの~、サンライズさん、お願いだからヘタに今風に脚色しないで、原作のまんま、一字一句同じようにアニメ化してほしいんですが・・・。

とにかくガンダム好きの皆様、今のうちに原作読みましょうね。

閃光のハサウェイ(中) 機動戦士ガンダム (角川スニーカー文庫)

閃光のハサウェイ(中) 機動戦士ガンダム (角川スニーカー文庫)

 
閃光のハサウェイ(下) 機動戦士ガンダム (角川スニーカー文庫)

閃光のハサウェイ(下) 機動戦士ガンダム (角川スニーカー文庫)