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映画「閃光のハサウェイ」がもう最高!

閃光のハサウェイ」:★★★★★

■家に帰って5分のレビュー

やっと観てきました!閃光のハサウェイ公開初日に行きたかったですが、仕事が詰まって頓挫し、ようやく本日観てきましたよ!

そして感想は最高でした!もうグゥの根も出ないほどにやられてしまいました。文句なしの五つ星!これこそが正当なガンダム、これこそが紛れもなく「逆襲のシャア」の正統なる後継!

ようやく、ここに来て、このコロナ禍の中、やっと、正当なる予言者の王・・・ではなく、正統なる宇宙世紀ガンダムシリーズの正史が戻ってきましたですハイ。

思えばこれまでずっと裏切られ続けてきました。ガンダムを大きく勘違いして、なぜかそれが世間に受け入れられてしまった福井ガンダム「UC・ユニコーンとか「NT・ナラティブ」とか、あの時の怒り、やるせなさ、憤り、それら全てをフライパンでひっくり返して強火で焼きを入れてフライ返しで押しつぶして卵の黄身を割ってしまうほどの衝撃。

確かに「ナラティブ戦略」で冒頭15分が公開前に配信されてしまったり、なんとなく見にいく気持ちを削ぎ落とすプロモートが行われてはいましたが、もしもまだ迷っている人がいるのであれば、絶対に後悔しませんので、絶対に見にいって、劇場であの興奮を味わうことを痛烈にお勧めします。

・・・・・と、ここまで家に戻ってから5分で興奮冷めやらぬままに書き綴ってしまいましたが、この物語のストーリーは商品説明かなんかで読んで頂くとして、いくつかポイントを紹介します。

■物語のポイント■

★ハサウェイのコンプレックス
時は宇宙世紀0105年、逆襲のシャアが0093年でしたので、その頃のハサウェイが17歳程度と仮定すれば、この物語のハサウェイは30歳前後ということになりますね。まあ、つまりは若者ではあるんですが、もう子供ではなく、大人なわけです。

(※逆算してみたら、ブライトとミライさんが0080年頃結婚し、その頃にハサウェイが生まれたのであれば、どう考えても25歳より年取っているわけはありませんね。ということは、逆襲のシャアの時は13歳!0079のアムロより若い!!ちょっと信じられません)

で、シャアの反乱時にハサウェイは、親父であるブライトやアムロの側に立ってネオ・ジオンと対峙します。しかし、そのときに好きだった女の子のクェス・パラヤをシャアに奪われたので、その時からアムロとシャアに対する、というより、ニュータイプに対するコンプレックスを持つに至ったわけです。

ただしそれは、何よりクェス自身がニュータイプだったからで、彼女が同じニュータイプであるアムロやシャアに惹かれていったのを目の当たりにして、自分自身もニュータイプに強い憧れと、同時に嫌悪感も抱いたはずです。なぜなら自分自身、ニュータイプ的な素養があまりないことに気づいていたからかもしれません。

つまりハサウェイは、クェスを奪ったシャアやアムロを憎んでいたのではなく、むしろニュータイプでない自分自身に激しい怒りを抱いていたと思いますね。

★ハサウェイの選んだ道
まあそういう背景があって、絶望と喪失感を味わったハサウェイの選んだ道は、シャアのやろうとしていたこと、つまりは腐敗した地球連邦の粛正を、アムロの愛機であるガンダムクスイー・ガンダム)に乗ってやり続けるということだったんです。それが、秘密結社マフティー・ナビーユ・エリン(正統なる予言者の王)という組織なわけですね。しかも、ニュータイプでも何でもない青年がですよ。
しかし、ハサウェイって、ホワイトベースの堅物ブライトさんと、姉さん女房でヤシマ家の令嬢であるミライさんの息子なわけだから、本来は超マジメなエリート坊ちゃんのはずなのに、たった一人の女の子(クェス)に出会ったことで、ここまで人生が変わってしまうのだから、やはり女は恐ろしい・・・という。

★ハサウェイのニュータイプ
とはいえ、アムロとかカミーユのようにバリバリのニュータイプでなくたって、ハサウェイは戦いのセンスや心の持ちようはニュータイプ以上のものを持っているように思います。

そしてハサウェイの場合はそれを自覚していて、必死に努力して補っているんですね。そこが特にすばらしいし、その点にボクは強く惹かれるわけです。

確かに、たとえばダブルゼータヤザンのように、ニュータイプではなくても強い奴はいくらでもいますし。

★マフティーという組織
小説では、マフティーという組織は単なるテロリストかつゲリラ扱いで、なんとなくその規模や人員がかなりこじんまりした印象でしたが、劇中では、オーストラリアの諸島にちゃんとした基地を持ってるし、若い仲間やクルーがたくさんいたり、戦艦だけでなくメッサーとかのモビルスーツやギャルセゾン(ベース・ジャバー)なんかも豊富に持っていて、かなり軍隊チックに描かれていて、ものすごく興奮しました。

そしてハサウェイを迎える仲間達の笑顔をみて、ボクは不覚にも泣きそうになりましたね。つまり、ここが、この組織こそが、ハサウェイの居場所なんですよ。ハサウェイが絶望と苦悩のどん底から12年の内に見つけた唯一の居場所というか。そしてそんな仲間達がハサウェイを心底信頼してるんですね。

★マフティーに集う若者たち
要はシャアの反乱時になんの役にも立たなかった青年が、この12年で、必死にあがいて血反吐を吐きながら、努力に努力を重ね、仲間を作り、ようやくこれだけの組織の中心になったわけです。もう涙なしでは見られませんよ。

劇場で見てわかりましたが、マフティーという組織自体、その大半が若者たちで構成されているんです。そして彼らが、地球連邦という組織の腐敗して堕落しきった高官のおっさん達に、勝てる見込みのない戦いを挑んでいるわけです。シャアも言っていましたが、世界を変えるのは、老人ではなく若者達なんですよ!!

★原作へのリスペクト
そしてボクが何より感謝したいのは、ここまで富野さんの原作に忠実にアニメ化してくださった村瀬修功監督やスタッフの皆さんです。ボクは富野さんの原作を何十回と読み返してきたわけですが、そこでの名セリフのほとんどが忠実に活かされていて、小説を読んだ時、これってアニメで聞いたらどんな感じなんだろう~とかって夢想していたわけですが、もうかっこよすぎて泣きそうです。

ギギの「だって、世間はみんなマフティーが好きみたいですよ~」とか「マフティーのやり方、正しくないよ」とか「マフティーって、あなたでしょうにっ!」とか、ハサウェイの「敵を抱えているんだ、いろいろとな!」とか「なんとでもなるはずだっ!」とかって、もうかっこよすぎて感動の嵐。

★度肝を抜かれるシーンの連続
ボクが衝撃を受けたのは、マフティーのメッサーがダバオに侵攻し、市街戦になるシーンです。マフティー側は、極力市民への被害を最小限に抑えようと気を遣っているのに対し、新任のケネス大佐は市民への配慮はガン無視で街中での発泡・追尾を許可、市内は地獄絵図と化します。その中をハサウェイとギギが逃げ惑うわけですが、ビームが飛んできたり、建物が崩れたり、もうその迫力がハンパじゃないです。過去のガンダムでも確かにコロニー内での戦闘や市街地での戦闘は色々とありましたが(特にゼータで多いです)、ここまでの臨場感と重厚感とリアリティーは初体験で、観ててドキドキ・ハラハラ、心臓の鼓動が止まりませんでした~ものすご~く怖かったです。

三部作の一作目として
物語自体は、ハサウェイがクスィーガンダムに乗り込み、レーン・エイム操る連邦の新型モビルスーツペーネロペーとの壮絶な一戦を終え、第一部は完結します。つまり、小説版と全く同じ流れなんですが、小説版の中・下は少し薄いので、さてどんな内容になるんでしょうか。

ちなみに戦闘シーンを見る限りでは、両者ともにファンネルを使っていた描写はありませんでしたので、やはりハサウェイはニュータイプではないという設定(どうでもいいですが・・・)なのかと思います。が、今後ファンネルは出てくるのかもしれませんが。それにレーン・エイムは強化人間ですしね。

今からものすごく楽しみですし、この時代に生きてることに感謝しかありません。だって平成元年に小説版が出て、それがなんと30年後のアニメ化ですから。なのに内容が全く古くないのと、テロリズムやゲリラが幅を効かせている時代設定って、富野さんはどんだけ先見の明があるのかと。

★余談(パンプクソ高い)
けど、通常パンフが1,100円で、限定版がなんと2,500円って、それはとんでもなく暴利ではないですか?ぼくは結局、1,100円バージョンを買いましたよ。
そのキャラ紹介のところで、マフティーのクルー達がちゃんと載ってて、すごい感動。これで原作を読み返すときの楽しみが増えました。個人的にはズボラでふてぶてしいガウマンが好きですね。

それと最後に一言だけ付け加えますと、ユニコーンとかナラティブは、ボクにとっては宇宙世紀ガンダムではありません。もう存在すら忘れてもいいのかもしれません。

以上、絶対にお勧めの渾身の一作ですので、少しでも興味のある方は、是非、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。あと、現在のコロナ禍で何の役にも立たない議員や官僚や政府高官の人たちは、くれぐれもマフティーにぶっ殺されないように気をつけてくださいね。

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行ってきました劇場に!