GIGI日記~映画とか本とか~

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その他「コロナが教えてくれたこと①」

世の中、コロナコロナのオンパレード。皆さまこの年度末はいかがお過ごしでしょうか。僕としてはコロナコロナでもううんざり、コロナ上等!の毎日を送ってますが、年度末地獄がまだ乗り切れてません。今日(金曜)も出社、明日(土曜)も出社の毎日ですが、地道な努力が実を結びつつあり、ようやく終局がみえつつあります。

しかし思えばこの1ヵ月間、我が職場でもコロナのおかげでそれまでわからなかったことが色々と明らかになったわけです。さあ、ざっとあげていきましょう。

①元々大して忙しそうになかった社員がこぞって在宅だなんだと騒ぎたて、ほとんど会社に来なくなりました。
②ここにきて有休の消化率が一部の社員でものすごく増えました。
③その傾向を分析すると、会社でほとんど電話に出ない社員が率先して①②を実践してました。
④その時期を分析すると、政府の自粛を要請する大本営発表があった2/26から特にその傾向が強まりました。
⑤そして極めつけは、そういう社員がこなくても、実は会社としてはスムーズに機能することが明らかになりました(出社している職員一同大迷惑ですが・・・)。

しかし、政府の大本営発表を皮切りにこういう事態が進行したということ自体、第二次大戦時の国の発表を鵜呑みにし続け、国際的に孤立して戦争に邁進していったあの当時の国民と全く同じではないですか。まあ、江戸時代からのお上に弱い体質が全く改善されていないことがよくわかりました。

というわけで、僕はここに来て一つの結論に至ったわけですが、要するにそういう奴らは「要らない社員」ということなんです。なんでも、東京~大阪間の新幹線もかなり空いているらしいですが、要するにそういう出張の大部分が全く無意味かつ無駄なものだったってことなんですよ。だって、一人で行けば十分なのにわざわざ3人で行ったりとかもう究極の無駄。そして、それを担ってたリーマンたちも、おそらく会社的には要らない人たちの代表格ではないでしょうか。

つまりは、今回のコロナ騒ぎこそ、無駄な人やモノや社員をあぶり出す装置として機能している、というのは言い過ぎでしょうか。ともあれ僕は、毎朝の究極の無駄=「朝ラッシュ」が改善されたのがもう最高にうれしいです。「ああもう残りの奴ら、二度と戻ってこなくていいのに」といつも神に感謝するほどです。

ただし、とはいえ、そういう一見無駄な奴とか出張とかも、そいつらがコンビニで弁当買ったり、電車乗ってホテルに泊まって飲み屋で一杯やれば、それなりにお金が落ちて経済が回るという意味では全く無駄とは言い切れないわけです。というより、世の中の半分ぐらいは、こういう「オレは毎日忙しく働いているんだ!」などという勘違いや錯覚のおかげで、日本全体としては経済効果の恩恵にあずかっているということでもあるわけです。

こうなるともうどっちがいいのかよくわからなくなります。電車のラッシュ解消はもちろんいいことだけど、経済が冷え込むのは困るし、職員が減って電話対応が増えるのもイヤだし、くそ~、コロナのやろう!と、怒りの矛先の落としどころがわからない毎日です。でもまあ、人間のやってることなんてそのほとんどが無駄なわけだし、やはり無駄も許容して生きていくって事なんでしょうね。

さてさて、ここまで「無駄」を連発すると、エドワード・ノートンブラッド・ピットの名作ファイト・クラブや、ユアン・マクレガー出世作であるトレインスポッティングを思い出しますね。どちらの映画もこの資本主義社会が生んだ物質文明や高度大衆消費社会に一石を投じる内容となってますので、このコロナ騒ぎで在宅している会社のお荷物(無駄)のおっさんとかには是非是非おすすめです。ちなみに「トレインスポッティング」は最近、PART2が作られましたがもうクソつまですので要注意。

さて、僕は明日もコロナ上等で出社です!

天才「川口マーン恵美さん」

川口マーン恵美さんって、去年まで全く知らない作家さんでした。そもそも名前からして、なんか外国人と結婚して売名行為よろしく細々と本出してる人なのかな~などと、かなり上から目線でタカをくくっておりましたが、この人、はっきり言って文章の天才です、恵美さんごめんなさい(おでこを床に擦りつけて土下座してますので)。

なにより、ものすご~く文章が上手なんです。下手な経済評論家とかそこいらのゴーストライターが書いたような掃いて捨てるほどあるくだらないビジネス書なんか足下にも及ばないすばらしさ。

昨年の12月頃に「移民 難民 ドイツ・ヨーロッパの現実2011-2019」を雨林(amazon)で買って以来、すっかりファンになりました。そしてブックオフ・オンラインで怒濤の大人買いをして、これまでに夜寝る前とかのゴールデンタイムを利用しつつも、以下の書籍を読みました。

「そしてドイツは理想を見失った」
「ヨーロッパから民主主義が消える」
「世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン」
「住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち」
「ドイツ流、日本流」
「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」

はっきり言ってもう全て名著です。面白いです。勢い余って「フセイン独裁下のイラクで暮らして」まで買っちゃいましたが、この本は1990年に出たものなので、さすがに古いよなあ~フセインもういないし。

そもそも論として、まずドイツ人やドイツという国を中心に、EUとかヨーロッパの現状をここまで丁寧に評価・分析してしかもわかりやすく紹介している本は恐らく皆無かと。わかりやすいと評判の池上彰さんよりよっぽど恵美さんの方が分かりやすいしすごいですわ。これらの本はヨーロッパ研究の必読の書ですね。さてさて、ここいらでそのすごさの一部を少し紹介しますね。

①ドイツ人の優先順位は住→衣→食
ドイツ人にとっては衣食住のうち、優先順位は住→衣→食の順番で、住む家や家具にはとんでもなくお金をかけるくせに、旅行先でのお土産とか、お店での食事なんかにはほとんどお金をかけないみたいなんです。なので、日本人ほどグルメでないし、食べ物にもさほど興味がなく、夜は火を使っての調理もほとんどしないで、簡単にチーズとかパンとかサラダなんかで軽く済ましてしまうことが多いようなんです。思考回路的には、ずっと残るモノにはお金を使い、残らないモノ(食事とか旅行)にはほとんどお金はかけないというね。なので休暇中は、観光地に行くとかそういうノリではなく、むしろ「自然に回帰する」つまりは、ハイキングとかトレッキングとかひたすら歩いて登って、といった行動に精を出すのが極上の贅沢なんだそうです。

②ドイツ人はサービス精神ゼロ
ドイツ人にサービス精神を求めてはいけなくて、日本と同じようなサービスを期待すると鬱病になりかねないのだそうです。これはタクシーや鉄道なんかの交通機関も郵便局や市役所なんかの公共機関も小売業もすべからくそうで、電車が止まったときの説明は一切無く、その後もずっとなんの説明もないまま電車を下ろされたり、宅配に再配達を頼むと「一度行ったしもう別の場所にいるから明日じゃないと無理!」とか露骨にいやがられたり、買った商品に不備があっても、ただ一言「運が悪かったですね」と軽くあしらわれたり、日本なら鬼クレームに発展してもおかしくないことが日常で多発するようなんですね。

③ドイツ人は理想主義者(熱しやすく冷めやすい)
しかしドイツ人は、ヒトラーという負の遺産を背負っているため、理想主義的な政策にはすぐに共感が集まりやすく、メルケル首相の二転三転した「脱原発宣言」とか、ダブリン協定(難民申請は、難民が最初に入った国で申請をしなくてはならない協定)を無視した勝手な難民の無条件受け入れ宣言とか、そういうわかりやすい理想主義や人道的な取り組みには我を忘れて熱狂的に支持してしまうという気質なんだそうです。

以降は僕の勝手な解釈です。
僕はこれを読んで、なぜ第一次世界大戦後にキチガイじみたヒトラーが台頭してしまったのか、その理由がようやくわかったような気がしました。おそらく多分にこの理想主義に傾倒しやすく、熱しやすく冷めやすいといった気質が関係しているのではないでしょうかね。なぜなら今ドイツでは、このメルケルの完璧なスタンドプレーの「難民無条件受け入れ宣言」は事実上停止し、難民受け入れの上限値を設定するなど、国境は固く閉ざしている有様で、これまたシェンゲン協定(ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定)を無視する政策がとられつつあります。

しかし(メルケルの受け入れ宣言)当時は、この政策に異を唱えること自体、それこそ「差別主義者!」とか「人道にもとる発言!」などと徹底的に叩かれる有様で、要するに政治家ばかりか国民も決してノー!とは言えない空気に満ちていたようなんですね。

とはいえ、難民を無条件で受け入れ続けた結果、その数が年間で100万人を超えたところで、その異常事態に気づきはじめたようなんです。なぜなら、その100万人分の住衣食(ドイツ風)を確保するための財源が地方の自治体の財政を大きく逼迫するまでに膨らんだり、受け入れた難民がドイツ女性(白人)への集団暴行事件を起こすなど、様々な問題が多発するようになってしまったためなんです。しかし、この難民たちの一部が事件を起こしたという事実を政府やマスコミは必死に隠し続けたようです。

どうですか、これこそがヒトラーが台頭した理由だと僕は思いました。政治家が、理性的な判断のもと、正しくないと思っても決してノーと言えない国。また、それを許さない熱狂的な理想主義者の国民性。さらに、問題が起こってもそれを徹底的にひた隠しにする政府とマスコミ。整理すると以下のようになります。

①政治家が(自身の保身やバッシングを恐れて)理性的な意見を言えない。
②国民が理想主義に熱狂すると、それに反対できない同調圧力がすさまじい。
③理想主義に水を差す事件や事実は決して公にされず、ひた隠しにされる。

まさに、ヒトラーが台頭した理由そのものではないでしょうか。

そしてこのことは、今の日本でも起きてることではないですか?その最たるものがコロナ騒ぎです。コロナ上等!ではなんでだめなんですか?
この前新聞を見てびっくりしたんですが、「コロナに感染して90代2人死亡」と書いてありました・・・。マスコミよ、ふざけんな!と言いたいです。あのう~90代ですよ90代、もうコロナだろうがインフルだろうが、それは単なる寿命だったんではないですか?

で、こう書いていると予想通り政府が出しましたね「イベント自粛解除宣言」。やっぱり予想通りでした。そもそもこのコロナウィルスは若い人にとってはインフルや風邪に近い極めて軽微なモノです。なので、あまり大騒ぎしない方がよくて、むしろ経済活動を萎縮してしまう方が、日本という国全体にとってはマイナスであるはずです。であるなら、感染後はどういう点に注意すればよいか、どの程度で回復するのか、そういうことを報道すべきなんです。間違っても感染の有無だけに特化して報道するのではなくて、少し咳や熱がある程度で検査のために病院に人々が殺到することこそ警戒・警告すべきなんです。だって病院はコロナばかりでなく様々なウィルスの温床だし、かつコロナ用の検査機器も不十分で、かつ特効薬も開発されていない状況なわけですから。で、このままだとパンクしますよ病院が、医者の皆さんが。で、本当に必要な別の医療が受けられなくなりますよ。で、このままだときっと学校とかで増えますよ「コロナいじめ」とか、クソくだらないことが。なので「ダブリン上等!」ならぬコロナ上等!でいいんです。

とにかく、マスコミの皆さん、本来マスコミとは政府の監視機関であるべき事をもう一度小学校で学び直してきたらいかがでしょうか。あっ、話がそれてしまいましたが、川口マーン恵美さん、最高におすすめの作家さんです。

そしてドイツは理想を見失った (角川新書)

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映画「パンデミック・アメリカ」その2

評価:★★☆☆☆

いやいや世の中、コロナ一色ですね。非公式ですが、ドイツとアメリカの研究機関が人類の40~80%が感染するとの見通しを出してます。で、感染してしまった方がむしろ抗体が作られてよいとも・・・。僕的には感染よりも経済活動の萎縮にともなう金融崩壊の方が心配です。

さてさて先般、この「パンデミックアメリカ」という映画について、「ミラ・ソルビノがかっこよかった!」などというものすご~く曖昧な記憶で評価★4つなどというとんでもない高評価を付けてしまったことが気になり、改めて4日間掛けて見直しました・・。が、もはやとんでもないクソ映画でしたですハイ。そもそも「4日間掛けて~」というフレーズに全てが集約されております。

それに加え、前回のレビューを読み返してみると、もはや映画のことにはみじんも触れずに、コロナ騒ぎに対する憎しみと批判に明け暮れておりましたので、改めてここで映画について述べてみることにしました。

まずこの映画の主役であるスティーブン・ドーフ君なんですが、現在はウィルス性の感染病の博士みたいな立場をとってはいますが、当時は大統領直属の「カヴァード・ワン」という非公式の組織の一員で、アフガニスタンをはじめとする中東の各地域で極秘の任務に就いていた凄腕のメンバーだったんです。そしてそこには、かつての同僚で恋人のミラ・ソルビノちゃんも一員としていたわけなんですが、なぜかドーフ君はそんな毎日に嫌気がさし、カヴァード・ワンを抜けて、ミラ・ソルビノとも別れ、ちゃっかりと同じ感染病の博士のソフィーというかわいいおニューの恋人まで作ってるんですわ。

で、要は幸せの絶頂にあったドーフ君なんですが、そんな最中にアメリカ中で局地的に出血性のウイルス感染病が発生し、政府は大混乱のもと、感染症の博士であるドーフ君とソフィーにハデスウィルス(エボラ出血熱の変異版)の調査を依頼することに。

で実は、このウィルスの突発的な発生こそ、カヴァード・ワンに残ったミラ・ソルビノが、とある組織から生物兵器(ウィルス)を回収するという極秘任務に失敗したことと何らかの関係があり、結局は元カヴァード・ワンだったドーフ君までその巻き添えを食らってしまう、というストーリーなんです。

そもそもストーリーがものすごくわかりにくいし、しかも色々なエピソードがどこに関連しているのかが理解しにくいので、見終わっても、結局は誰が敵で、何が目的で、誰と誰が繋がっていて、かつ、一体何を狙って起きた事件なのかすら、はっきり言ってよくわからずじまいなんですわ。もう自分の頭の悪さに絶望的になります。

まあ、とにかくテンポが悪いし、スティーブン・ドーフも元凄腕の切れ者などと言われてますが、もう速効でボコボコにされるし弱いし鈍いしで全然凄腕に見えましぇん。よっぽどミラ・ソルビノの方が凄腕で切れ者で機転が利くしで、むしろスティーブン・ドーフがいない方がストーリーもコンパクトにまとまってわかりやすかったように感じます。なのに有能なミラ・ソルビノの方を裏切りもの扱いしてカヴァード・ワンから切ろうとするくせに、使えなくて弱っちいドーフ君の方を「奴は有能だ」とかなんとか必死に組織に引き戻そうとするのが、もう見ててちっとも腑に落ちませ~ん。

ただ、そんなダメダメ映画でも、唯一の救いはこのドーフ君の恋人のソフィーちゃんがかわいいことです。ソフィア・マイルズさんという女優なんですが、なんとなく僕の大好きなレイチェル・ワイズに似てるんです。で、この子が冒頭のパーティ会場でセクシーなドレスを着てるんですが、これがどうもノーブラっぽくて、若干チ○ビが透けてて、もうそのシーンだけが救いという。まあこのシーンだけで買った甲斐がありましたですハイ。これから見る人も必見です!まあ、奥様がいないときにそそくさと一次停止、コマ送り、スロー再生、駆使してやってください。そこがこの映画のクライマックスと言っても過言ではないでしょう・・。そこから先、ハイ、もう見ないでいいです。

あとはとにかくパクり役者がたくさん出てきます。これはB級映画の宿命なのでしょうか、ジーン・ハックマンのパクりとか、ウィル・スミスのパクりとか、ヒトラーのパクりとか、B級映画の売れっ子達が勢揃いです。が、みんな演技がうまいので、やはりアメリカ映画界の役者層の厚さはハンパないですわ。

あと「バッファロー66」のお母さん役のアンジェリカ・ヒューストンがなんと合衆国大統領を演じてますが、もう首が太くて貫禄があって目つきが怖くてサイボーグみたいでビビります。政府のメンバーがあれやこれや必死にウィルスの情報を大統領に報告するんだけど、「早く要点を言って!」とか「いざとなったら薬剤メーカーからワクチンを取りあげて!」とか自己中さ半端なしです。きっと今、トランプ政権でも似たような会議が行われてるのかもしれませんが・・・。

ちなみに同じウィルス感染物なら、「スティーブン」つながりで、おそらくはスティーブン・ソダーバーグの「コンテイジョン」の方が面白いことは間違いありません。僕は時間の合間を見て見直したいと思ってます。しかしダスティン・ホフマンの「アウトブレイク」はさすがに古すぎるよなあ~。

ともかく、世の中コロナ旋風が吹き荒れる中、この「パンデミックアメリカ」はDVDの値が高騰するかもしれませんよ。まあ何より、セクシーでかわいいソフィア・マイルズちゃんのビーチクでも見て、コロナに負けずに地獄の年度末、乗り切りましょう。

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映画「パンデミック・アメリカ」その1

評価:★★★★☆

さてさて、世の中、新型コロナ=武漢ウイルスで騒がしいですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。こんな時こそ、今やアメリカB級映画に欠かせない役者、消えそうで消えないスティーブン・ドーフのテレビ映画、殺人感染パニック映画の「パンデミックアメリカ」はいかがでしょうか。といっても、前回見たのはもう10年ほど前ですので、内容はほとんど忘れましたが、共演のミラ・ソルビノがものすごくクールにCIAエージェント?かスパイ?を演じていて、かなり興奮したのを覚えています。

そもそも今回のコロナ騒ぎ、この「新型コロナ」という名称そのものが一人歩きし、世の中を混乱に陥れているような気すらしてます。だって我が国でもインフルエンザで年間3,000人は亡くなっていますし、アメリカでは年間1万人近く亡くなっているわけでして。そもそも、病気がちで弱っていたお年寄りが、インフルエンザにかかって肺炎を併発して亡くなった場合にそんなに大騒ぎしますかね。うちのおじいちゃんがそのパターンで亡くなりましたが、持病もあったし年齢も年齢だったので、家族はみんな「まあ仕方ないよね」って感じでした。多分、これが「新型コロナ」ではなく「新型インフルエンザ」だったら、あまり騒ぎにならなかったでしょう。つまりは、この国はネーミングが全てなんだと思いましたね。

そもそもこのウィルスは、致死率はそんなに高くありません。致死率はその武漢ですら2~4%などと言っていますが、これは感染者ではなく発症者を分母に持ってきているから高いだけの話で、実質は0.02%といった統計すらあるぐらいです。その計算でいくと1万人にたった2人ですわ。それに加えて、中国の武漢から広がって日本に入ってくる複雑な経路の過程でそのウィルス自体はかなり弱まっていますし、若い健康な人でも発症すらしない人も多く、はっきり言ってインフル以上に恐れる必要はないと思ってます。もちろん、高齢で病弱な方がご自宅におられる場合はそれなりの対策が必要なんだとは思いますが、それよりもこのウィルスを恐れるあまり、日本や世界の経済が停滞し、金融崩壊が起きることの方が恐ろしいと思ってます。

そもそも近年の世界的な不況の影響で、政治学者の副島隆彦さんも、近々世界的な金融危機が訪れると数年前からずっと警鐘を鳴らしてきましたが、そんな状況の中で、このコロナ騒ぎで世界経済が萎縮してしまうと、そのクライシスがもっと早く訪れてしまう恐れすらあるわけですよ、しかも世界規模で。そしてそうなってしまったら、倒産する会社が急増し、街は失業者に溢れ、死者数は1万人では済まない大混乱に陥るんではないでしょうか。その数はきっと今回のコロナで亡くなる人の比ではないと思います。

ちなみに特に若い人の場合は、このコロナウイルスに感染して重篤化するケースは極めて低く、そもそも発症すらしない場合もあると言われています。なにより今後、この感染の広がりを沈静化することなんて本当にできるんでしょうか。政府はこの2週間とか3月中が勝負などと相変わらず寝言を言い続けていますが、おそらく僕は年内でも収まらないと思いますね。だったら一旦、受け入れてしまって、その致死率の低さを実証し、軽いステップでやり過ごしてしまった方がよっぽど手っ取り早いと思います。

だってある意味インフルだってそうしてるじゃないですか。むしろみんな感染してしまった方が、今のように「何県ではじめて感染者!」とか「何県の感染者数○人!」などと毎日くだらない報道を繰り返すよりよっぽど有益だと思います。東京都のHPに設置された掲示板とか、マジで無意味。これで感染者が減るとでも本気で思ってるんでしょうかね。

何度も言いますが、そもそも今後4月に入ってもテレワークとか時差通勤とかイベント自粛とか、はっきり言って無理ですよ。学校だっていつまでも休みにはできないに決まってます。で、そうなると絶対に感染者は増え続けますよ。その時政府や東京都は一体どうするんでしょうか?

僕はこの国のこのクソみたいな方針と決定にとんでもなく迷惑してます。なぜって事務所の人間が減っても、事務所への問い合わせの電話が減るわけではないし、いない職員のための細かなサポートは激増するし、それを出社している人間だけでカバーしなければいけないわけでして。

僕の究極の結論としては、今事務所にいない人、それはそもそも会社にいなくてもいい人達だし、こういう未知のウイルスを防ぐためにはもう「戒厳令」しかないと思ってます。コンスタンチン・コスタ=ガヴラス監督の「戒厳令」、もう最高の映画で、南米の軍事政権下の荒涼とした市街地を舞台に、夜中にいきなり銃声が「シュタタタタタタタッッッッ!!!」とこだましたり、たまに市民が泣き叫ぶ声が聞こえたり、犬の吠える声がこだましたり、戦車がキャタピラをアスファルトに「ジュザザザザザザザッッッ!」と食い込ませて猛スピードで走り抜けたりと、外出の制限された都市の様子を徹底した薄ら寒いリアリズムで描いています。あっ、同監督の「ミッシング」も似たような描写があるのでこちらも必見ですね。

さて皆さんはそんな生活に耐えられますか?無理ですよ、絶対に。であるなら、バカなことはやめてさっさと経済活動を再開しましょうよ。ちなみに僕は今日も明日もノーマスクで出社し仕事に専念しま~す(本来は週休二日の土日休み)。

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映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

評価:★★★★☆

ええと、久しぶりに自分のブログを見た気がしますね。あ、前の記事を書いてからもう50日は経過してましたですハイ。あの頃は平和だったなあ~と遠い目で回想してます。

えっと僕は今現在、と言うより、長期の年末年始休みが明けるやいなや、年度末が締めの仕事に追われ、週休一日(日曜日)の毎日が続いております。そして昨日も今日も仕事で、貴重な週一の休みすらつぶれる始末で、年度間の休日出勤が40日を超えそうな勢いなんですが、世の中の働き盛りの人ってこれが普通なんでしょうか?

なので、映画とか全く見れてません。それどころか大好きな料理や庭いじり、散歩に買い物に掃除にブーツの手入れとか、挙げ句にこのブログの更新も滞り、ものすごく悲しい限りなんですが、なんででしょうか、結構、自分なりに時間を見つけ、ネットで服とかブーツを買ったり、寝る前に本を読んだり、この前は銀河英雄伝説の新しいマンガ版まで読破したりと、ある意味、結構充実した毎日を過ごしている僕がいて。

なのですが、確か最後に見たのが、大好きなクエンティン・タランティーノ監督の最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です!この映画、よくわかんね~という人が大部分だったんではないでしょうか。

まず基礎知識として、シャロン・テート殺害事件とか、ロマン・ポランスキー監督とか、カルト集団のチャールズ・マンソンといったキーワードをある程度知っておかないと、全く意味不明のまま映画がダラダラ進行し、気づくとジ・エンドといったような、なんだかものすごく肩透かしを食ったような、なんとも間の抜けた体たらくになること受け合いです。

物語なんですが、時は1969年のアメリカのLA、ハリウッドを舞台に、落ち目のテレビ俳優であるリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリ)と、そのスタントマンであるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の友情を通して、ハリウッドの栄光と挫折を描きつつも、そこにシャロン・テートチャールズ・マンソンなんかの関連事件を織り込むことで、当時のヒッピーやら反戦やらフラワーチルドレン的な空気感を視覚的に再現するという離れ技をやってのけてます。

が、僕としては、そんなストーリーなんかはもはやどうでもよくて、アメカジで決めに決めまくったブラッド・ピットの勇士を見れるだけでもう最高!という映画でしたね。要はブラピの正しいアメカジの着こなし入門とでもいうような、とにかくブラピのファッションがかっこいいんですハイ。ジーパンにジージャンにサングラスとか、チャンピオンのTシャツとか、黄色のアロハシャツとか、ティアドロップのサングラスとか、もうもろにドツボでしたね。

で、ボロボロの愛車でハリウッドを悠々とドライブして家路につくシーンもクールだし、ブラピの家もドライブ・イン・シアターの奥にあるトレーラーハウスという、アメリカのホワイト・トラッシュの私生活を描いているようで興奮しました。

特に笑えるのは、ブルース・リーがモデルと思われるアジア系アメリカ人をブラピが笑い飛ばして決闘にまで発展するシーンで、この顛末は最高に笑いましたね。で、その決闘の最中に、監督の妻が入ってきて、大声で「What the fuck are you doing!!おまえら一体何やってんだコラッ!!!」とすごい形相でがなり立てるシーンがもう大好きです。結局ブラピはこの一件で彼らの映画のスタントマンをクビになってしまうんですが、もはやこのシーンを見るためだけに僕はこの映画を借りたと言っても言い過ぎではないでしょう。

なので、確かにディカプリオも出ているにはいるんですが、もうブラピのファッションとか個性が際立ちすぎているので、あまりにも印象が薄いんです。ただ、そのディカプリオもエンドロールでむちゃくちゃ笑える演技をしていて、タバコのCMで「とにかく最高のタバコ!タバコは○○じゃないとね!もう何年もずっと吸ってるよ!」などとニヤニヤしてフレンドリーに演じてるんですが、カットがかかった瞬間、やおらタバコを思い切り床に投げ捨てて「ファック!くそ不味いっ!!」と怒鳴るシーン、これはもう必見ですね。

映画の作りとしては、タランティーノ作品の中では「イングロリアス・バスターズ」に近いんではないでしょうか。なので「パルプ・フィクション」とか「トゥルー・ロマンス(監督ではないですが)」のような映画を期待してみると、思い切り肩すかしを食らいますね。ですが、おそらく、タランティーノのやりたかった事って、結局こういう映画なんだろうなあ~とも、しみじみ感じましたね。

さてさて、僕のようにアメカジが好きで、アメリカの1960~70年代の映画の雰囲気が好きな人には存分に楽しめる映画だと思います。さて皆さん、年度末で忙しいと思いますが、この映画で働き者で友達想いでしかも腕っ節の強いブラピを見て、スカっと一発元気を出しましょうよ。これぞ、男の中の男!

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アニメ映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」

評価:★★★☆☆

今週は出張の隙間時間を利用して「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の序、破、Qの3作を見ました。で、どうだったのかというと、確かにおもしろいし映像もかっこいいのでそれなりには楽しめたんですが、なんというか、そこまでは心に響きませんでした。

いや確かにものすごいアニメーションではあるんです。映像とかも随所にCGが使われたり、音楽も凝ってるし、新たな設定もふんだんに出てきて、もう情報量が多すぎて、さっぱり意味がわからないけど、それでもそれなりには楽しめました。

そもそもこのエヴァンゲリオンシリーズは、僕が学生の時にテレビで放映されたのが始まりで、その時のテレビシリーズが全26話放映され、そのあまりにも唐突かつ身勝手な終わり方にファンの怒りが殺到し、あらためて映画版(旧劇場版)の「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(DEATH & REBIRTH)」と「Air/まごころを、君に」の2本が作られたわけです。

そこで僕にとってのエヴァは終了していたわけですが、最近、庵野監督の記事を目にしたのがきっかけで、今回、新劇場版を見てみることにしたんです。で、見てて思い出したんですが、この1・2作目の「序」と「破」はすでにどこかで見てましたですハイ。けれどそれ以降、3作目の「Q」をスルーしていたのは、あまり印象に残っていなかったのと、続きもさほど気にならなかったからなのかもしれません。

そもそも、エヴァンゲリオンってその謎が話題になりがちで、大ブームの社会現象にもなったわけですが、僕的にはこの「謎」って結構どうでもよくて、女の子がかわいくて映像がきれいで、メカやロボットがたくさん出てきて、部屋の描写とかが多ければそれでいんじゃね?程度のノリでした。僕は当然「綾波」のファンで、林原めぐみさんのアニメ史に残る「美声」や「しゃべり方」、映像上の綾波の青い髪、ショートヘア、赤い目、白い肌などなど、もう思い切りドツボでしたね。それにミサトのマンションとか綾波団地の部屋とか、とにかく部屋の描写が部屋フェチの僕にはもうたまらなくツボでした。

で、庵野監督のスキゾ・パラノエヴァンゲリオンという本も買ったし、つられて庵野監督の前作「不思議の海のナディア」を全話見たりもしました。まあ当時はものすごい社会現象になって、経済効果も半端なくて、エヴァがアニメ界に与えたインパクトはとんでもなかったはずです。まさに紀元前(B.C)、紀元後(A.C)と同様、エヴァ前、エヴァ後でアニメーションの文法そのものが変わってしまいました。

庵野監督はもうアニメ界のキリストですよ。しかし、最近の庵野監督の記事を読んで驚愕したんですが、当時のエヴァを作った会社、つまりはガイナックスGAINAX)は、もうエヴァとはほとんど接点のない全く別の会社になってしまっていたんですね。ガイナックスは当時、名作「王位宇宙軍 オネアミスの翼」をつくるために設立された会社だったわけですが、そんなガイナックスエヴァがあれだけヒットしたことで、じゃんじゃんお金が入ってきて、特に経営陣がおかしくなってしまったようなんです。それを庵野監督は必死に軌道修正しようと私財を投じてがんばったようなんですが、どうにもならなくなって、イヤイヤ引き受けた役員も降りて、「株式会社カラー」を設立するに至ったということだったんですね。なので、この新劇場版はガイナックスではなくカラーの作品なわけです。

僕はそういう庵野監督の苦労や悲劇を正月の特集記事を読むまでは全く知りませんでした。庵野監督の奥さんのモヨコさんが書いた「監督不行届」を読むと、庵野監督は今も昔も好きなアニメをつくって、好きなヒーロー物のおもちゃに囲まれていればそれで幸せな方のようなんですね。かねてから「クリエーターは経営者になるべきではない」というのが心情だったようですし。

が、そんな人がそういう会社の経営上の内紛や陰謀に巻き込まれてしまって本当につらかったと思います。多分そういうイザコザさえなければ、新劇場版の4作目の「シン・エヴァンゲリオン劇場版:II」もとっくに完成していたに違いありません。

僕は新劇場版よりも、この「エヴァのヒットに端を発するガイナックスのバタバタ劇があって、当時の庵野監督の学生時代からの友人ら(の一部)がおかしくなったりバラバラになってしまった」という事の方が衝撃的でしたね。アニメをつくっているアニメーターが金儲けなんかより自分の携わる作品に魂を注いでいるわけですから、経営者が金儲けに走ったらダメじゃないですか。そんなことは多分みんなわかっていたんでしょうが、実際にとんでもないお金が入ってくると、色んな輩や取り巻きや企業がウジャウジャ集まってくるしで、むしろ正気を保つ方が難しいのかもしれませんが。

さてさて、新劇場版ですが、従来の謎はもちろん、新たな謎が色々とちりばめられているし、またどうしてもテレビ版をある程度は理解している事が前提となっているので、これを初めて見るような子ども達には全く理解できないのではないでしょうか。この新劇場版はそれなりに興行収入を上げたようですが、恐らく僕の推測からすると、観に行ったのは僕のような当時エヴァにはまった人が大部分のようにさえ感じます。

また僕にとっては、こういう新たな謎ってある意味どうでもよくて、もう少し人物描写や世界の説明に時間を掛けてほしかったんです。だってあまりにもわけがわからなくてついて行けないので。・・・もうエヴァ用語辞典を買うしかないというレベルです(泣)。ただ、恐らく庵野監督もあまり謎とかはどうでもいんじゃね?ぐらいに感じてると思うわけですよ僕は。究極は「破壊尽くされた都市の中をゆっくりエヴァ巨神兵)がノシノシ肩をゆっくり上下させながら歩くシーンを撮りたいだけ」なんじゃないでしょうか。

ちなみに僕としては、綾波よりもニャン!とかメンゴ!とか繰り返すおふざけキャラの真希波・マリ・イラストリアスちゃんの方が魅力的でした。これってある意味、僕が大人になったということなんでしょうかね。いずれにせよ、庵野監督、そしてカラーの皆さん、4作目の制作、がんばってくださいね。 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]

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庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン

 

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庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン (\800本 (10))

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本
 
王立宇宙軍 オネアミスの翼 [DVD]

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監督不行届 (FEEL COMICS)

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本「トランプ大統領とアメリカの真実」「ヒラリーを逮捕、投獄せよ」と映画「13時間 ベンガジの秘密の兵士」

僕の敬愛する政治経済評論家の副島隆彦さんの2016年の本ですが、この2冊、ものすごくおもしろくて衝撃的でした。自分がよく理解できていなかった中東情勢がこの本のおかげでようやくその点と線が繋がった気がします。

もう20年以上前から副島さんの本は愛読書の一つですが、「ハリウッド映画で読む世界覇権国アメリカ」の文庫本が出たあたりからものすごく発刊ペースが早くなって、イルミナティとか金本位体制とかロックフェラーとか預金封鎖とかめまぐるしくて、最近はとんとご無沙汰しておりました。ただ、ブックオフで安ければせっせと買ってはいたので、もう読んでいない本が20冊ぐらいたまっていたわけです。

で、久しぶりに副島さんの本「トランプ大統領アメリカの真実」を読んだのですが、もうあまりのおもしろさにすぐに「ヒラリーを逮捕、投獄せよ」まで一気に読み進めてしまいました。この2冊、もうとんでもない名著です。副島さんって日本のマスコミにはほとんど相手にされてませんが、恐らくあまりにも本当のことばかり言ってるので、ヤバすぎてとても公共の電波なんかでは流せないんだと思います。意外に日本の政治家や経済学者なんかにも副島さんの隠れファンが多くて、むしろ今ぐらいの立ち位置の方が殺されないですむのかもしれませんが・・・。

さて、まずは「トランプ大統領アメリカの真実」ですが、これはアメリカの大統領選のまっただ中で書かれた本で、副島さんはトランプが共和党の指名を受けた段階で、トランプが大統領になることを予見しています。ただ、それはアメリカの内情をよく知っている人であればある程度は予測できた話で、その頃のヒラリーは例の「私用メール問題」の疑惑にまみれ、アメリカ国民には相当嫌われていたんです。

で、重要なのはこのヒラリーの「私用メール問題」なんですが、日本でこの事件の意味をきちんと理解している人がどのくらいいたのでしょうか。おそらくはヒラリーが国務長官だった2012年当時、「仕事上のメールのやりとりを自宅のメールサーバーを使ってやっていた」程度の認識しかないと思います。で、そんなのたいしたことないじゃん、別にいんじゃね?ぐらいの認識だったと思います。かくいう僕もそう思ってましたし。でも、これは全くそういうレベルの話じゃないんです。日本やアメリカのメディアがきちんと真相を報道しないのでそういう誤解がまかり通っているだけなんですよ、まあ確かにヤバすぎるので。その辺の恐ろしい謀略のかぎりが「ヒラリーを逮捕、投獄せよ」に書かれています。

まず、2010年から2012年にかけて、北アフリカと中東の一部の国(チュニジアリビア、エジプト、シリアなど)で突如発生した「アラブの春」という政治変革運動があったことは記憶に新しいですが、これは独裁政権に抑圧された一般民衆の自発的かつ草の根的な民主化運動であったと考えられています。

しかし、これは当時、アメリカの国務長官であったヒラリー(民主党ネオコン勢力)が、CIAを使ってあの手この手で画策して意図的に起こしたことであって、一般民衆から生まれたグラスルーツ運動なんかじゃなかったんです。要は単にヒラリー一派に誘導・画策されて踊らされていただけだったんですね。恐らくヒラリーは、アフリカや中東の独裁政権を打倒して民主化すれば、虐げられた民衆が解放され、よりよい世界が待っていると信じてたのかもしれませんが、それ以降はほとんどの国で混沌が深まり、軍事政権が発足し、抑圧と恐怖が支配し、かつ大量の犠牲者と難民が生まれただけで、今では全く収拾のつかない事態になってます。

で、決定的なのは、2011年の10月にリビアカダフィ大佐を殺害したのもヒラリーの命令だったということなんです。そしてその暗殺部隊がCIAの雇ったアフガニスタン人の傭兵たちだったんですが、なんと、カダフィ暗殺の2日前に、ヒラリーはリビアの首都のトリポリに入っていて、空港でそのアフガニスタン人らと一緒に写真に収まって無邪気にピースとかしちゃってるわけですよ。で、カダフィ暗殺後にそのアフガニスタン部隊は、英雄としてアフガンに帰国する予定だったんですが、その飛行機が着陸直前に謎のミサイル攻撃により全員死亡してしまいます。表向きはタリバンの襲撃を受けて爆撃されたことになっていますが、おそらくは口封じのためにヒラリーらに始末されたというのが真相のようです。

あ~もうものすごく怖くなってきますが、ヒラリーの大罪はそんなもんじゃありません。なんとカダフィの殺害後、リビアの国家資産2.4兆ドルと金塊134キロと武器弾薬を全て秘密裏に持ち出して(つまりは盗み出して)、イスラエルのハイファ港を経由してシリアのラッカまで運び込んだようなのです。そして、この資金を使ってシリアの反政府勢力に給料を出しながら2年間の訓練を施したわけです。

そうです、あのシリアのラッカですよ。つまりは、そのときに訓練を受けた反政府勢力こそ、あの後藤さんや湯川さんを殺害したクズどもの集団、後のIS(イスラム国)なんですよ~あ~恐ろしい・・・。この衝撃の事実!・・・。僕はもう読んでて震えましたね。

確かに彼らISは、2014年の6月に突如としてモスル(ラッカよりさらに東の都市)に出現し、最高指導者であるアブ・バクル・アル・バクダディ(2019年死亡)が自らをカリフと称し、国家樹立を宣言しました。2011年10月のカダフィ殺害から資金と武器の運搬や反政府勢力との交渉等に3~6ヵ月程度を要したとすれば、さらにその後の2年間の訓練期間を経て、ちょうどISの出現の時期が2014年6月となるわけです。つまりは、今の北アフリカと中東の混乱、ISの台頭、シリアの大虐殺、そして欧州へ押し寄せる大量の難民問題こそは全てオバマ政権の外交政策の産物であって、その元凶は時の国務長官であったヒラリーだったということになるわけです。

そして、これらの一連の出来事がヒラリーの流出してしまったメール5万通の中に事細かに書かれていて、だからこそあれほど大騒ぎになったんです。ヒラリーがCIAを勝手に使ってアラブの春を画策し、カダフィを殺害して国家資産を強奪し、反政府勢力を訓練してISを育成したわけですから。これがヒラリーの「私用メール問題」の真相なわけです。ちなみにこれらのメールは、ヒラリーが私用のメールサーバーを使っていたから漏れてしまったわけで、国務省のPCだけを使っていれば明るみに出ることは決してなかったと思います。

僕はずっとISの台頭は中東に介入したブッシュ政権のせいだとばかり思ってましたが、ブッシュ政権末期には、イケイケのチェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツなんかの共和党ネオコン派はすでに失脚して退場していたので、なぜ以降も中東の混乱が引き続き継続したのか、その辺が理解できませんでした。しかし、オバマ政権にバトンタッチした後、ヒラリーらの民主党内のネオコン派が画策していたのだとすれば、その理由がものすごく腑に落ちるわけです。

ちなみにカダフィ殺害の翌年の2012年に、リビアベンガジアメリカ領事館の襲撃事件が起き(=ベンガジ事件)、当時のアメリカ大使であったクリス・スティーブンス大使が殺される事件が起きますが、彼こそは当時のヒラリーの直属の外交官で、カダフィ殺しを実行したCIA部隊の責任者だったんです。ただ、この人は政治家タイプなので、直接の作戦の立案や実行は、当時CIAの副長官だったマイケル・モレルという人が取り仕切ったようなんですね。

で、その辺のヤバすぎる真相には一切触れずに、この「ベンガジ事件」を描いた映画としてマイケル・ベイ監督の「13時間 ベンガジの秘密の兵士」があります。この映画はものすごくおもしろくて、この2冊の本を読んだ後に見るとまた映画の見方が変わってくるので必見です。

ちなみに、このクリス・スティーブンス大使は、領事館に火を付けられその炎で窒息死してしまうんですが、無残にもその遺体が街中を引きずり回されてしまいます。その様子をCNNで見たヒラリーはゲロ吐いてぶっ倒れて入院してしまうんです。が、そんなヒラリーさんも時間が経つと何食わぬ顔で平気で大統領選に立候補してしまうんですから、政治家ってやつはもう・・・。

トランプ大統領とアメリカの真実

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Lock Her Up ! ロック ハー アップ ヒラリーを逮捕、投獄せよ

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  • 作者:副島 隆彦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/11/04
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