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運営者:gigiandarucia
掲 載:令和2年1月1日

本「FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実」

皆さま大晦日はいかがお過ごしでしょうか。今年最後のUPになりますね。僕は掃除に料理に散歩にと忙しい日々を過ごしております。さて、このブログですが、今年の一月に書き始め、1記事2,000字の年間100記事を目指していたのですが、やはり無理でした~ごめんなさい。けれど、自分の見た映画や読んだ本を紹介がてら2,000字で強引にとりまとめてねじ伏せるという行為は、ものすごく自分のためになった様に感じます・・・、というかそう信じたいですね。

さてさて昨日ようやく読み終わりましたボブ・ウッドワードの「トランプ政権の真実」なんですが、実はあまり楽しめなかったんです。この本ってアメリカではベストセラーになったようですが、それって単に作者が伝説のジャーナリスト=ボブ・ウッドワードだからかもしれません。ボブ・ウッドワードは1970年初頭、ワシントン・ポスト紙で働いていて、同僚のカール・バーンスタインとともにウォーターゲート事件の特ダネをものにした伝説的なジャーナリストなわけで、その辺のところはロバート・レッドフォードボブ・ウッドワードを演じた「大統領の陰謀」やリーアム・ニーソンが当時のFBI副長官を演じた「ザ・シークレットマン」に詳しいかと。あとオリバー・ストーン監督の「ニクソン」も外せません。ちなみにそれら3本はめちゃめちゃ面白いので今からまた見ようかな。

さて「トランプ政権の真実」ですが、最初にトランプが大統領選に出馬する前の2010年あたりの状況に軽く触れたあと、2016年の大統領選挙の様子を追い、それ以降はホワイトハウスに場を移し、当選後のトランプ政権の始動(2017年1月)から2018年3月頃までの様子が書かれています。要するに大統領になって1年程度のトランプ政権の内幕が描かれているわけですが、それ以降すでに2年近く経っているので、トランプ政権の業績と解釈はまたこの本とは違ったものになるはずです。むしろその辺を追った直近の本が読みたいですよね。

僕がこの本で一番面白かったのはトランプが大統領になるまでのサクセス・ストーリー部分で、本全体の3分の1くらいまででしょうか。それ以降のホワイトハウスでの惨状はもうダラダラしててひじょ~につまらなかったです。

ちなみにアメリカの大統領選というのは、ある意味1年掛かりで開催されるお祭りのようなもので、予備選(前半1~6月:各政党内での候補者選び)と党大会(7~8月:各政党の候補者の決定)、そして本選(後半9~11月:政党間での争い)という具合に、もう全国的に大統領選一色の1年になるようですね。

さて、トランプ大統領ですが、彼は元々は政治色の皆無な実業家で、たしかに金持ちのボンボンではあるんですが、ある意味親には頼らずに、自力で不動産開発やカジノやホテルなんかの経営で財をなしたやり手でもあるんです。まあ、そういう所が上から目線のエスタブリッシュメント=ヒラリーとは違って大衆受けしたわけで、それが大統領になれた最大の要因なんでしょう。

また公約も非常にわかりやすく、①メキシコとの間に壁を作る、②NAFTA北米自由貿易協定)やKORUS(米韓自由貿易協定)などの貿易協定を見直し、鉄鋼業を主体とした製造業や重工業の雇用をアメリカに取り戻す、③アフガニスタンへの派兵・駐留を取りやめ、完全撤退する、④先進国へ駐屯している軍事基地の費用やその対価を支払わせる、などなど、社会経済情勢をな~んにも知らない一庶民には非常に心強く響いたわけです。

ただ、トランプさんは色んな場所や建物やリゾートに自分の名前である「トランプ」を付けるほど自己顕示欲が強くて態度もデカいし下品なので、それが軍人将校や高級官僚たちとは全くかみ合わないわけです。って、あたりまえですよ。でもとりあえず、がんばって公約を果たそうと奮闘するんですが、実態を知るうちに身動きがほとんど取れなくなっていくんですね。その理由は非常に長くなるのでまた次回に書くことにしますが。

ってなことで、当初トランプの思い描いていた公約は、ことごとくホワイトハウスのスタッフ、閣僚、インテリジェンス・コミュニティの面々とは意見が食い違い、反発を食らい、結果的には一つずつ丁寧に潰されていくわけです。さらに娘のイバンカや夫のクシュナーはどちらかというと民主党員に近くて、「パパ、パリ協定は離脱しないでっ!」とか「パパ、不法移民の子ども達(ドリーマーズ)を国外追放しないでっ!」とかって横やりを入れるもんだから、トランプも困って右往左往して、なんにも決められなっちゃうんですね。

そして同時に、トランプ政権を担うとんでもなくIQの高い輝かしい経歴をもったおっさん達も、トランプのあまりの無知蒙昧で幼稚な性格に付き合いきれず、どんどんトランプとの仲が悪化してしまって、結局は捨てセリフを吐いて辞めていくんです。「あいつはとんでもなく知能が低い!」とか「何の経験もない捕食者ばかりの政権だ!(主にトランプ、イバンカ夫妻を指す)」とか、「彼はバカだ、説得しようとしても無駄だ!」とか、みんな苦虫をかみつぶしたような顔をして巻頭カラーページの写真に収まってるので笑えます。

とまあ、そんなやんちゃでおちゃめなトランプ大統領なんですが、僕はこの本を読んで少し彼が好きになりましたね。その理由の一つ目は、2016年にイエメンで行われた特殊作戦で、SEAL隊員の一人が死亡してしまって、トランプがその家族を電話で見舞うエピソード。トランプは事前に戦死した兵士の身上調書をじっくりと真剣に読みこんでいて、家族との会話の中で「ここに記録があります。彼がとても好かれていたことを物語る報告書があります。彼は偉大なリーダーだったんですね。」と語りかけ、家族を慰めるわけですよ。で、そのあとでホワイトハウスのスタッフがその調書を読んでみると、トランプが家族に伝えたようなことは一切書かれてなくて、実はトランプのとっさの作り話だったということがわかるんです・・・。どうですか?すこしジーンと来ませんか?

で、もう一つは、すでにトランプ政権の要人が次々に辞任していることは書いたんですが、そのときのエピソード。トランプはどれほど意見が衝突しても対立しても、その人が辞める段になるとトランプはなぜか必ず電話かあるいは面と向かって「ありがとう。君がやってくれたことすべてに、感謝している。」と丁寧に粛々と感謝を表するのだそうです・・・。どうですか?少ししんみり来ませんか?

ましてや若者の職場のバックレとか、退職の際の代行業なんかが流行っている今の時代に、トランプさんのこのスタンスってものすごく貴重で男らしいじゃないですか。来年の大統領選の行く末は全くわかりませんが、少しドナルド・トランプを応援したくなっちゃいました。

ちなみに僕がトランプ政権の中で一番好きなのは、大統領主席戦略官だったスティーブ・バノンさんですね。彼はトランプを当選させた立役者で、元々は右派のオンライン・ニュース「ブライトバード・ニュース・ネットワーク」の会長なんだけど、格好とかも軍用のフィールドジャケットを羽織ったりとかラフでノーネクタイで全く政治家っぽくないんですよね。で、大統領の執務室に自由に出入りするイバンカに向かって「おまえはスタッフなんだ!自分が指揮しているかのような振る舞いはやめろ!とんだ思い違いだ!単なるスタッフなんだ!」と怒鳴りつけたりとか、シブいっす。バノンさん、またトランプ政権に戻ってこないかな。

それと元ゴールドマン・サックスの社長兼COOのゲーリー・コーンがトランプに「大統領、大統領の夢見ているアメリカは、ノーマン・ロックウェル風のアメリカ観です(1940~50年代の庶民の生活を描いたイラストレーター)。もはやそんな風景はどこにも残っていません」といさめるシーンも好きですね。

さて、僕は先ほどお手製の年越しそばを食べました。スープも鶏ガラと鰹だしでとったのでもう最高においしかったです。それと一週間前に漬けたキムチもうまく漬かったようでうれしい限りです。それでは皆さま、よいお年を!

FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実

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恒例の年越しそばです。

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これも毎年恒例のキムチです

映画「ゴールデン・リバー」

評価:★☆☆☆☆

いやぁ~、とんでもなく期待はずれの一作でした。見終わった後、このホモやろうっ!!と叫んでましたですハイ。

だって、主演がジョン・C・ライリーホアキン・フェニックスジェイク・ギレンホール+「ローグ・ワン」のパイロット役(名前は知らない)などの濃いめの演技派が勢揃いしているにもかかわらず、一体どうしたらここまでクソな映画が作れるのかもう意味不明~。関係者の皆さんごめんなさい。

時は1850年代の南北戦争前夜、舞台のオレゴン州はまだ「準州」扱いで、ある意味合衆国憲法にほぼ左右されない自治領的意味合いが強いため、まだまだ無法者(アウトロー)たちが幅を効かせ、一攫千金(ゴールド)を夢見てもう荒くれ者がウジャウジャとラッシュしてるんです。

で、あらすじはというと、巷では結構有名な殺し屋のシスターズというジョン・C・ライリーホアキンの兄弟が、金脈の情報を持ったローグワン(のパイロット)を追ってるんですが、先にローグワンに接触していた仲間のジェイク・ギレンホールがローグワンと勝手に意気投合してつるんで逃亡してしまうんです。で、それをジョンとホアキンがダラダラと追いかけるだけの話なんですが、途中でママギャング団に襲われたり、ジョン・Cが病気になったり、まあいくつかのエピソードが差し込まれてるんです。

だからといってじゃあ面白いかというと、面白くないんです~、心から楽しめないんですね~、なんででしょ。で、色々と考えたんですが、たぶんそれはこの前見た「荒野にて」と同様に、いや~なエピソードがいくつも無駄に挿入されているからでしょうか。しかし、こういう後味の悪いイヤ~なグロテスクなエピソードを差し込むのって最近の流行(はやり)なのでしょうか。「人生はままならない、しかし、それでも、生きていくっ」とか「生きていくのは大変だ、だけど、それでも、世界は美しいっ」とかって、もううるせぇ~!いい加減にしろっ!!!と叫びたいですハイ。

だってそんなの当たり前じゃないですか。そんな当たり前のことをさもオレはわかってる的なニュアンスでしたり顔でわざわざ映画にすんなよ。えっと、誰だ?監督?えっ、ジャック・オーディアール?知らねぇ~って、あっ「ディーパンの闘い」を撮った人か。あの映画はよかったんだけどなあ~。

あのぅ~、お聞きしたいのですが、どうして金脈採掘の話と雇い主である「提督」と呼ばれてるボスとの話に焦点を絞らなかったのでしょうか。それ以外のエピソード、マジいらねぇ~。きっと監督はフランス人なので、アメリカ人の気質やゴールドラッシュに沸くカリフォルニアとか、きっと本質的には理解できなかったんでしょう。で、そこに強引に「家族愛」を導入したもんだから、もうお話があっち行ったりこっち行ったり拡散してランセルノプト放射光しちゃって何もかもが中途半端な始末。

ただ、ジョン・Cとホアキンが馬に乗って荒野を走り抜けるシーンとか、たき火を囲んで野外で過ごしたりするアウトドア描写、大雨の中を簡易テントみたいな布の下でじっとやり過ごすシーンとか、結構「ブロークバック・マウンテン」してて、いいシーンはふんだんにあるんです!実にいいんです。なので、そこに★1なんです。

特にジョン・C・ライリーは、ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督の最高傑作「ハード・エイト」「ブギーナイツ」「マグノリア」の3部作に総出演していて、僕の大好きな役者の一人。この子豚みたいなルックスがもう最高なんです。あっそういえば、ホアキンもPTAの「ザ・マスター」と「インヒアレント・ヴァイス」に出てるし、ジェイクも「ブロークバック・マウンテン」に出てるし、何となく関連性が・・・。なので、どうせなら、もっとまともな映画にしてほしかったです、このメンツならね。

しかし、このちょうど100年後ぐらいを舞台にして、PTA監督が石油採掘に沸くアメリカを描いた映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を撮るわけですが、やはり出来が全然違いますよね。たしかに「ゼア・ウィル」の方は「オレのミルクセーキっ!」とかってわけがわからないけど、なんとなく中毒性があって、たまにむしょ~に見たくなるんですよ。その理由は今でもよくわからないんだけど、やはりPTA監督の映画は究極の人間賛歌であって、最後まできちんと逃げずに人間を追っているからでしょうか。

一方で、この映画と「荒野にて」の場合は、映画のクライマックスで「生きるのは大変だ。けれど、それでも、人生は続くっ!そして、世界は美しいっ!」みたいな感じで、それまでずっと追ってきた「人間」からいきなり対象を「世界」まで飛躍させ、一個人が影響を与えようのない「世界」という事象で強引に中和してチャラにしてしまおうという意図が見え見えだからでしょうか。

とにかく、この映画を見てしまうと、いかに「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」や「ブロークバック・マウンテン」が本物なのかよくわかりますね。邦題も最低ですし。なにが「黄金の川」だよ。ちなみにPTAの「インヒアレント・ヴァイス」はクソなので要注意です。

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本「一汁一菜でよいという提案」

皆さま、そろそろ年末年始のお休みに突入しましたでしょうか。僕の職場はマゾヒストが多いので、必死に自分を勝手に追い込んで、端から見てるとヒマなくせに、やれ忙しい、それ忙しいと、仕事がなくても帰らずにダラダラ残ってるオヤジどもが結構いますね。彼らはきっと、そうやって自分を常に追い込んでいじめてないとダメで安心できない真性のマゾなんだと思ってます。たぶん、帰ってもやることがないのでしょうが、そんな人こそ、この名著「一汁一菜でよいという提案」を読むべきだと思います。

これは僕の敬愛する料理研究家土井善晴さんの本なんですが、これはいわゆる料理本やレシピ本ではないので、それを期待して買ってしまうと相当に肩すかしを食らいます。では何の本なのかというと、それはつまり「哲学書」ですねもはや。料理という名を借りてはいますが、日本という四季折々の風土を背景として、その文化や歴史、日本人の心、はてや人の生きる様までを、非常にわかりやすく丁寧に解説されています。

世の中的には、倫理と道徳、自由と平等、尊厳と人権なんかのヒューマニズムやデモクラシーに飽きたらず、最近では「食育」とか「環境教育」などという言葉も勝手に作り出して、必死に子どもたちに教え伝えようとしてるけど、であるなら、一番手っ取り早いのはこの本を教科書にすればいんじゃね?とすら思いました。我々を取り巻く環境と日々の生活や料理をベースとして、そこに歴史・文化的考察を加え、日本人の生き方や生き様やその道しるべを、ここまで斬新かつ丁寧に解説した指南書ってなかなかありませんよ。

さてさて確信に入りますが、ここで土井さんの提唱している「一汁一菜」という理論は要するに「ご飯と味噌汁のみ」というもので、味噌汁を具だくさんにしてしまえば、その汁自体がおかずになってしまうという革命的なメソッドなんです。

しかも、キャベツとか肉とかキノコとか油揚げを炒めてから水を入れれば、そこから十分にうまみが出て、もはや出汁(だし)をとる必要すらないし、塩っ気が足りなければ、ご飯に味噌を少しそのまま添えればいいでしょう、というね。ただ経験則で言うと、豚汁みたいに肉が入らないと、やはり水だけではさすがに味噌汁にコクが足りません。なので僕はやはり自分でとって冷凍してある出汁のストックを使います。が、面倒な場合は「出汁入り味噌」が最強かつ得策かと。

なおかつ、味噌に入れる食材はトマトだろうがピーマンだろうが卵だろうが何でもよくて、あとは我が国で数千年の歴史を持つ伝統的調味料である味噌がなんとかしてくれますよという潔さ。まるで食材を放り込めばあとは鍋がなんとかしてくれるという、魔法の鍋「ダッジオーブン」に通じる概念。

そして極めつけは「こういう毎日の食事は別においしくなくてもいい」ということなんです、いやぁ~究極の理論。そりゃおいしいに越したことはないけど、おいしいという感覚自体が結構あいまいで、それは塩分だったりグルタミン酸なんかの化学調味料のおかげだったりするわけですよ。しかも、毎日毎日、おいしいっおいしいってそんな必要はないとか、今日は唐揚げ、焼き肉、ハンバーグ!みたいに「メインディッシュが必ずある」という考え方自体がすでに刷り込みかつ洗脳に過ぎないというこのアンチテーゼ、僕はしびれましたね。

ちなみに本書では、土井さんが普段食べている味噌汁の写真がふんだんに載っています。えっ!こんなんでもいいのっ!とかさすがにこれは入れないだろっ!とか突っ込みどころ満載ですが、これはものすごく勇気が出ますよね。だって、これを見れば自分でもできるって誰でも思うことができるわけですから。

まあ、毎日とはいきませんが、僕は休みに入ってからお昼はずっとこの土井さんの「一汁一菜」を実践してます。で、やってみると、簡単だししかもおいしいのでびっくりしました。ただ、なかなか土井さんの境地にはほど遠く、やはりちょっとおかずが恋しくなるので、イワシをさばいてマリネにしておいた一品を追加したりと、一汁二菜ぐらいが解脱(げだつ)してない僕には限界かと。

ともかくも、マゾヒストのおっさんたち、いつも奥様に任せてないで、この本を読んで早速「一汁一菜(いちじゅういっさい)」作ってみてはいかがでしょうか?これが生きてるってことですよ。

一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案

  • 作者:土井 善晴
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

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一汁一菜+(キュウリとイワシのマリネ)

本「史上最強のCEO」という最強の無料本

さてさて、都内では結構知っている人も多いはず。その名も高き無料本「史上最強のCEO」ですが、なんと頼んでもないのに勝手にポストに入ってたんです。ネットで色々調べると、「なんかマンションのポストに入ってたので、そのまま共用のゴミ箱に捨てたっ」とか「ゴミをこれ以上増やすな!」とか辛辣な意見が目立って笑えます。まあ、誇大広告なのは間違いないし、そもそもこのジェームス・スキナーさんって知らないし、ある日突然こんな本がポストに勝手に入ってれば誰だって驚きますよ。僕も少し警戒して、頼んでないしなぁ~とか宗教本かなぁ~とか多少はビビりました。

しかし、開けてみると、なにやら「社長殿、驚かれたと思いますが、無料でお配りしています」とかって書いた一枚紙が入っていたので、少し安心した次第です。で、ほんとかウソか100万部達成!とか書いてあって、後ろを見るとテンガロンハットをかぶってダサいデザインのシャツを着て縦落ち(今でも言うの?)したデニムを掃いた怪しげな外人さんがプライベートジェットの前でポーズをとっていかにも「どうよ!」と言わんばかりのリア充なお写真が掲載されていたので、少しかわいそうになって読むことにしました。そもそも読まずに捨てたり批判するのは不本意だし、本好きの僕にとって新品のしかも無料の本を捨てるなんて、それはそれはできない相談ですし。

で、3日ほど掛けて先ほどようやく読み終わりました。しかもその途中、今日のクリスマス・イブのために5回ほど買い物に出たり、ダッジオーブンでローストチキンを焼いたり、年始用のキムチを漬け込んだりしながらだったので、かなりの時間がかかってしまいました。

・・・・が、なによこれ?意外や意外、結構いい本じゃないの。巷にはたくさんのビジネス本が溢れかえっていて、そのほとんどが「自分に投資せよ」とか「人脈をフルに使え」とか「不動産を買え」とか「隙間時間は情報収集に使え」とかレバレッジとかデリバティブとかポートフォリオとかトラストファンドとかリスク・アビトラージとかわけのわからない戯れ言が書いてあるクソ本が大半なんですが、この本は意外にいいことが結構・・・という奇跡。・・・なので、捨てるのはもったいないですとだけ言っておきましょう。

確かに「もっとこの件に関して知りたければジェームスの勉強会に」とか「この内容の詳細はジェームスのウェブサイトで」とか「世界最高のメンター、ジェームス」とか、どうでもいいPRが随所で散々に繰り返されるので「もううるせ~よジェームスっ!」と言いたくもなるんですが、けど、僕がいいなと思ったのは「起業家に必要なことは、何よりもまず、すべてにNO!という精神である」ってとこなんです。

要するに起業家はあらゆるサービス、経営、物品に満足するのではなく、すべてにNO!を突きつけ、オレならもっと別のサービスを付加するのに、もっと別の経営手法を導入するよな、もっと別の機能を付けるだろ、といったように、今の現状に満足してしまってはダメで、すべからくNO!NO!NO!を突きつける人間でなければならないってことなんです。どうですか?これって要はロックンロールじゃないですか?そもそもロックとは、ここじゃない、これは違う、そうじゃねーだろ!こうあるべきだろ!というやるせなさや怒りを唄にしてステージで爆発するからこそ、観客は感動するわけでして。まあ、日本のロックは微妙に違う気もしますが・・・。

つまりは僕の解釈からするとすべての起業者はすべからくロッカーなわけですよ。そういうギラギラした精神がないと絶対に成功しないわけです。これまで僕は起業家ってよくわからなかったんですけど、この本を読んでスッと腑に落ちた気がしましたね。まあ、それ以外にも「愛だろっ、愛!」とか、永瀬正敏さんのサントリーのカクテルバーみたいなことも書いてますが、言ってることは意外にも的を射てると思います。

けれどじゃあ僕が起業家になって最強のCEOを目指すかって言うとそれはまた別の話で、ジェームスさんには悪いけど、僕は目指しません。何より「普通よりも最強を目指せ!」って言われても、そういうバイタリティがないし、どっちかというとYES!と思うことも多いし、ロックな精神ってあまり湧きません。なぜって何となくめんどくさそうだからでしょうか。だって、最後の方にジェームスさんの主催する「ビリオネア塾」の塾生になった人の声が掲載されていて、「こんな世界あり得ない!ジェームスのプライベートジェットに乗ったり、F1を観戦したり・・」とか「ジェームスの家に泊めてもらえてびっくり!」とか「海外合宿はとにかくすごい、ジェームスとダイビングしたり・・・」とかってどうなんでしょうか。

要はこの塾生のみなさんって単にジェームスと友達になりたかっただけ、もっと言うと友達がほしかっただけなんじゃないですかね。まあそういうアラは目立つ本ではあるんですが、僕的に結構好きですので、また無料でポストに入れてほしいです。あっ、今気がつきましたが、この本ってAPAホテルに置いてある元谷さん(藤誠志)の本に装丁や宣伝文句が似てますね(内容は似てません)。ファッションがダサイところも共通点です。元谷さんの本、僕は結構好きでAPAに泊まった時は読んじゃいます(買いませんが・・)。しかしスキナーって聞くと、「Xファイル」に出てくるハゲ上司のスキナーを思い出すのは僕だけでしょうか。それでは皆様、メリー・クリスマス!

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噂の無料本、勝手にポストに入ってました

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私服がダサいところもAPAの元谷さんと通じるところが・・・

ファッションのことを考える

これまでの記事を俯瞰して、なんとファッションの記事がたった一つなのでちょっと書いてみましょうか。ファッションというか、洋服は大好きなのでよく買います。けれど、例えばどっかのデパートに出かけて、馴染みのショップに行って、店員のおすすめをまとめてゲット、計20万!みたいなバカなことはしません。こういう人ってほんとに服が好きなんでしょうか。とりあえずアルマーニを着ていれば安心とか言ってる村上龍さんじゃないけど、たぶんあまり興味はないんじゃないでしょうか。とはいえほんの一時、そういう買い方をしていた時期もあります。社会人に成り立てで、急に自由に使えるお金が増えたからだったんでしょう。で今、そのときの服をちゃんと着ているかというと、1、2着を除いて全く着ていないという事実。

しかしながら、そういう無駄使いを繰り返していた時に、僕の目を覚ます驚愕の事実?を耳にしたんです。ほんとかウソかはわかりませんが「特にブランド品の場合、その原価は10分の1である」というね。だとすれば6万で買ったスーツは6,000円、6万で買ったダウンも6,000円って、えっマジで?ふざけんな!オレの金返せ!と相成ったわけです。

以降は、ファッションはすべからく古着や中古品を愛用しています。だって今や、セカンドストリート、カンフル、ベクトル、カインド、ブランディアなんかのブランド古着が目白押しじゃないですか。ましてやヤフオクラクマなんかのオークションに加え、メルカリなんかも登場し、もはや新品で買う意味がわかりません。以降は、ファッションはすべからく古着や中古品を愛用しています。なので、僕の基準値は以下のように大きく下がりさがりました。

TシャツやロンT・・・100~2,000円
ニット ・・・・・・・3,000円以下
パンツ ・・・・・・・2,000~5,000円
アウター ・・・・・・20,000円以下

ちなみにこの金額は上限値で、どんなに欲しくてもこれ以上は「要検討」状態に入り、数日間考えることにしています。先般、スター・ウォーズを劇場に観に行った帰りに、嫁さんがユニクロを見たいと言い出して泣く泣くついて行ったのですが、驚愕したのはその値段です!え?なに天下のユニクロってこんなに高いの?という。なんかヘンな何の特徴も変哲もないスタンダートな安っぽいダウンがなんと9,800円!驚愕しましたね。僕なら絶対に買いません要りませんユニクロさんごめんなさい。

でまあ、そんなこんなで結構しょっちゅう古着とかをチェックしていますが、今は増えに増えてもう少し整理しないといけないのですが、基本はほとんど捨てません。だって、自分が選びに選んで悩んで買った服なので、どうして捨てられますか。なにが断捨離だよファック!断捨離するくらいなら買うな。服がかわいそう。

ちなみに僕の場合、しょっちゅう自分で服を改造しちゃいます。ミシンを持っているので、太いズボンを細くしたり、MA-1とかN3-Bなんかのフライトジャケットにワッペンを縫い付けたり、ステンシルペイントしたり、ダメージジーンズに当て布をつけたり、ダブダブのスウェットをピチピチに絞ったり、もはや自由自在。ものすご~く雑ですが・・・。これって、プロに頼むとものすごく時間とお金がかかるので、おおむね自分でカスタマイズ。だって世の中、人の服なんてそこまでマジマジと見てませんよ。未だにカスタムしたことを人に気づかれたはことありません。

ちなみに、下の写真のMA-1は安いHOUSTON製で、N-3BはCORINTH製(MADE IN USA)のもの。どちらも高校の時に買ったやつです。もう20年以上現役という驚くべき耐久性。まあ、MA-1の方はあまり着ませんが。

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破けて捨てる寸前だったMA-1をワッペン&ステンシルカスタムしたもの

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CORINTHのN-3Bにワッペン&ステンシルカスタムしたもの

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FREECITYのカーゴパンツ。ものすごく太いので内側をミシンで詰めたもの。

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こちらもFREECITYのカーゴ。死ぬほど太いのでこちらも内側を詰めました。

要は僕の大好きな散歩と同様、ファッションもまた自由なんですよね。けれど、流行物とかはマジ苦手、だって人と同じような格好をしてて何が楽しいのか不明。よくいるじゃないですか、5~6人の若者たちがみんな似たような格好して「個性!個性!」と主張しているというね(最近は減ったのかな?)。「おまいら何かのチームかよ?」と言いたいです。あっ、全く関係ないですが、しょっちゅう「先輩っ!後輩っ!」などとうるせえ集団は大嫌いなのであしからず。

なんか、このブログでもどっかに書いた記憶がありますが、そんなわけでそれぞれに色んな格好した若者の集団を見るとうれしくなりますね。

あっ、最後に、アウターで常にウォンテッド状態のディースクエアードを紹介しますね。もうコレクションは10着を超えましたが、下に紹介するタイプは2005年前後のアイテムなので、さすがに出回らなくなってきてます。ほんとかウソか、定価は20万越えとのことですが、だれが買うんだよそんなの。そのため、前述の「10分の1理論」に基づき、これらはどんなに高くても20,000円以下でゲットするのが鉄則(セオリー)です。

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最初にゲットしたN-3Bタイプの黒。正式にはセカンドタイプ。

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去年9,000円位でゲットした赤。こちらがこのタイプのファーストモデルかと。

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実は白もあるんです。こちらもセカンドタイプ。

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実は短いタイプもあるんです。

このディースクエアードというブランドは、ディーンとダンというカナダ人の兄弟がはじめたブランドなんですが、マンハッタンにあるパーソンズ・スクール・オブ・デザインで学び、カナダのトロントでキャリアを積んだ後に立ち上げたブランドとのこと。ということはイタリアのブランドではないのか。しかし、このブランドはなぜかこれ以降、ものすごくかっこわる~い悲惨なデザインへと劣化・退化していくんですね。儲けすぎてスピリットを失ってしまったのでしょうか。

ちなみに上記のファーストモデルの緑色は、キムタクさんが着てしまったのでプレミアがついてオークションで10万オーバーです。ってだれが買うの?