GIGI日記~映画とか本とか~

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本「史上最強のCEO」という最強の無料本

さてさて、都内では結構知っている人も多いはず。その名も高き無料本「史上最強のCEO」ですが、なんと頼んでもないのに勝手にポストに入ってたんです。ネットで色々調べると、「なんかマンションのポストに入ってたので、そのまま共用のゴミ箱に捨てたっ」とか「ゴミをこれ以上増やすな!」とか辛辣な意見が目立って笑えます。まあ、誇大広告なのは間違いないし、そもそもこのジェームス・スキナーさんって知らないし、ある日突然こんな本がポストに勝手に入ってれば誰だって驚きますよ。僕も少し警戒して、頼んでないしなぁ~とか宗教本かなぁ~とか多少はビビりました。

しかし、開けてみると、なにやら「社長殿、驚かれたと思いますが、無料でお配りしています」とかって書いた一枚紙が入っていたので、少し安心した次第です。で、ほんとかウソか100万部達成!とか書いてあって、後ろを見るとテンガロンハットをかぶってダサいデザインのシャツを着て縦落ち(今でも言うの?)したデニムを掃いた怪しげな外人さんがプライベートジェットの前でポーズをとっていかにも「どうよ!」と言わんばかりのリア充なお写真が掲載されていたので、少しかわいそうになって読むことにしました。そもそも読まずに捨てたり批判するのは不本意だし、本好きの僕にとって新品のしかも無料の本を捨てるなんて、それはそれはできない相談ですし。

で、3日ほど掛けて先ほどようやく読み終わりました。しかもその途中、今日のクリスマス・イブのために5回ほど買い物に出たり、ダッジオーブンでローストチキンを焼いたり、年始用のキムチを漬け込んだりしながらだったので、かなりの時間がかかってしまいました。

・・・・が、なによこれ?意外や意外、結構いい本じゃないの。巷にはたくさんのビジネス本が溢れかえっていて、そのほとんどが「自分に投資せよ」とか「人脈をフルに使え」とか「不動産を買え」とか「隙間時間は情報収集に使え」とかレバレッジとかデリバティブとかポートフォリオとかトラストファンドとかリスク・アビトラージとかわけのわからない戯れ言が書いてあるクソ本が大半なんですが、この本は意外にいいことが結構・・・という奇跡。・・・なので、捨てるのはもったいないですとだけ言っておきましょう。

確かに「もっとこの件に関して知りたければジェームスの勉強会に」とか「この内容の詳細はジェームスのウェブサイトで」とか「世界最高のメンター、ジェームス」とか、どうでもいいPRが随所で散々に繰り返されるので「もううるせ~よジェームスっ!」と言いたくもなるんですが、けど、僕がいいなと思ったのは「起業家に必要なことは、何よりもまず、すべてにNO!という精神である」ってとこなんです。

要するに起業家はあらゆるサービス、経営、物品に満足するのではなく、すべてにNO!を突きつけ、オレならもっと別のサービスを付加するのに、もっと別の経営手法を導入するよな、もっと別の機能を付けるだろ、といったように、今の現状に満足してしまってはダメで、すべからくNO!NO!NO!を突きつける人間でなければならないってことなんです。どうですか?これって要はロックンロールじゃないですか?そもそもロックとは、ここじゃない、これは違う、そうじゃねーだろ!こうあるべきだろ!というやるせなさや怒りを唄にしてステージで爆発するからこそ、観客は感動するわけでして。まあ、日本のロックは微妙に違う気もしますが・・・。

つまりは僕の解釈からするとすべての起業者はすべからくロッカーなわけですよ。そういうギラギラした精神がないと絶対に成功しないわけです。これまで僕は起業家ってよくわからなかったんですけど、この本を読んでスッと腑に落ちた気がしましたね。まあ、それ以外にも「愛だろっ、愛!」とか、永瀬正敏さんのサントリーのカクテルバーみたいなことも書いてますが、言ってることは意外にも的を射てると思います。

けれどじゃあ僕が起業家になって最強のCEOを目指すかって言うとそれはまた別の話で、ジェームスさんには悪いけど、僕は目指しません。何より「普通よりも最強を目指せ!」って言われても、そういうバイタリティがないし、どっちかというとYES!と思うことも多いし、ロックな精神ってあまり湧きません。なぜって何となくめんどくさそうだからでしょうか。だって、最後の方にジェームスさんの主催する「ビリオネア塾」の塾生になった人の声が掲載されていて、「こんな世界あり得ない!ジェームスのプライベートジェットに乗ったり、F1を観戦したり・・」とか「ジェームスの家に泊めてもらえてびっくり!」とか「海外合宿はとにかくすごい、ジェームスとダイビングしたり・・・」とかってどうなんでしょうか。

要はこの塾生のみなさんって単にジェームスと友達になりたかっただけ、もっと言うと友達がほしかっただけなんじゃないですかね。まあそういうアラは目立つ本ではあるんですが、僕的に結構好きですので、また無料でポストに入れてほしいです。あっ、今気がつきましたが、この本ってAPAホテルに置いてある元谷さん(藤誠志)の本に装丁や宣伝文句が似てますね(内容は似てません)。ファッションがダサイところも共通点です。元谷さんの本、僕は結構好きでAPAに泊まった時は読んじゃいます(買いませんが・・)。しかしスキナーって聞くと、「Xファイル」に出てくるハゲ上司のスキナーを思い出すのは僕だけでしょうか。それでは皆様、メリー・クリスマス!

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噂の無料本、勝手にポストに入ってました

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私服がダサいところもAPAの元谷さんと通じるところが・・・