評価:★★★☆☆
ガンダムNT、本当は劇場に見に行きたかったんですが、冒頭23分が無料で公開されていたり、その23分でUCと同じ程度の感動しか味わえなかったので、結局劇場はスルーしたわけですが、最近ようやく見ました!
が、これって本当に「機動戦士ガンダム」シリーズなんでしょうかね。もう、UC(ユニコーンガンダム)あたりから、おっさんの僕にはついて行けないというか。まあ、確かにガンダムは子供の頃から大好きで、ファーストからZ、ダブルZ、そして「逆襲のシャア」はもちろんのこと、0083や、最近の「オリジン」などのほか、小説版「閃光のハサウェイ」とか「ガイア・ギア」まで読破した僕にとって、やっぱり「逆襲のシャア」の続編ということもあってとてもうれしかったですし、それなりには楽しめました。
けれど、なんなんでしょうか。というか、そもそも僕のようなガンダム世代のおっさんたちは、このアニメをどう解釈したんでしょうか。はっきり言って中途半端感がものすごいんですよ。随所で作画が荒かったりとか、ストーリーもそうですし、キャラの造詣とか描写も薄くて、そして極めつけとして、いつからガンダムはモビルスーツが主役の物語になったんでしょうかね。まあ、確かに題名は「ガンダム」ではあるんですが。
一生懸命作った関係者の皆様には本当に申し訳ない限りなんですが、UCあたりからのこの戦争や争いの意味とか、それぞれの軍隊とか組織の目的っていまいち理解できないんですよね。一体、彼ら(ビスト財団、連邦、ネオ・ジオン、ルオ商会などなど)は、何が目的で、一体何がしたいんでしょうか。やりたいことや目指すべき方向とか主義主張がひじょ~に薄っぺらいし、単にキャラがだらだら説明的にしゃべってるだけなんですよ。その結果、セリフにも重みが一切ないんですわ。
そういう細かな設定やディティールを無視して、なぜか単なる兵器に過ぎないモビルスーツそのものが、エヴァみたいに意志や人格を持っているかのごとく暴走したりとかって、何よりガンダムっていう作品は、そういうエヴァ的方向や解釈とは対極にある作品だと思ってたんですがね。
UCやこのナラティブガンダムの原作は作家の福井晴敏さんという方なんですが、はっきりいってこの人に原作まかすのってもうやめた方がいいと思うんです。この人の小説は読んでないのでどんな作品を書く人なのか知らないし、もしかするとUCとかNTの原作はすごく面白いのかもしれません。が、アニメ化した作品を見る限りでは、ガンダムの世界感を思いっきり勘違いしているように感じました。
そもそもNTD(ニュータイプ・デストロイヤー)という概念って必要なんですかね。なんか、UCのリディ少尉とかアンジェロ大尉とか、このNTではもろガクトみたいなゾルタン大尉とか、劇中ず~と叫んでばかりで人格破綻したような強化人間がぞろぞろ出てくるんですが、このノリ、さすがに飽きましたね。ゾルタン大尉って、結局何が目的でいったい何がしたかったんでしょう。まあ、フル・フロンタルもですが。ダブルZのマシュマーの方が「ハマーン様命!」とかってよっぽどわかりやすかったです。勉強不足でさっぱり理解できませんでした。
が、一応主役のヨナ、リタ、ミシェルの関係や、大人になってからの顛末には僕も当然目頭が熱くもなりましたし、最後の方でジンネマン艦長やバナージがちょこっと出てきたときにはそれなりに感動もしましたが、やはりこれって本当にガンダムなの?という違和感があって・・・。
今年の冬、もうサイコ~に期待している「閃光のハサウェイ」が公開されますが、こういうUCとかNT系のノリに陥らないことを祈るばかりですね。例えば連邦のレーン・エイムとかが、アンジェロ大尉とかゾルタン大尉のように、劇中ずっと叫ぶだけのキャラには絶対にしてほしくないですハイ。
ちなみにこのブログのID「gigiandarucia」も、この「閃光のハサウェイ」のヒロイン「ギギ・アンダルシア」からとってるわけで。ところで「閃光のハサウェイ」って、ブライトの息子のハサウェイが、地球連邦軍の暴虐な支配に立ち向かうため、マフティー・ナビーユ・エリンという組織の人柱となって、ξ(クスィー)ガンダムを操り、地球で連邦政府の要人を暗殺しまくるテロリストの話です。まるでISのようなノリですが、それを今から30年も前に予見していたような富野さんってやっぱり天才です。
えっと、映画化、福井さん関係してないよね。
機動戦士ガンダムUC Blu-ray BOX Complete Edition (初回限定生産)
- 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
- 発売日: 2019/02/26
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈上〉 (角川文庫―スニーカー文庫)
- 作者: 富野由悠季,美樹本晴彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1989/02/13
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 39回
- この商品を含むブログ (54件) を見る