GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」

評価:★★★☆☆

この映画って、雑誌POPEYE「17歳からの映画案内」に載っててずっと見たかったんですが、先ほどようやく見ることができました!
ボクは、学園ものが結構好きで、これまでも古いものではジョージ・ルーカスアメリカン・グラフィティエミリオ・エステベス「ブレックファスト・クラブ」マシュー・ブロデリック「フェリスはある朝突然に」とか、最近ではレディ・バードとかWAVES/ウェイブス」とかプロジェクトXとか、色んなのを見てきました。

その中でもこの「ブックスマート」は、基本的には、学内のあんな子もこんな子も、実は色んな悩みを抱えていて、あんまり自分たちと大差ないんだ~ってことに気付かされたりとか、友情の大切さとか、友達との別れの切なさとか、まあお決まりお約束のティーンムービーなんですが、とはいえ「今を生きる」のようにシリアスで後味の悪いものでは決してなく、からっと明るく朗らかにユーモラスに描かれているのが好きですね。そして、これらの映画のほとんどは、上記のような同じテーマの焼き直しであることは言うまでもありません(「WAVES/ウェイブス」以外は。この映画はぼくは大嫌いです)。

物語としては、パーティーやバカ騒ぎには無縁で、どちらかというとマジメでお堅い二人の女の子が、必死こいて名門大学に受かったまではよかったけど、実は見下していたおバカ(だと思っていた)同級生達も、ちゃっかりと名門大学に受かっていたことを知って、私たちの青春を返せ~!!!とばかりに、呼ばれてないパーティーに押しかけドタバタ劇を繰り返す、というお話です。

ですが、最近の映画だけあって、生徒はゲイやバイっぽい生徒もたくさん出てきて性別不明のジェンダーレス、人種も白人、黒人、日系人、メキシカンなどなど多様性のるつぼと化し、さすがに今の時代を感じますね。

とはいえこの映画の最大の売り(見所)は、ボクにとっては主人公のモリーの親友のエイミーちゃんです!もうとにかくこの子がかわいすぎて、怒ったり笑ったり叫んだり、彼女の表情を見ているだけで楽しいです。ケイトリン・デヴァーちゃんという女優さんですが、もう要チェックですよ!ディカプリオの「Jエドガー」とか名作「ショート・ターム」に出ていたようですが、なんか全く気付きませんでした。

しかしよく考えると、このモリーとエイミーの掛け合いが絶妙で、わけのわからない内輪ネタの会話や、いきなり二人でダンスを踊り出したりとか、こんな二人が学園にいれば、絶対に勉強だけとかマジメな生活を送るのは不可能でしょう。まずもって周りがほっときませんよ。

ところで、ボクが強烈に違和感を感じたのは、今のジェンダーレスを象徴するかのごとく、なんと学内のトイレが男女共同なんですよ!これには正直驚きました。実際にアメリカの学校がそうなのかは知りませんが、これこそが誤った道徳、誤った平等主義ですね。

実際にアメリカではこのような中学校で、女子生徒がジェンダーの男子生徒に学内トイレでレイプされる事件が起き、教育委員会はこの事件を起こした生徒を一切とがめることなく、他の学校に転校させました。それに怒った被害者のお父さんが、学校に抗議に行ったところ、「テロリストが暴れている」と通報され、駆けつけた警察に逮捕されてしまいます。さらにこの事件には後日譚があり、転校したジェンダーの男子生徒は、転校先の学校でもまた同じレイプ事件を起こしています。

つまり、本質はジェンダー平等とか差別とかそういう話ではなく、単に生物学的に男性なのであれば男性トイレを使えばいいだけの話です。それはスポーツの世界も同様です。それを男女のトイレの区別をなくしたり、女優を俳優と書いたり、看護婦さんを看護士と書いたり、アホな言葉狩りはいい加減にやめろって事ですね。

だってぼく自身も、別にジェンダーやレズやゲイの人を差別する気はさらさらないし、それを理由に解雇したりするのはおかしいと思ってますから。そんなのは当人同士で好きにすればいいじゃないですか。ただそこに、社会や法律をもって強制的にトイレを一つにしたり、婚姻関係を認めたりするのは、やはり大きな間違いだと思いますね。

さて「ブックスマート」ですが、この映画もまたご多幸に漏れず、イケてるとされる男子や女子が、まあなんとも(ぼくの目から見ると)不細工というか、全然イケてないところでしょうか。まず、主人公のモリーが好きなニックが、はっきり言って全然イケメンじゃないところとか、大金持ち(世界の1%)のジジという令嬢もおばさん顔だし、って、なんとこの子はキャリー・フィッシャーさん(スター・ウォーズレイア姫)の娘さんかよ!。それにエイミーが恋心を寄せるライアンも単なるおばさん(のび太のお母さん)にしか見えなくて。

あと、パーティーに潜り込む二人のつなぎ姿が泥棒みたいでかわいいです。あと必見は、やはりエイミーちゃんの水着?下着?姿でプールで泳ぐシーンとか、エイミーちゃんの美形女子との絡みとか、まあボク的にはエイミーちゃん一押しですが、最後にはしっかりとウルウルさせられて、心地よいカタルシスを味わうことができました。できれば続編を作ってほしいですね。

ちなみにアメリカでは小・中・高がそれぞれ6・2・4年または5・3・4年であることが多く、それぞれ学年を1~12のグレードで表し、例えば8年生をEIGHTH GRADE(エイス・グレード)、最終年の12年生を12th GRADEと呼ぶわけですね。

そして、新学期は9月に始まるのが特徴で、卒業式が夏休み前の6月に行います。なので、この映画でも、最後にモリーが空港でエイミーを見送るのは夏休み前のシーズンだし、スタンド・バイ・ミーで描かれたあの冒険も、彼らの夏休みの話だったわけです。

さてこの映画を見終わって、ボクは猛烈にかつてブログでも紹介した「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」を見たくなり、早速もう一度見直しました(8年生(中学校の最終学年)を舞台にした映画)。これは是非セットで見ることをお勧めしますね。

なお、両方の映画で「イケてる、イケてない」ということが重要なテーマになっていますが、そもそも、ボクからすると、イケてるとされる奴らが全然イケてないし、なにより、楽しむ(遊ぶ)ということが「パーティーでバカ騒ぎすることである」という解釈自体が、なんとなく理解できません。

何より大事なのは、いやな奴や嫌いな奴と無理に仲良くしようとしたり、興味もないのに共通の話題を勉強して、必死にそのグループに付いていこうとしたりすること、それらを速攻でやめることが大切なのではないでしょうか。

そもそも友達というのは、なんとなくウマが合ったり、気付いたら一緒にいるのが普通であって、無理に作ろうとしてできるものではなく、気がつくと友達になってたケースがほとんどです。そして、モリーとエイミーもそのはずですよ。

とはいえそれは、色んな人と話をしないと分からないので、最初はなんとなく敬遠していたグループの中に、めちゃめちゃウマの合う奴がいたりする場合もあるわけですね。なのでやはり決めつけはよくありません。

いずれにせよ、小学校から高校や大学までなんて、人生においてはほんのスタート地点、なにより社会に出てからが本当の人生なので、小、中、高、あるいは大学でどんなにイケてなくても、全く何一つ気にすることはありません。

ボクも高校までは先生に殴られたり、ヤンキーにボコられたり、高校を中退したり、あらゆるグレード(GRADE)で女の子にフラれたりなどなど、ろくな思い出がありませんが、その時も、そして大人になった今も毎日が楽しくてしょうがないです。

多分それは、毎日きっちり7時間睡眠をとり、朝散歩して、仕事して、食事しているからだと思います。そして、家族でも、恋人でも、友達でも、色んな話ができる人がそばにいることも重要ですね。そういう当たり前のことを毎日繰り返すこと、それが何よりの健康の秘訣だと思います。