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映画「オリバー・ストーン オン プーチン」①

評価:★★★★★

この映画って、今まさにこのウクライナ騒動が起きている今この時に大勢の方に見てほしいです。ボクはここ最近ずっと、このウクライナ騒動はアメリカのネオコンが仕掛けた謀略にすぎず、この戦いはプーチンネオコン、もっと言えばプーチンとグローバリストどもとの戦いであると主張してきました。

そられの情報源は及川さんYoutube田中宇さんのメルマガ、それに元ウクライナ大使の馬淵睦夫さんの書籍、さらに丸谷元人さんらや堤未果さんの発信するニュースを総合的に判断してのものでした。が、その全てが間違っていなかったということが、このオリバー・ストーン オン プーチンというドキュメンタリー映画をみることで確信に変わりました。

まずこの映画は、筋金入りの左翼映画監督(現在のサヨクとは全然違います)であり、アメリカの誇る巨匠のオリバー・ストーン監督が、2015~2017年にかけて、何度もプーチン大統領にインタビューした膨大な映像を元に、テレビ番組として4時間(1時間×4回の番組)にまとめたものなんです。それはもう、とんでもなく貴重な映像ですよ。

今、CNN等のニュースを何の検証も裏取りもなしにそのまま垂れ流す日本のアホで幼稚なマスメディアの関係者全員が直ちに見るべきだぞコラッ!・・・と叫びたいほどに、もうものすごい良質なドキュメンタリーです。

まず、これを見れば、プーチン大統領が大統領に指名されてから2015年まで、どのような思いでロシア国民のために歩んできたのかがよく分かります。また彼が、ソビエト連邦や、その長であったゴルバチョフエリツィンへの見解、2003年のオリガルヒの追放とカラー革命、ウクライナ紛争、アメリカのアフガニスタンイラクへの侵攻、その後のNATOの東方拡大、2007年のミュンヘン発言、そして2015年のミンスク合意まで(これから見るのでまだ分かりません)、それらのほとんどすべての出来事が、本人の口から正直に述べられています。

何より圧倒されるのは、ロシアの大統領である筋金入りの権力者のプーチンに対し、一切の忖度も媚びもなく、答えにくい質問を矢継ぎ早にしかしユーモアたっぷりに発していくオリバー・ストーン監督の弁舌に度肝を抜かれます。この人はやはり本物ですね、すごい人です。そしてオリバー・ストーンがインタビューの最中に常に持ち歩いているノートや黄色のリーガルパットにはびっしりとメモが書き込まれ、インタビュアーとして猛烈に下準備をしているのがよく分かります。←アホなマスコミ関係者、ここ重要!

あと、通訳の青年がいい味を出してます。彼がロシアのスタッフなのかそれともオリバー・ストーンが雇った通訳なのかは知りませんが、なんとなくホワ~ンとした青年で、オリバー・ストーンプーチンの掛け合いがヒートアップした時も、ホワ~ンな彼が間に入ることで、絶妙な柔らかさとバランスを保ちつつ、緊張が和らいでいるように感じました。非常に素晴らしい通訳さんでした。彼はとにかく必見です。

が、何よりすごいのは、やはりプーチン大統領の受け答えでしょう。

プーチン大統領はものすごく知的で機知に富み、洞察力に長け、説明上手で、これはやはり大国ソビエト民主化し、GDPを飛躍的に向上させ、20年近く権力の座にいる男、・・・というより、国民からそれだけ信頼と支持を受けた男だからこその言葉だと感じました。

彼の受け答えをみていると、我が国の首相や国会議員たちがいかに幼稚で私利私欲のために政治ごっこをやっているのかがよく分かります。たとえば、セクシー発言のバカ議員の小泉息子とか。

ちなみにこのドキュメンタリーは4時間もあるので、実はまだ半分しか見ていませんが、この映画を見ると、日本の(というか世界の)メディアが垂れ流しているプーチン大統領が無抵抗で幼気(いたいけ)で何にも悪いことしてないウクライナちゃんを侵略した。とんでもない悪の権化。悪の大魔王プーチンくん、みんなでハブにしてやる」などという報道がウソ八百のプロパガンダないし西側の情報戦術なのが非常によく分かります。

そもそも、こんなに頭がよくて、20年先を見据え、国益を第一に考え、なにより対話を大切にするプーチン大統領が、無条件に領土拡張主義で近視眼的にウクライナを侵攻することなんてありえませんね、どう考えても。

なお、この映画の前半2時間でプーチン大統領が主張しているのはおおむね以下の通りです。

【経済】
ソ連邦の崩壊に伴い大金持ちになったオリガルヒには全員と話をしてロシアの方針に納得してもらったこと(※実際に円卓で100人近くの新興財閥と協議を行っています。こいつらがオリガルヒ=新興財閥でしょう)。
②民営化も外資に乗っ取られないよう(国民に利益が還元されるよう)細心の注意を払ったこと。
③ロシアは民主主義の国家で全て法に則って方針を決定していること。
④連邦準備金も節約を重ね3800億ドルまで増やしたこと。
【外交】
アメリカの覇権国家構想には賛同できないこと。
②そもそもソ連邦という脅威がなくなったので、NATOの存在意義が理解できないこと。
アメリカが未だにロシアを仮想敵国としているが、ロシア側はいつでも対話の準備があるし、その打診もしているが、一向に受け入れられないこと。
アメリカが2002年にABM条約※を脱退したのはまちがいだったこと。
⑤2003年のウクライナでのオレンジ革命も、2014年のドンバス紛争もすべて、アメリカのネオコン(CIA)等の工作により、ロシアを弱体化するために仕掛けられたものであること。
アメリカがロシアの10倍の軍事費を投じて外国に介入しようとするのはナンセンスであること。それよりも今後のあるべき世界を考える方がよほど建設的であること。
⑦常にロシアを敵視する勢力があるのは分かっているが、それでも徹底して対話をしていくことが重要であること。
【内政(の一部)】
①いかなる性差別もロシアには存在しないこと。18歳の成人を迎えた後は、どのように生きるかは全て個人の自由であり、いかなる性的少数者 (セクシャルマイノリティ) への差別は法的に存在しないこと。
共産主義を排除し民主化したことで、人々の要望を受け、ロシア正教を復興させたこと。

※ABM条約とは、「戦略弾道ミサイルを迎撃するミサイル・システムの開発、配備を厳しく制限するもの。このABM条約は、いわば双方の「楯」を制限し、防御態勢を敢えて脆弱なものに保つことにより核攻撃を相互に抑止しようとする軍縮の考え方。2002年、ブッシュ大統領(つまりネオコン)はミサイル防衛の推進を意図し、ABM条約から脱退した。

それ以外にも、現在ロシアに亡命中のスノーデンについても見解を述べており、「彼は大変勇気のある人物だが、やはり彼のやったことは間違っている。彼はただ辞職すればよかったはずだ。ただし、彼はアメリカ国民の不利益になるような罪は犯していない。なのでロシアはそのような青年が助けを求めてくれば、それを拒否する国家ではない。」と言ってます。

どうでしょうか、これが悪魔の大王の本音ですよ。今のメディアの喧伝する内容と一体どちらが真実だと思いますか?一方、ネオコンの操り人形であるバイデン政権の本音はどうでしょうか。以下に並べてみましょう。

【バイデン政権(ネオコン=グローバリストの思惑)】
①ここでプーチンを失脚させ、ロシアの天然資源を押さえれば、我々グローバリスト(ネオコン)は永遠に安泰だ。すでにイラクは我々が押さえたからな。あれはブッシュ息子がとてもよくやってくれた(騙されてくれた)。
アメリカ国民?ロシア国民?そんな奴ら、というよりそもそも国民なんてどうでもいい。我々エスタブリッシュメントが儲かればいいのさ。我々のような国際金融資本家たちが、野こそぎあらゆる国に(我々の手足である)外資を入れ、そこから富を奪ってやる。
③とくに日本の小泉パパはよくやってくれた。郵政を民営化し、その莫大な貯金を我々に開放してくれた。特に構造改革という言葉がよかった。これでアホな日本人はほとんど騙されてくれた。構造改革というのは伝統の破壊だ。伝統というのは我々の敵だ。なぜなら金儲けの障害になるからだ。どんどん民営化してくれないと、そこに外資が介入することができない。今後はあらゆる部門の民営化(外国への売り渡し)を推進すべきだ。また最近では河野もワクチンを大量に買ってくれたので、われわれの懐が暖まった。
④また中国(ファウチ)もよくやってくれた。世界の先進国がロックダウン政策をとってくれたおかげで、企業の株価が下がり、我々がより買収しやすくなった。
⑤しかしあのトランプはとにかくやっかいだった。我々の目的達成の最大の障壁になりかねないところだった。その点、バイデンは素晴らしい。南からどんどん不法移民を無条件で受け入れてくれている。こうやって少しずつ国境を取り払えれば最高だ。
⑥世界でもっとドンパチ紛争をやってくれないとな、そうしないと武器が売れなくて困る。どんどん内政干渉し、民主化の名の下で混乱を起こせば、放っといても武器が売れるからな。例えば、エジプト、リビア、シリア、イラク、イエメンなんかがそうだ。

・・・・まあ、腹黒い彼らのごく一部の本音ですが、おそらく当たらずも遠からずだと思います。こういう奴らが、今猛烈にプーチン叩きをしているわけですが、ボクはプーチン大統領こそグローバリストへ対抗する最後の砦だと思ってます。なぜなら同じこのネオコンとの戦いに、残念ながら2020年、トランプ大統領は敗れてしまったわけですから。ですが少しずつ、トランプ大統領はまた復活のための戦いを開始していますので、まだどうなるかは分かりません。そして今、彼と同じことを今度はプーチン大統領がやっているんですね。プーチン大統領はつまり、「あらたなる希望」なんですね。

とにかく、このドキュメンタリーをどこかの心あるメディア関係者の誰か、24時間ずっとエンドレスで流していただけますでしょうか。そうすれば世界はきっと変わるはずです。

なお、ドキュメンタリー全般にわたり、オリバー・ストーン監督は、政府の執務室、どこかの庭、カフェ、アイスホッケー場、柔道の稽古場、プール、車の助手席、大統領官邸などなど、ありとあらゆるところでプーチン大統領にインタビューを試みます。

当然、ロシア側の配慮あってのことだとは思いますが、景色が非常に美しく、そして時折見せるプーチン大統領のユーモアと笑顔が非常に印象的でした。

とにかく、この映画を見れば、プーチン大統領が非常に謙虚で、国益や国民を第一に考え、非常に勤勉で優れた指導者であることがよく理解できます。まちがってもバイデン政権をはじめとする民主党ネオコンやグローバリストのように、私利私欲のために政治を利用するような人ではありません。

ところで、最近、ヤフーの記事でプーチンNATOに入りたかったのに断られたのでこの戦争を起こした」などというとんでもないトンチンカンな記事を目にしました。こういうアホが記事を書いてヤフーのトップページに載るほどにこの国のジャーナリズムは地に落ちたということですね。ということはおそらくテレビも新聞も全てそういうレベルと思わずにはいられません。

あのね、こういうアホな輩にもう一度教えてあげますが、NATOというのは「対ソ連邦」の同盟ですので、そこにロシアが入ることはあり得ません。が、それをジョークとしてプーチンクリントンに提案したのは事実です。まあ、クリントンはただ苦笑いするだけでしたが。

さてさて、メディアの関係者がこの記事を読むことはまずないと思いますが、ジャーナリズムとは、まずは疑うことからはじまるものであるはずです。一方だけを切り取って、それを何の精査もせず、単にオウム返しのように伝えるだけならそれはプロパガンダにすぎません。

メディア関係者は今からでも遅くないので、とにかくいい加減な記事を書くのをやめて、このドキュメンタリーをすぐに見るべきだと思います。そして黄色のリーガルパットにメモを取ることをお勧めします。ここに今回のウクライナ騒動の真相があります。4時間、あなたは目から鱗の衝撃を体験するでしょう。