GIGI日記~映画とか本とか~

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本「ひとりも死なせへん」

この国の官僚、政治家、役人、医師会、医療従事者、メディア関係者は絶対に読むべき一冊です。何なら全国民に配るべきですね。

この本を読むことで、過去1年6ヵ月に渡るこの国の迷走、嘘、欺瞞、怠惰、奢り、不条理、不合理の中で、兵庫県尼崎の開業医である長尾和宏先生が、いかにコロナに、そしてコロナ陽性の(保健所から無視された)患者に、日々の在宅診療を一切休むことなくプラスアルファで戦ってきたか(戦っているか)が、圧倒的臨場感をもって理解することができます。

ボクはこの本を読んで、この国を牛耳る政治家やメディアに痛烈にやり場のない怒りを感じましたが、そんな怒りすら忘れさせるほどに、この長尾和宏先生という方の素晴らしさ、生き方のすさまじさ、そして背負っている信念、その熱量や想いに完膚なきまでに叩きのめされた次第です。

だっていいですか、コロナ患者も在宅患者も認知症の高齢者も看取りも全てひっくるめて、長尾先生はその全員にケータイの番号を教えて24時間対応ですよ。しかも25年間!こんなことが果たしてあなたにできますか?

ボクもそれなりにいっちょ前に忙しいとかって思ってましたが、どこがだよ!長尾先生に比べればもうヒマそのもの。長尾先生はきっとプライベートなんて皆無です。だって夜中の2時、4時、6時に電話がかかってくるわけですし。

長尾先生の素顔はニコニコ動画「コロナチャンネル」でも拝見できますが、説明が非常に明快でわかりやすく、笑顔が素晴らしく、そしてカラオケも上手で、見ていてこういう先生ならきっと何でも任せられるし、この先生に言われたらきっと自分は素直にいうことを聞くだろうって思いましたね。

長尾先生は、なんというか、とてつもない包容力のある方で、言ってみればキングダムの信みたいな感じかな。なんとも不思議な包容力で、きっとそれは、先生の話し方とか接し方の節々に、人間に対する本物の愛を感じるからなのかもしれません。

つまり、自分の地位とか利権だけに熱心な河野とか小泉とかの似非政治家たちとは対局に位置する人間、それがこの長尾先生なわけです。ほぼ全ての政治家が、自分を特権階級のように勘違いして、もう端っから国民を小馬鹿にしていて、国民のことなんてこれぽっちも考えてないわけです。

それは結局、長尾先生とは対局のスタンスなわけで、政治家の先生たちは全て(マスコミも)、地位、利権、保身、そして金のためですよ。そしてその裏付けとして一連のコロナ対策があるわけです。たとえば、

①ダイアモンド・プリンセス号における初動の誤り
⇒軽傷者を船内に閉じ込め、陽性者を外に出したものだから、船内で無症状者からの感染が広がり陽性者が急増。長尾先生は当初から軽傷者を早期に船から降ろし、自宅療養にすべきで、陽性者のみを船内で治療することを主張していました。が、その政策が誤っていたとは今更言えないわけです。

②緊急事態宣言の無意味さ
⇒はっきり言って歓楽業や観光業に大打撃を与えただけで、ほとんど何の効果もなかったことが明らかになりつつあります。ですが、これも今更無意味だったとは絶対に言えないでしょう。東京都はこれによって確か100億円ほど使い果たしたはずです。

③1,500人程度の死者(本当は2万人以上)とワクチンとの因果関係はほぼゼロと未だに言い張る傲慢さ。
⇒だって、河野が悪者になってしまうので、意地でもそれは言えません。が、普通に考えて因果関係があるに決まってます。

④意地でも感染症2類から5類に下げない頑迷さ。
⇒コロナの治療は町医者には無理、保健所に勤める優秀な感染症の専門家でないとできないなどと息を巻いた挙げ句に、保健所はピーク時には1日に100回電話してもつながらず、つながっても「長尾クリニックに行け!」などと丸投げ状態。保健所の傲慢ぶりや、専門家や大病院の町医者に対する上から目線の構造が根底にあったわけです。

⑤イベルメクチンをひたすら無視し続ける強情っぷり
⇒イベルメクチンを認めると、治験の乏しいワクチンを許可する条件、つまり「ほかに有効な手段がない場合に限る」という緊急使用の条件を満たさなくなるので、今更有効だったとは言えないわけです。

とまあ、ほかにも「言えない、言えない」が色々ありますが、こういうことが現在の我が国のコロナに対するスタンスなわけです。結局全ては「今更無意味だったとは言えない」というように、政治家や官僚や医師会が責任を問われたくないため、そしてそれにより現在の立場や地位を失いたくないだけ、ただそれだけのためのコロナ対策なんですね。まあそんなくだらない理由で、この4月以降、通算例年よりも4万人ほど多く亡くなっているわけですが・・・。

なぜ国は、大勢のコロナ陽性患者に対して最前線で診療にあたり、適切な処置により早期治療に努め、重病化を防ぐ取り組みをかれこれ1年6ヵ月に渡り続けている長尾先生の話を聞かない(ガン無視)のでしょうか?

そしてなぜ、全くコロナに対する処置や治療の実績のない、はるか雲の上のお偉方(日本医師会会長とか専門家とか学者)の声ばかりに耳を傾けるのでしょうか?

ボクはこの本を読んでいる最中、あまりにも過酷な長尾先生の毎日に何度も泣きそうになりました。長尾先生にはプライベートな時間なんてほぼ皆無ですし、ピーク時はほとんど睡眠も取っていないはずです。一方で国は、こういう立派で誠実な本物の医者を苦しめる政策ばかりを打ち出す始末で、むしろ「害」や「足かせ」にすらなっているんですね。これが国のやることでしょうか。

一日にコロナ患者ばかりでなく、何件も在宅診療に回り、かつその合間に看取りの連絡が一日に4件入ったりするわけです。そんな中、すき家で食事したりと、はっきり言ってボクはコロナ患者よりも長尾先生の体の方が心配でなりません(すき家はウマいですが)。

なのに、こんな立派な先生を誹謗・中傷したり、悪質な電話や書き込みをするクズがたくさんいるわけです。こういう奴らはもう日本から出て行ってほしいです。中には同じ医者で「患者を取られた」などと中傷するアホな医者もいるようですね。あのね、別に長尾先生が患者を取ったんじゃなくて、オマエの性格とか医者としての腕が悪いだけでしょ、と言っておきましょう。そしてついでにあともう一つ、強調しておきましょう。

全ての為政者(政治家、官僚、メディア関係者)は、この本を熟読し、最前線でコロナに立ち向かっている本当の医者の姿を直視せよ!

この本はできれば第二次大戦末期のように、ヘリコプターで大量に地上にまけばいいと思います。あるいは現在国会で議論している一律10万円給付などというアホで無意味な政策はやめて、国民全員にこの本を配布しろ!と言っておきましょう。

はいっ。いつも「忙しい!忙しい!」と騒いでる(誰も望まないのに)テレワークから復活してしまったそこのヒマなおっさん!この本を読んで本当の忙しさを知りましょうね。