GIGI日記~映画とか本とか~

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本『「脱炭素」は嘘だらけ』

さてさて、昨日から大阪に出張で、先ほどようやく帰還しました。先週に続き、2週連続で土・日が吹っ飛びましたね。そして、驚いたのは、何の影響なのか、新幹線が意外にも結構空いてました。これはもしや「緊急事態宣言という茶番劇」の影響なんでしょうか。だとすれば、日本人とはなんと御しやすい国民なんでしょうか。

これほど致死率が低く、20歳未満では一人も、60歳未満でさえ400人程度しか亡くなっていないウイルスなんかのために、外出・観光・旅行を自粛し、自らの自由を放棄しても平気な国民。そして、完璧にテレビ・同調圧力・お上に弱い民族、それが日本人だったということですね。ちなみに正真正銘のコロナによる死者数はおそらく1,000人程度であることがわかってきてますが、昨年からのこの日本の迷走劇が、実はとんでもない愚策であったことは、いずれ歴史が証明することになりそうですね。

まあ同じようなことが、現在世界中でトレンドとなっている「気候変動」のお祭り騒ぎにも言えます。が、そういう誤った事実を指摘し、その危険性に警鐘を鳴らしているのが、この杉山大さんという方の書かれた素晴らしい名著『「脱炭素」は嘘だらけ』になります。この方はキャノングローバル戦略研究所の方で、あのプリンターとかのキャノンかどうかわかりませんが、今、環境の分野で最も信頼できる情報を発信されている勇気のある方です。

この本って、環境関係の仕事に就いている人環境省とか林野庁の役人大嫌いな小泉のアホ息子とか、それに、間違った正義のグレタ・トウェンベリちゃんとか、とにかく、幅広く色んな方に読んでほしいですね。学校の教科書にしてもいいと思います。航空機で空中からバラまいてもいいかもしれません。そのぐらいの名著です。

環境問題に関しては、現時点で最先端、最高峰の情報が根拠を示しながら丁寧に解説されてます。さらっと読みましたが、ボクは以前、デンマークの経済学者であるビョルン・ロンボルグさんの本も読んでいたので、3分の1ぐらいは知っている情報でした。

以降に、この杉山さんの本のポイントを示しますが、興味がある方はとにかく買って、一家に一冊、座右の書として据え置いてもらいたいと思いますね。

①気候変動など起こっていない。
②行き過ぎた脱炭素(CO2削減)対策は国内産業を疲弊・弱体化させるだけ。
③脱炭素・再生可能エネルギーの導入は中国を肥らせるだけ。

基本的には以上の内容が、詳細なデータや論拠に基づき示されていて、特にこのような流れが日本の政治・経済・社会に与える影響を事細かく分析し、警鐘を鳴らしています。そこがとにかく素晴らしい。

・特に、気候変動なんか1ミリも起こっていない件はボクはすでにビョルン・ロンボルグさんの本を読んでいたので、ほとんど知っていました。そもそも、日本だけを見ても、1970年代に社会的な環境問題であった大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭などは、現在ではほとんど解決されています。これは世界でも同じで、本当の環境問題は、すでに年々改善されているのが事実なんです。

・まあそうなると困るのは、環境問題に食いついて巣くってきた人たちで、問題がなくなると困る(食い扶持がなくなる)ので、「気候変動」が起きていると騒ぎ立て、それをうまく自分たちの利権にしているわけですね。

・そしてそれが世界の潮流になってしまって、IPCCを筆頭に日本の環境省までもがデータを改ざん、歪曲して色んな報告書や白書なんかを発表するわけですが、それをマスコミも面白がって世界中で異常気象が増えているような報道をするわけです。そうやって恐怖を煽ることが、何より視聴率がとれるわけで、今のコロナ騒ぎと同じ手法なんですね。

・例えば異常気象については、特定の期間のデータだけをおもむろに抽出して、さも台風や豪雨が増えているような印象操作をするわけですが、その期間の前後をみると実はほとんど増えていないのが事実(ファクト)だったりするんです。ちなみにその件は、気象庁のデータを見るとよくわかります。

・もう一つ、「豪雨や洪水等による保険支払額が年々上昇している」などという報道も良く耳にしますが、それは先般の熱海の悲劇のように、本来人が住んではいけない不安定かつ危険な地域まで、宅地造成して人が住めるようにしてしまったからなんですね。

・では、近年の気温上昇は何が原因なのかというと、単なる「都市化」つまりは「ヒートアイランド現象」なんです。なぜなら、郊外では平均気温の上昇はさほど起きていないからなんです。産業革命から現在まで、世界の平均気温はおよそ0.9℃ほど上昇したと言われていますが、実は東京の気温は(都市化で)3℃も上昇しています。が、3℃も上がったのに東京は人が住めないほど壊滅的な被害を受けているでしょうか。むしろ逆で、人口は増える一方で繁栄の謳歌を享受しているではありませんか。

・なので今後70年たって、仮に地球の気温が2.5℃上昇しようが、別に人々への影響なんてほとんどないってことなんですね。だって、すでに東京で経験済なわけですから。従って、大気中にたった0.03%しか含まれないCO2が多少増えようが、そんなものは放っておけばいいし、しかもこのCO2が気温上場の原因であるかどうかさえ、今の科学レベルではほとんどわかっていません。

・じゃあ誰がこのCO2悪玉説を仕組んだのか、それはまだよくわかりませんが、それで得をする投資家とか、環境問題に巣くって食い扶持を得ていた左翼連中、さらに、自然再生エネルギーが推進されることで、その原料調達から生産、製造までの大部分を自国で賄える「中国」が最も得をすることは間違いありません。中国はレアアースの宝庫ですし、規制が緩く劣悪な環境でも強制労働によって生産が可能なので(新疆ウイグル自治区などが生産を担ってます)、コストを大幅に抑えて市場を独占することができるわけですから。

一方で、CO2が増えて気温が上がること自体は、寒冷化するよりも便益の方が大きいことはあまり知られていません。まず、CO2が増えた方が、作物の生育は圧倒的によくなりますので、それだけ収穫量の向上に繋がりますし、暑さで亡くなる人よりも寒さで亡くなる人の方が何倍も多いので、極地の気温が上がれば、寒さで亡くなる人の数は圧倒的に減るはずです。それに西暦ベースで見ても、人類は寒冷期ではなく温暖期にこそ繁栄し栄華を極めていることは、歴史が証明しています

・従って、今、我が国がすべきことは、今後も化石燃料の消費を抑えること(脱酸素)なんかじゃなくて、火力発電等の技術をもって開発途上国へ技術支援することで連携を強化し、開発途上国が中国に依存していく構造にくさびを打つことなんです。

・もう一つは、自然再生エネルギーの大量導入や水素エネルギーの開発なんかの巨万の富のかかる贅沢な政策を縮小することなんです。そんなお金があるなら、荒廃した国内の森林管理を強化し、木材(国産材)の有効利用の道を探ることや、鳥獣害等の被害対策をすることであって、わけのわからない多額の費用のかかる(実現に100年はかかるレベルの)政策にホイホイと金を出して無駄遣いすることではないんです。

以上、ボクの怒りを込めてダラダラと書き綴りましたが、とにかくこの本は、一刻も早く小泉のアホとか、環境省の役人、あとはこの分野の研究者が読んで勉強して、さっさと国策を修正していくべきなんですが、きっと無理でしょうね。

コロナ対策も相変わらず日本の経済を破し尽くす方向で突き進んでいますので、きっと第二次世界大戦後のように、政治・経済・社会が壊状態になってはじめて過ちに気づくんでしょう。ですが、今我が国では、こういう誤った方向に突き進むことをいさめる議員、役人、専門家が一人もいないということが何よりも致命的だと思ってます。

所詮は、こういう人たちって結局自分のことばかりで、国のことなんて何も考えてないですからね。一番いいのは、国会議員の給料を一律400万にすればいいんです。そうすれば、本当に国のために働きたい人が議員に立候補しますので。何が、地盤、カバン、看板だよ、ふざけんな!と叫びたいです。

そんな中で、杉山さんのような勇気ある本物の学者、研究者がいることにボクは感動すら憶えました。今後、もっと追従する学者さんが出てくることを祈るばかりですね。

いずれにせよ、この本と、ビョルン・ロンボルグさんの「地球と一緒に頭も冷やせ」、それに近年バカ売れしたハンス・ロスリングさんの「ファクトフルネス」の3冊を読めば、少しは間違いだらけ、大ウソだらけの環境プロパガンダから脱却できると思います。