GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「ナチス、ホロコースト、レジスタンスもの」

ハローはてなブログ!さてさて、ブログの更新がなんと1ヵ月も空いてしまいました。この1ヵ月は月日の経つのが本当に早くて、今ブログを開いて驚きました。えっ、もうそんなに経っちゃったの?という感じ。なぜなんでしょう。コロナで週のうち半分がテレワークになったからでしょうか。毎日せっせと資料作りに励み、家にいる時間はあっという間に過ぎて、なんとなく単調な毎日を延々と繰り返していました。この先、コロナ情勢は全く不透明ですが、今年のはじめにオープンした飲み屋さんとか、もう本当にかわいそうです。なぜよりによってこの時期に、という。あまりにも不運でかわいそすぎますが、どうにかがんばって持ちこたえてほしいです。

しかし、何の強制力もない国の緊急事態宣言なんかに大部分の企業が素直に従って、あれほど朝の駅がガラガラだったのに、いざ宣言が解除されるやいなやこの混み具合って。なんか日本人って、お上の言うことには本当に弱いですよね。太平洋戦争前夜、国民総出で戦争に突っ走った理由がよくわかりました。太平洋戦争(第二次世界大戦)は、とかく東条英機ら陸軍の暴走が発端などと言われますが、それを熱狂的に支持したのもまた国民ではないですか。その後、東条英機らは東京裁判で裁かれ、A級戦犯などと勝手に悪者にされてしまいましたが、これって敗戦国となったドイツがホロコーストなどの蛮行をすべてナチスヒトラーのせいにしたのと似てますよね。民主主義である以上、そこから生まれた政権はすべからく国民の大多数の支持を得ていたことを忘れてるんでしょうか。

もう一つ決定的なのは、人間が理性的には絶対しないことを、国や軍の命令であればあっけなく実行してしまう、という人間心理でしょう。でなければ戦争なんて絶対にできません。ましてや民間人の大量虐殺なんて。

今回のコロナ騒動の影響でしょうか、僕はそういう国の大義を掲げて世界中が戦火に包まれてしまった第二次世界大戦(WORLD WAR Ⅱ)に非常に興味が沸き、ここ最近はそんな映画ばかり見てました。国と国民の心理というか、大本営発表と、それを何の疑いも抱かずに鵜呑みにする国民と言いますか。

その中でも特に、ナチスドイツによるオーストリアチェコスロバキアの併合とポーランドへの侵攻、そして、フランス、デンマークハンガリー、オランダ、ノルウェーなど、ヨーロッパの主要国を占領するに至るまで、その一連の歴史の流れをきちんと理解したかったんです。そして何より僕は、ナチスに国土を蹂躙された被占領国側の視点、つまり、レジスタンスとしてナチスに戦いを挑んだ戦士たち、そういう人々を描いた映画に心引かれるんですよね。

まあ、そんな理由から、ドイツとの戦争や、ナチスホロコースト、そして各国のレジスタンスを描いた苦行映画(娯楽映画とは対極の映画)をいくつか見ましたので以降でさらっと紹介します。

【ドイツ対他国モノ】
スターリングラード(※ジュード・ロウでないやつ)(評価:★★☆☆☆)
②ブレスト要塞大攻防戦(評価:★★★☆☆)
ホロコースト・モノ】
③灰の記憶(評価:★★★★☆)
ワルシャワ・ゲットー(評価:★★★☆☆)
SHOAH ショア(評価:★★☆☆☆)
レジスタンス・モノ】
ナチスが最も恐れた男(評価:★★★★★)
ディファイアンス(評価:★★★★☆)

細かな解説は以降のブログに記載しますので、まずは触り程度に一口コメントを。

まずは「①スターリングラードですが、ドイツがソ連に侵攻した様子を、ドイツ兵の視点から描いてますが、とにかくもう寒くて悲惨です。無理ばかり押しつける上官がいかにもクソ野郎のナチ野郎です。まあ、どの戦争でも、一番悲惨なのが末端の兵士たちや民間人であることがよくわかる映画です。

次に「②ブレスト要塞大攻防戦」ですが、こちらはドイツと戦ったソ連側の視点で描かれます。ドイツのポーランド侵攻はある意味電撃的で、誰も予想していなかったんですが、そんな平和ぼけしたブレスト要塞にある日突然ドイツ兵が奇襲を仕掛け、そこに暮らす軍人やその家族がもう大パニックに陥るという話で、①と対で見ると双方の視点や苦悩がよくわかります。

さて世界最強最高峰の苦行映画「③灰の記憶」ですが、これは絶滅収容所で同胞であるユダヤ人の遺体処理等の仕事させられたゾンダーコマンドと呼ばれるユダヤ人のグループ(部隊)を描いた作品で、もう見るとしばらく頭から離れない絶望と衝撃と畏怖。見るには勇気が必要です。ゾンダーコマンドって、ともすると少しかっこいい呼称ですらありますが、とんでもなく悲惨で過酷なだけの仕事で、しかもその仕事に就いたって、たった2~4ヵ月間だけ処刑を免れるだけという。もはや絶望しかないですよ。

続いて「④ワルシャワ・ゲットー」ですが、これは当時、ポーランドワルシャワに作られたゲットーを舞台にした映画で、ユダヤ人のゲットーでの暮らしぶりを描いているんです。ただ、その当時はアウシュビッツ(ビルケナウ)やトレブリンカなどの絶滅収容所で行われてた大量虐殺については、ゲットーの人々はウワサ程度で誰も信じていなかったんです。なので、ゲットーでの暮らしにみんな不平不満を言うんですが、それでも絶滅収容所に比べれば(殺されないだけ)遙かにましなわけで、その辺の情報統制の怖さとか、信じたくないことは信じない、という人間の心理がよく理解できます。まずい、長くなってきましたので以降は駆け足で。

続いて「⑤SHOAH ショアなんですが、フランスのクロード・ランズマン監督の歴史的な負の芸術作品として有名で、なんと9時間27分もあるんです!ってもう、「ゴッドファーザー」や「スター・ウォーズ」並みの長さですよ。で、ものすごく期待してみたんですが、要はかつての収容所の跡地に出かけていって、そこでの収容所の残骸や廃墟の映像に、収容所を生き延びた人々のインタビューを延々とただひたすらかぶせるだけという作品で、僕的にはかなりビミョ~でしたね。途中、もううるせ~!と叫びたくなりましたですハイ。しかもブルーレイのクロード・ランズマン決定版BOXまで買っちゃって(高い!)、あのぅ~、そのぅ~、えっと、返品したいんですけど・・・。ちなみに「SHOAH ショア」とは大量虐殺(ホロコースト:ドイツ読み)のフランス語読みです。

そして「⑥ナチスが最も恐れた男」「⑦ディファイアンスは、どちらも対ナチのレジスタンスの英雄を描いた作品なんですが、どちらも最高です。前者はノルウェーレジスタンスの英雄マックス・マヌスを、そして後者はユダヤ人のレジスタンスの英雄ビエルスキ兄弟を描いてますが、そこいら中がナチだらけの中で、果敢にナチスに挑んだその雄志がとにかくかっこいい!ましてや、③~⑤のホロコーストものを見た後ではなおさらです。ただナチスが最も恐れた男」という邦題だけは勘弁してください。なんで「最も恐れた」と言い切れるのかわかりませんし。ちなみに、「⑦ディファイアンスDefiance」とは「果敢な抵抗」という意味だそうです。

まあこの2本は、以前紹介した、デンマークレジスタンスのフラメンとその相棒のシトロンを描いた「誰がため」に通じる面白さなので、改めてブログで紹介記事を書きたいと思いますね。それでは皆様よい週末を。

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