GIGI日記~映画とか本とか~

映画、本、料理、植物、ときどきファッション

MENU

映画「2020年ゴールデンウィークに見た映画①」

さてさてこのゴールデンウィークも終盤が近づいてきましたね。悲しい限りです。しかし、今年はコロナ騒ぎがあった影響で、久しぶりに級友と会ったりする時間が全く取れなかったのがいつものゴールデンと違うとこ。

ただ僕としては、別にこの時期に旅行や里帰りをするわけでもないので、いつもと違うのはその程度であって、あとは料理や洗濯や掃除のほか、猫を健康診断に連れて行ったり、庭いじりしたり、本を読んだり映画を見たりマンガを読んだりで、はっきり言って全く時間が足りませんでした。なので「ヒマでしょうがない」とか「退屈すぎて死にそう~」などと騒いでる人たちの気持ちが全く理解できません。

とまあ、そんな忙しい中、以下のラインナップで映画を見ました。一部アニメも入ってます。

①トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男(評価:★★★☆☆)
②ハウス・ジャック・ビルト(評価:★☆☆☆☆)
ヒトラー暗殺、13分の誤算(評価:★★★★☆)
ライ麦畑の反逆児(評価:★★★☆☆)
⑤天気の子(評価:★★★★★)
シングルマン(評価:★★☆☆☆)

まずは「①トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男」ですが、これは意外にもよかったです。食わず嫌いで敬遠してましたが、このダルトン・トランボって人は全く知りませんでした。それどころかハリウッド・テンとかいう用語も。

このトランボって人は、今でこそハリウッドでは伝説的な脚本家ですが、時は1950年代、その売り出し当時はアメリ共産党に属していたばかりに、マッカーシズムで名高い赤狩り旋風に巻き込まれ、その影響で実名では脚本を発表できなくなってしまうんですね。で、そんな彼が一体どういう形でハリウッドに逆襲を仕掛けたのかということが、この映画で史実に沿って描かれているわけです。

そもそも当時のハリウッドはリベラルで進歩的な人間が多く、資本主義に搾取される労働者を憂いた文化人が非常に多かったわけですが、僕は仲間の名前を密告というか証言したことで長く不遇の時代が続いたエデンの東を作ったエリア・カザン監督ぐらいしか知りませんでした。

一方でトランボは、密告とは別の形で反逆を開始するわけです。そこがすこぶるかっこいいし痛快なんですね。仲間の数人が離脱していく一方で、脚本をB級映画の制作会社に持ち込み、通常の10分の1位のギャラで請け負って、B級以上の作品へと変貌させていくんです。

この映画を見ていると、自由の国アメリカとか言っても、結局なんにも自由でないことがよくわかるんですね。その当時、少しでも「労働者の権利」とか「労働者に公平な賃金を」などと言おうものなら、すぐに共産主義者扱いされ、ソ連と通じているかのように解釈され、むしろ言論弾圧の対象になってしまうという。

トランボ自身も、自分が共産主義者扱いされることよりも、この言論弾圧こそファシズムの温床で、アメリカにとっての脅威であると考えたに違いありません。そしてそれこそが彼の偽名で脚本を発表し続けるという行動原理になっていくんです。そして彼は、ゆくゆくはとんでもない偉業を達成することになるわけですが・・・。

さて、この映画って、現在のコロナ騒ぎもあって、ボク的には色々と考えさせられました。だってコロナ陽性というだけでネットでさらし者になったり、感染者の詳細な情報の公開を叫んだり、少しでも「あまり自分は気にしてない」的なニュアンスの発言をしただけで炎上したり、ちょっと国民全体が冷静さを失っているように感じます。それってまさに言論弾圧ではないかというね。

なぜなら、このコロナの状況って一体どうなるかなんて誰にもわからないわけです。なので色んな考え方があっていいんです。そしてそれを、こういう時だけ国や政府のせいにしたり、一部の人間を批判するのはおかしいと思います。まあ、批判するとすれば、政府の武漢からの入国者を全く制限しなかった初動のみであって、あとはどうなるかなんて誰にもわかりません。

ただ一方で、世界的な拡大の状況をみていると、未だに日本における死亡者数が1,000人以下という少なさはもはや奇跡的だし、これは政府の緊急事態宣言や日本人のキスや握手などをしない習慣なんかではおそらく説明はつかないように感じます。なんとなくですが、色んな記事を読んだ限りでは、やはりBCG接種の有無こそが、この世界的な死亡者数のばらつきに何らかの因果関係があると思ってます。

しかし危機を煽ってばかりの連日のコロナ報道のおかげで、みんながかなりヒステリックになっていて、これはこれで問題だと思います。だって、日本の年間のインフルでの死亡者はざっと3,000人だし、交通事故での死亡者も3,500人です。一方で自殺者数にいたっては3万人なわけですから、それらのおよそ10倍も多いということになりますが、そのことで騒ぐ国民はこれまでは皆無なわけです。そのことからしても、いかにこのコロナ騒動が作為的な報道をされているか明らかなわけでして。

僕としては、今回の緊急事態宣言なんかは、ある意味言い方を変えれば「交通事故で毎年3,500人近く亡くなっているので、車に乗るのをやめましょう」と言っているに等しいと思ってます。むしろ「重病化しそうな人を優先的に保護・制限し、それ以外の人やすでに抗体のある人は通常の生活に戻していく」といった方法しかないと思います。

あっ、まずい、まだトランボ一作の紹介で2,000字を超えそうっっ。なので、コロナはこれぐらいにして、次の「②ハウス・ジャック・ビルト」にいきます。この映画はデンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアー監督の作品なんですが、もう最低のクソ映画、と思いきや、意外にもはじまってから60分くらいで奇跡的に持ち直すのがこの作品のすごいところ。単なる殺人鬼のサイコパス人間を淡々と描いた映画と思いきや、その映像美やカット割りとか主人公のマット・ディロンの思考をボードに文字を書いて表現したり、もうものすごく凝ってます。じゃあ、面白いのかというと、全く面白くないし、もう残酷すぎて見るのもいやになる最低のクソ映画なんですが、しかし、60分くらい我慢すると、それなりによくできている部分を認めざるを得なくなってきて、なんと最後の30分くらいはスター・ウォーズのマスターと弟子のパダワンの修行みたいなストーリーになってくるなど、とんでもなく予想外の昇華した作品になってきて、もうこのラース・フォン・トリアー監督の天才・鬼才ぶりを遺憾なく発揮というか。もう度肝を抜かれます、が、全くお勧めはできないし、今後見直すことも絶対にないと思ってます。

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [DVD]

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [DVD]

  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: DVD
 
エデンの東 [DVD]

エデンの東 [DVD]

  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: DVD
 
ハウス・ジャック・ビルト[DVD]

ハウス・ジャック・ビルト[DVD]

  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: DVD