GIGI日記~映画とか本とか~

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2019年末~2020年始に見た映画

今年はどういうわけか年末年始にかけてあまり映画を見ませんでした。なぜなのか色々考えてみたんですが、おそらくは休みに入った直後に見てしまったスター・ウォーズ9の影響が大きいかと思います。あれを見てしまって、その衝撃と畏怖(イラク戦争の作戦名)によってワナワナしてしまい、ほかの映画を見るだけのゆとりや落ち着きをしばらくは取り戻せなかった、というのが正直なところでしょうか。

さてさて、なんともはや、残念なことに見直したスターウォーズ7と8を除くと、たった5本という暴動必死のていたらくですハイ。以下、そのラインナップなんですが、奇跡的にクソ映画が②の「ゴールデン・リバー」のみ、という極めて良質な映画が多かったのが特徴で、どれを見ても楽しめます。

マイ・プレシャス・リスト(評価:★★★☆☆) 
②ゴールデン・リバー(すでにコメント済みのため省略)
③アンノウン・ソルジャー(評価:★★★☆☆) 
④12か月の未来図(評価:★★★☆☆) 
蜘蛛の巣を払う女(評価:★★★★☆)

まず、①の「マイ・プレシャス・リスト」なんですが、これは飛び級してハーバードを卒業した女の子が引きこもりみたいになって、カウンセラーの勝手に作ったリストにある行動目標を一つずつ達成していくという、僕の大好きな女優サラ・ポーリーの「死ぬまでにしたい10つのこと」を若干パクった映画なんです。最初は主演の女の子のベル・パウリーちゃんが鈍くさくてイマイチ観が否めないんですが、見ていくうちにこの子の魅力やかわいさがジワジワと伝わってくるという不思議な映画でしたね。

で、②の「ゴールデン・リバー」に興味のある方は先の記事を参照ください。骨のある俳優が勢揃いしても、ストーリーがつまらなければクソ映画になるという典型的なクソつま映画、その名も「ゴールデン・リバー」やねん、どないしてまんねん映画です。

さて③の「アンノウン・ソルジャー」ですが、第二次世界大戦時、ロシアの侵略に対抗するために戦ったフィンランド軍の壮絶なる抵抗を描いた映画なんです。戦争そのものは当然として、政府のお偉方や軍の高官が勝手に決定した方針や作戦によって、次々に兵士が死んでいく様をダイナミックかつエモーショナルに描いた映画で、兵士の視点も職業軍人ばかりでなく、普段は普通に農業なんかに従事している予備役兵士(有事の際や訓練の時のみ軍隊に戻る人々)の視点からも描いているのが特徴です。特にこの映画を見て驚いたのは、そんな最前線での壮絶な戦闘のさなか、兵士がしょっちゅう休暇をもらって恋人や家族の元にふらっと一時帰宅するシーンで、なんだか最前線と家族の元に戻っている生活が同じ世界の出来事だとは到底思えないんです。いやぁ~これも不思議な戦争映画でした。しかしこの映画って、パッケージデザインがひどいですよね。これ見て借りる人は皆無じゃないかと。

次に④の「12か月の未来図」なんですが、これは僕の意外と好きなジャンルの一つ「外国の教師モノ」なんです。フランスのパリの名門高校で働くフーコー先生が、あるパーティーでの些細な一言がきっかけで、郊外の問題児ばかりのダメ中学校に1年間の期限付きで赴任することになってしまって、さてその12ヵ月で彼の受け持ったクラスはどう変わったのか?という映画なんですよね。

この映画を見て驚くのは、フランスの教師って全く教師っぽくなくて、背広にネクタイなんてしてないし、みんなジーパンとかワンピースとかの私服だし、それに職員室自体もテーブルがたくさん置いてあるだけのフリースペースみたいな形式をとっていたりと、僕の知っている学校のイメージとは全く異なり、ものすごく驚きましたね。

ちなみにこの映画はミシェル・ファイファーの「デンジャラス・マインド」みたいに「先生お願い辞めないで!」というようなお約束のお涙ちょうだい感動ストーリーとは一線を画し、淡々と先生と生徒の線引き(礼儀やリスペクト)を示してみたり、指導評議会という法律で定められたシステムを取りあげてみたりと、まるでドキュメンタリーを見ているようでとても興味深かったです。指導評議会というのは問題のある生徒とその親とその担任のほか、生徒に教えている先生全員と校長先生を交え、双方の意見を聞きながら評議し、最終的には担任を除いた残りの先生と校長先生の多数決によって生徒の処分を決定するという仕組みで、こういう制度も面白いと思いましたね。まあ何にせよ、このフーコー先生を演じたハゲた中年オヤジのドゥニ・ポダリデスさんという役者さんがもう最高にすばらしかったです。

そして最後は⑤の「蜘蛛の巣を払う女」なんですが、もう最高に面白かったですハイ。デヴィット・フィンチャーの名作「ドラゴン・タトゥーの女」や、スウェーデン版のミレニアム三部作の続編という位置づけではないんですが、リスベット・サランデルものとしては最新作です。これはAmazonレビューでは非常に評価が低いのですが、なんででしょ、こんなにおもしろいのに。長くなってきましたので、この映画に関しては後日一つの記事にまとめようと思います。

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