GIGI日記~映画とか本とか~

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料理「ピェンロー(偏炉鍋)」

いやいやかなり期間が空いてしまいました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

10月の長期出張というタスク(任務)を終えたと思いきや、11月のプチ出張(1週間です!)、そしてそれが終わると年内最後のイベントを昨日終え、ようやく一息つき、年末モードになってきました。しかし、そんな多忙な毎日の中で、欠かさずも本と映画はそれぞれ10本以上読んだ(見た)でしょうか。やはり、これが僕のエネルギー源なんですね。その話題は後日書くとしますが、今日は一つ、ほとんど記事のないマイ料理について紹介します。

皆様は「ピェンロー(偏炉鍋)」という最強の鍋料理をご存じでしょうか。この料理が日本でメジャーになったのは、妹尾河童さんという作家さんが「河童のスケッチブック」という本で紹介したのがきっかけなんですね。意味は「中国の片田舎の素朴な鍋」といったニュアンスだそうです。

最初に作ったのは今からもう10年ほど前でしょうか、冷蔵庫に大量の白菜、鶏肉、豚肉、シイタケしかなくて、適当にネットで作れる料理を探していたら行き着いたように記憶してます。しかし、それ以来、我が家の冬はもうこのピェンローなくしてははじまりません。白菜が出回る季節は、もう30回は食べますかね、我が家の鍋料理で堂々の一位の座をもう10年は保持しています。

さて作り方はネット上で調べればすぐに出るかと思いますが、我が家流を紹介しておきましょう。食材は上記のほか、「木綿豆腐」と「緑豆はるさめ」があればもう最強です。それと絶対に欠かせないのが安い「ごま油」!業務スーパーででかいのを買っておきましょう。

【食 材】白菜、シイタケ、鶏肉、豚肉、木綿豆腐、はるさめ
【調味料】ごま油、コショウ、粗塩、一味唐辛子(七味ではないので注意!)
【備 考】食材の量は適当です。好きなものをたくさん用意した方がいいですが、鍋なので足りなければ追加するだけ。けど、白菜は葉の青い部分がたくさんある方がおいしいです。鶏肉はささみ以外で、豚肉もコマ肉でもOKですが、やはりバラ肉の方が格段においしいかと。

で、下に我が家流の作り方をお知らせしますが、多少違っても味にほぼ違いはないと思います。だってこの料理の醍醐味は「味付けをしない」ことなんですから!!つまり味付けは、各自が食べるときに「粗塩」と「一味唐辛子」で調整するものなんです。なので、作る人間に一切責任は無いというね、こんなすばらしい鍋はほかにありません。

【作り方】
①シイタケを水で戻す。普通のシイタケなら適当な大きさに切る。水に昆布を入れてもOK。
②白菜を緑の葉の部分と白い部分に分けて、白い部分をみじん切りにする。実はこの行程が一番大変で、逆に言うとこれが終われば料理はほぼ終わったも同然です。
③豆腐や肉は食べやすい大きさに切っておく。春雨は5分ほど水につけて、その後はざるに上げておく。
④でかい蓋付きの鍋(我が家は直径30cm、深さ10cm程度のものを使ってます)に「白菜のみじん切りにした白い部分」と「シイタケ」と「鶏肉」と「豆腐」をぶち込み、水をたっぷり入れて、「ごま油」を多めに回しかけ、白菜が透明になるまでぐつぐつ煮ます。20~30分ぐらいでしょうか。この白菜の白い部分が水に溶け出し、おいしいスープになるわけです。この際、水ではなく「だし汁」を入れてもOK。どっちでも大丈夫ですが、僕は自分で作っている「かつおだし」を入れてます。水は多めで、あふれそうなら別の鍋にとっておけば後で汁が足りなくなってきたときに補充できます。ちなみに「だしの素」を使うくらいなら水の方が断然いいです。特に日本人は「~~の素」とかって使いすぎなんですよ。
⑤煮込みすぎぐらいがちょうどよく、あとは食べる直前に豚バラ肉を鍋の中に投入していきます。そのとき、一枚ずつ箸で汁の下の方に沈ませていくとすぐに火が通ります。が、汁が十分に沸騰していないと肉がピンク色になってしまうので注意。で、バラ肉の投入を終えたら、鍋の具材の上に白菜の葉の部分(緑の部分)を山盛りに載せ、コショウとごま油を大量に回しかけ、その上から強引に押し込むように蓋をします。
⑥蓋をすることで上に載せた白菜の葉が蒸されるわけです。そして白菜の葉が食べられるくらいに柔らかくなっていれば完成!ポイントは、白菜の葉の部分は汁の中に入れずに蒸すことです。汁に入れてしまうと、色がどんどん変色して出がらしのお茶っ葉みたいな色になってしまうので、おいしさが半減してしまいます。
⑦あとは鍋を食卓に移動し、器に好きなだけとってスープを並々入れ、各自が塩と一味唐辛子をかけ、調整しながらひたすら食べていきます。この間、僕はさらにごま油をかけますし、刻んだネギを入れたりします。
⑧ここでのポイントは鍋を火から一旦下ろすことでしょうか。 ずっと火をかけっぱなしにしてしまうと、スープがどんどん蒸発してしまうし、白菜の葉の色が悪くなっていくからです。あっ、忘れてましたが、春雨は自分の食べる分だけを鍋本体に入れて少し汁につけて戻してから、自分の器に入れて食べます。これも、最初から全部はるさめを入れてしまうと、スープに溶けてしまうからなんですね。少し固めぐらいがおすすめです。
⑨あとは自分の器のスープの中に温めたご飯を入れて刻みネギを振りかけて「おじや」にしてもよし、ひたすら肉ばかりを食ってもよしで、自分なりの食べ方を構築しましょう。ちなみに僕は肉を食べるごとに粗塩を追加でふりかけて、塩がわずかに肉の表面に固形状態で残るぐらいが好きですね。まあ、味の善し悪しは「塩」と「油」で決まる!ということを肌で実感することができます。ちなみにうちの嫁さんはほとんど塩をかけない薄味が好みのようです。

この鍋は恐ろしく簡単ですし、スープのおいしさも半端じゃなく、かつ毎日食べても不思議と飽きないので、鍋好きで忙しい方にはひたすらお勧めの一品です。我が家では、恐ろしいことに日曜の夜に作ってから食材を補充しつつ、翌週の金曜日までずっと夜はこのピェンローだったという記録をもってます。それほどにこの鍋は最高ですので興味のある方は是非!

河童のスケッチブック (文春文庫)

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