GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「フラットライナーズ」

評価:★★★★★

大好きな映画「フラットライナーズ」です。90年代に作られた古い方で、キーファー・サザーランドケビン・ベーコン、当時の売れっ子ジュリア・ロバーツが出てるやつで、最近のリメイク版はまだ見ていません。この映画、いじめ対策として学校の教材として見せてもいいぐらいですが、一部、ウィリアム・ボールドウィンのパートがちょっとエッチなのでそうもいきませんが。

まあ、ある種の哲学的な映画で、心拍停止後、人間の脳は何を見ているのか?死後の世界は本当にあるのか?といった究極の問いに答えるべく、医学生4人が医学的知見に基づき、心臓を一次的に停止させ、まあ、それが心拍停止を表す「フラットライナーズ(一本線)」状態であって映画のタイトルにもなっているんだけど、要するに人工的な臨死体験をしてみようぜ!という映画なんです。

で、その世界はすばらしいモノだったかというと、実は全くそうではなくて、物語はどんどんみょ~な方向に向かっていき、ついには懺悔と贖罪の物語へと変貌します。そしてその点が僕のツボなんですが、僕が中学校だった頃を思い出すと、なんとなく変なノリや同調圧力によって、いじめに荷担していたことがありました。今でもその時のことを思い出すとすさまじい後悔の念に駆られます。もう30年以上も前の話ではあるんですが、未だに思い出すと眠れなくなるし、もしもその張本人に会うことができれば、おそらく僕は土下座して謝ると思うけど、あいにくクラス会とか苦手なので全く行かないし。

実はこれまでにも何度か電話番号を調べて謝ろうと思ったこともありますが、まずその調べる過程で怪しまれそうだし、張本人からすればこれほど迷惑な話もないわけで、そもそも僕には絶対に会いたくないのは間違いなく、その謝ろうという僕の意志すらもいわば身勝手な自己満足にしか映らないだろうし。

まあ、そういう思いをしている人がどれだけいるかわかりませんが、そういうやるせない気持ちを巧妙に映像化してくれたのがこの映画なんです。もうとんでもない映画です。僕はこの映画を見るといつも、かつて自分がいじめてしまった人たちが、今は立派なお父さんやお母さんになっていて、僕の事なんてきれいさっぱり忘れ去って、子供たちと仲良く楽しく幸せに暮らしていることを願ってやみません。

なので、もしもこのブログを読んでいる人で仮にいじめに荷担しているようなことがあれば、僕みたいに一生後悔するので絶対にやめたほうがいいし、今すぐ「フラットライナーズ」を見ましょうね。ただ僕の唯一の救いは、僕にはこの後悔とか苦い経験があったので、高校生になってからは集団とか同調圧力に負けないように生きてこられた気がします。僕の敬愛する北方謙三さんの小説によく「いつも一人でいることだ!」とかって書いてあるんだけど、まさにそのとおり。集団でいじめをするようなやつらはクズなので、真っ先に警察に通報してもいいし、そんな学校なら行かなければいいだけ。なによりも親に相談すべきで、いじめられていることは何も恥ずかしいことではなく、そうい悪意のかたまりみたいな奴らがいるのがこの世界なんです。「進撃の巨人」のミカサも言ってるでしょ、「世界は残酷なのよ」って。

そしてもしもいじめられている人がいれば、水野敬也さんと鉄拳さんの「それでも僕は夢を見る」を読みましょう。人生は、というより世界はすばらしいですよホントに。当たり前の毎日が当たり前じゃなくなったときに気づく事が多いけど、そばに妻がいて猫ちゃんがいて毎日食事を作ったり植物を育てたり、散歩に行ったり本を読んだりとかって、実はものすごく幸せなことなんです。昨年、18年間一緒にいた猫を亡くし、痛烈にそう感じました。なので、最近の鉄拳さんの花王のCM(パラパラマンガ)は涙なしでは見られません。

そういうことに気づかせてくれる映画が「フラットライナーズ」なので猛烈におすすめです。ちなみに、キーファー・サザーランドはやんちゃな役よりも心優しい役がよく似合います。ウィノナ・ライダー共演の「1969」とかね。 

それでも僕は夢を見る

それでも僕は夢を見る

 
1969

1969