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映画「ボーン・レガシー」

評価:★★★★★

さてさて、マット・デイモンのボーン・シリーズのスピンオフ「ボーン・レガシー」です。僕の中では最近の「ジェイソン・ボーン」を含めても、ボーンシリーズの中ではこの「ボーン・レガシー」が一番のお気に入りです。というか、最近の「ジェイソン・ボーン」が期待はずれだったので、むしろこのレガシーの続編を猛烈に作ってほしいですね。

このボーンシリーズというのは、トレッドストーンとかブラックブライアー、アウトカムにラークスなどなど色んな計画名が出てきますが、一言でいうとCIAが作った暗殺部隊の名称のことで、一つの計画が一般市民に明るみに出そう(バレそう)になると、その計画で生み出された要員は生みの親であるCIAに消されてしまう、という単純きわまりない話なんです。もう風呂敷を広げまくって、さも難しそうな用語で武装してますが、実は至ってシンプルな話という。

このレガシーも、消される運命にあるジェレミー・レナー扮するアウトカム工作員、アーロン・クロスに焦点をあてた作品なんですが、なによりボーンシリーズ3作目の「ボーン・アルティメイタム」でマット・デイモンがあれこれ必死こいて戦ってるまさにその時、その舞台裏でジェレミー・レナーもバタバタ結構がんばってた、というその複雑な同時並行的舞台設定が大好きです。

それに大好きな女優のレイチェル・ワイズさんが出ているのが最大のポイントというか。そもそもこのボーンシリーズというのは、最新作の「ジェイソン・ボーン」のアリシア・ヴィキャンデルを除き、なんとなくパっとしない女優さんがヒロインで、そこが最大の欠点だと思っていたんです。で、この「ボーン・レガシー」はシェアリング博士役でレイチェル・ワイズさんが出てるので華があってその弱点を見事に克服してるわけです。ただ、ボーンシリーズ2作目の「ボーン・スプレマシー」の最後にボーンが会いに行く少女はかわいいけど。

特に好きなシーンは、CIAの精鋭3人がシェアリング博士(レイチェル・ワイズ)の家を訪問し、色々質問したりして最初は優しいんだけど、途中からいきなり豹変し、抵抗するシェアリングを2人がかりで強引に押さえつけ、まあひどいことをしようとするんです。で、ここで、何の前触れもなくいきなりアーロン・クロス(ジェレミ-・レナー)登場!って、このシーンかなりビビりますし、どう考えても無理があるんですが、まあ細かい設定はさておき、このシーン、ちょ~かっこいいですハイ。

その後のアーロン・クロスとCIA3人との攻防戦は、映画史に残る名シーンで、アクションはかっこいいし、動きは早いけど目が追いつかないほどでもないので、ああして、こうして、こうなった、といった複雑な格闘技の動きがどうにか理解できて楽しめるんですね。ただしそれはこのレガシーに限らず、ボーンシリーズの最大の特徴でもあるんですけどね。

例えばキアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック」なんかはもう早すぎて目が追いつかないし、戦う人数も多すぎて現実感が皆無でギャグにしか見えないし、チャプター2なんて特にひどかった・・ゲンナリ

さて、このCIA職員3人もそれなりの腕利きなので、そう簡単には引き下がらず、腕を折られた女性捜査官がすごい形相で銃を持ち替えて構え直したり、部活みたいに声を出しあって互いの位置を確認しあったり、フォーメーションを組んでみたりと、CIAで培った戦闘技術で色々仕掛けるんですが、何一つ通用しないのが笑えますね。こういう体育会系的ノリが全く役に立たなくて、逆に完膚無きまでにたたきのめされるという設定が個人的には大好きです。

あとはフィリピンに行って、レイチェル・ワイズがモランテル社の警備員の中からたまたま知り合いを見つけて「ジェゼフ~!」とかって喜んでニッコリ笑ったりするのも最高にかわいくて好きではあるんですが、やはり鳥肌モノなのは、終盤にレイチェル・ワイズが道路のすみっちょからアーロンのいる宿に向かって「アーロンッ!ラァ~~~ンッッ!!(逃げて~~~~!!!!!)」と大声で叫ぶシーン、もう最高です、これで勝負はつきました、決まりです。このシーンがあるために、すべてレイチェル・ワイズに持って行かれてしまいましたハイ、冗談抜きで。

リック・バイヤー役の エドワード・ノートンなんて冷酷で非情で有能で、しかも朝4時に大雨の中をランニングするというガイキチで、とてもいい味を出してはいるんですが、それすら霞んでしまってなかったことにしてしまうというか。それほどに、このレイチェル・ワイズの伝説的叫び「アーロン・ラーン!」は必見です!ちなみに見終わった後、僕もマネして何度か叫びました。

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