GIGI日記~映画とか本とか~

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映画「キリング・ゾーイ」

評価:★★★★☆

これまたとんでもない映画です。これもマイベストの一本。最近ようやくDVD化しました。要は悪党どもの金庫破りの話なんですが、すさまじい映画のくせにちょっとオシャレという変わった映画です。

エリック・ストルツが主演なんですが、もはやこの映画は完全にジャン=ユーグ・アーグランドのもので、エリック・ストルツは出ていたことすら覚えてません。ジャン=ユーグ・アーグランドはフランスの俳優で、たとえば「ベティ・ブルー」なんかにも出ていますが、ゲイリー・オルドマン以上の怪優ですね。この映画ではぶち切れまくって始終レッドゾーン入りまくりのクレイジーな悪役を演じてますが、この人は元々こういう人なのでしょうか。だとしたらインタビューとか絶対にしたくないし関わりたくないというか。

「レオン」のゲイリー・オルドマンとか、「グッドフェローズ」や「カジノ」のジョー・ペシ、「ノーカントリー」のハビエル・バルデムも強烈ですが、この映画のジャン=ユーグ・アーグランドと比べたらちょっと見劣りしますね。

エリック・ストルツがジャン=ユーグ・アーグランドと再会し、彼の住むアジトにいくんだけど、この場所がアパートの家の中のさらに屋根裏にあるという変な作りになっていて、みょ~な閉塞感を覚えます。ある意味この映画はほとんど密室劇なので、見ている間はなんとなくこの閉塞感がず~と続き、落ち着きません。そこにきて、アーグランドさんの強烈な個性で、脳みそが内面から浸食されるというか。

好きなシーンは、夜のパリを車で流しているとき、このアーグランドさんが突如「ランラ~、ミンドビヤァ~♪、ランラ~フィーロビヤァ~♪」とかって、わけのわからないフランス語?の歌を歌うシーン、完璧に狂ってますね。

それと、エリック・ストルツがいやがって何度も断っているのに、酒とかドラッグを強引にさんざん飲ませるというこの自己中さが好きです。ほんとにやなやつなんですが、妙に色気があって笑えます。

映画はジュリー・デルピーが出ていていい味を出してます。ジュリー・デルピーレオス・カラックスの「汚れた血」や、アメリカ映画では「ファングルフ」「恋人までの距離」シリーズなど、好きな映画がたくさんあります。最近は「パリ、恋人たちの二日間」や「ニューヨーク、恋人たちの二日間」などの監督もしていて非常に才能豊かな女優ですね。

まあ、単なる強盗ものやアクションものに飽きたら、このオシャレでクレイジーキチガイ映画をおすすめします。

ちなみに「ベティ・ブルー」は大好きな映画で音楽もすばらしく、3時間ある完全版が絶対おすすめです。

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