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映画「2020年ゴールデンウィークに見た映画①」

さてさてこのゴールデンウィークも終盤が近づいてきましたね。悲しい限りです。しかし、今年はコロナ騒ぎがあった影響で、久しぶりに級友と会ったりする時間が全く取れなかったのがいつものゴールデンと違うとこ。

ただ僕としては、別にこの時期に旅行や里帰りをするわけでもないので、いつもと違うのはその程度であって、あとは料理や洗濯や掃除のほか、猫を健康診断に連れて行ったり、庭いじりしたり、本を読んだり映画を見たりマンガを読んだりで、はっきり言って全く時間が足りませんでした。なので「ヒマでしょうがない」とか「退屈すぎて死にそう~」などと騒いでる人たちの気持ちが全く理解できません。

とまあ、そんな忙しい中、以下のラインナップで映画を見ました。一部アニメも入ってます。

①トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男(評価:★★★☆☆)
②ハウス・ジャック・ビルト(評価:★☆☆☆☆)
ヒトラー暗殺、13分の誤算(評価:★★★★☆)
ライ麦畑の反逆児(評価:★★★☆☆)
⑤天気の子(評価:★★★★★)
シングルマン(評価:★★☆☆☆)

まずは「①トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男」ですが、これは意外にもよかったです。食わず嫌いで敬遠してましたが、このダルトン・トランボって人は全く知りませんでした。それどころかハリウッド・テンとかいう用語も。

このトランボって人は、今でこそハリウッドでは伝説的な脚本家ですが、時は1950年代、その売り出し当時はアメリ共産党に属していたばかりに、マッカーシズムで名高い赤狩り旋風に巻き込まれ、その影響で実名では脚本を発表できなくなってしまうんですね。で、そんな彼が一体どういう形でハリウッドに逆襲を仕掛けたのかということが、この映画で史実に沿って描かれているわけです。

そもそも当時のハリウッドはリベラルで進歩的な人間が多く、資本主義に搾取される労働者を憂いた文化人が非常に多かったわけですが、僕は仲間の名前を密告というか証言したことで長く不遇の時代が続いたエデンの東を作ったエリア・カザン監督ぐらいしか知りませんでした。

一方でトランボは、密告とは別の形で反逆を開始するわけです。そこがすこぶるかっこいいし痛快なんですね。仲間の数人が離脱していく一方で、脚本をB級映画の制作会社に持ち込み、通常の10分の1位のギャラで請け負って、B級以上の作品へと変貌させていくんです。

この映画を見ていると、自由の国アメリカとか言っても、結局なんにも自由でないことがよくわかるんですね。その当時、少しでも「労働者の権利」とか「労働者に公平な賃金を」などと言おうものなら、すぐに共産主義者扱いされ、ソ連と通じているかのように解釈され、むしろ言論弾圧の対象になってしまうという。

トランボ自身も、自分が共産主義者扱いされることよりも、この言論弾圧こそファシズムの温床で、アメリカにとっての脅威であると考えたに違いありません。そしてそれこそが彼の偽名で脚本を発表し続けるという行動原理になっていくんです。そして彼は、ゆくゆくはとんでもない偉業を達成することになるわけですが・・・。

さて、この映画って、現在のコロナ騒ぎもあって、ボク的には色々と考えさせられました。だってコロナ陽性というだけでネットでさらし者になったり、感染者の詳細な情報の公開を叫んだり、少しでも「あまり自分は気にしてない」的なニュアンスの発言をしただけで炎上したり、ちょっと国民全体が冷静さを失っているように感じます。それってまさに言論弾圧ではないかというね。

なぜなら、このコロナの状況って一体どうなるかなんて誰にもわからないわけです。なので色んな考え方があっていいんです。そしてそれを、こういう時だけ国や政府のせいにしたり、一部の人間を批判するのはおかしいと思います。まあ、批判するとすれば、政府の武漢からの入国者を全く制限しなかった初動のみであって、あとはどうなるかなんて誰にもわかりません。

ただ一方で、世界的な拡大の状況をみていると、未だに日本における死亡者数が1,000人以下という少なさはもはや奇跡的だし、これは政府の緊急事態宣言や日本人のキスや握手などをしない習慣なんかではおそらく説明はつかないように感じます。なんとなくですが、色んな記事を読んだ限りでは、やはりBCG接種の有無こそが、この世界的な死亡者数のばらつきに何らかの因果関係があると思ってます。

しかし危機を煽ってばかりの連日のコロナ報道のおかげで、みんながかなりヒステリックになっていて、これはこれで問題だと思います。だって、日本の年間のインフルでの死亡者はざっと3,000人だし、交通事故での死亡者も3,500人です。一方で自殺者数にいたっては3万人なわけですから、それらのおよそ10倍も多いということになりますが、そのことで騒ぐ国民はこれまでは皆無なわけです。そのことからしても、いかにこのコロナ騒動が作為的な報道をされているか明らかなわけでして。

僕としては、今回の緊急事態宣言なんかは、ある意味言い方を変えれば「交通事故で毎年3,500人近く亡くなっているので、車に乗るのをやめましょう」と言っているに等しいと思ってます。むしろ「重病化しそうな人を優先的に保護・制限し、それ以外の人やすでに抗体のある人は通常の生活に戻していく」といった方法しかないと思います。

あっ、まずい、まだトランボ一作の紹介で2,000字を超えそうっっ。なので、コロナはこれぐらいにして、次の「②ハウス・ジャック・ビルト」にいきます。この映画はデンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアー監督の作品なんですが、もう最低のクソ映画、と思いきや、意外にもはじまってから60分くらいで奇跡的に持ち直すのがこの作品のすごいところ。単なる殺人鬼のサイコパス人間を淡々と描いた映画と思いきや、その映像美やカット割りとか主人公のマット・ディロンの思考をボードに文字を書いて表現したり、もうものすごく凝ってます。じゃあ、面白いのかというと、全く面白くないし、もう残酷すぎて見るのもいやになる最低のクソ映画なんですが、しかし、60分くらい我慢すると、それなりによくできている部分を認めざるを得なくなってきて、なんと最後の30分くらいはスター・ウォーズのマスターと弟子のパダワンの修行みたいなストーリーになってくるなど、とんでもなく予想外の昇華した作品になってきて、もうこのラース・フォン・トリアー監督の天才・鬼才ぶりを遺憾なく発揮というか。もう度肝を抜かれます、が、全くお勧めはできないし、今後見直すことも絶対にないと思ってます。

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その他「コロナが教えてくれたこと②」

さて皆さん、今日もコロナな日々をお過ごしでしょうか。東京ではもはやマスク無しで外出することすらできない状況になってしまいました。そんな僕自身、マスクをしないで歩いている老人なんかを見ると、かなりスペースを空けてすれ違うようになりました。もはやマスクをしないこと、=(イコール)アウトロー感満載の世の中になってしまいましたね。まるで風の谷のナウシカ腐海(ふかい)の中に入る時みたいな。であるなら、ナウシカの付けてたマスク、どこか企画・生産しないかな。

しかしマスクをしていると、サングラスのレンズが曇ってあまり激しい動きはできません。動き回るとハアハア息をするので、マスクの中に息がこもってレンズが曇って前が見えなくなるし、またその息苦しさからコロナかも?と逆に心配してしまったり、サングラスとマスクの組み合わせって最悪なことに気づきました。

で、そんな息苦しさにも負けず、昨日から二日連続で近くのGEOに出かけたんですが、えっと~、一体、なにゆえスター・ウォーズ9/スカイウォーカーの夜明け」はレンタル開始してないのでしょうか?このコロナのせいで、店員さんに話しかけるのもはばかられる状況ですが、なにせ事が事なので勇気を持って聞いてみましたよ・・・。

で、驚愕の事実が明らかとなりました。なんとレンタル日未定なんですと・・。ふざけんなこのコロナのクソやろう!コロナのサノ・バ・ビッチ!と叫びました(心の中で)。まあ、別にコロナは関係ないのかもしれませんが、いくつか理由が考えられます。

・ひとつは、そもそも僕のようなオールドタイプのレンタル派が減り、アマプラとかネトフリとかの動画配信サービスが4月上旬あたりからすでに配信を開始しているようなので、レンタルはスルーしてとりあえずは全く手間のかからない配信の方で元を取ってしまおうとする理論。

・そしてもう一つはULTRA-HDとかブルーレイとかDVDとかの媒体で売るだけ売り払って、それが一段落して売れなくなってきたらようやくレンタル開始してはどうか?という戦略。

・あとはコロナのせいで客足が鈍るので、レンタル開始はもう少しコロナが落ち着くまで待ってからという思惑も当然あるでしょう。

まあ、全て僕の勝手な妄想に過ぎませんが、これはもう、僕のようなハードGEOユーザーを完璧にナメきってますよ。

まあこういう風に、今回のコロナのせいで、色んな事が明らかになりましたね。早速いくつか挙げてみましょう。

①これまで突っ走ってきたグローバリズムやボーダレスの限界と終焉

以前、EUなんかに移民が押し寄せ、それが発端で今後EUは衰退・崩壊していくといった内容の本を紹介する記事を書きましたが、今後はこのコロナのせいで、政治・経済・社会がともに国内回帰する方向にシフトしていくような気がします。

つまりはアメリカが海外の色んな国に軍隊を派遣して干渉したり、大企業が安い人件費を求めて海外に進出したり、EUがどんどん国境を解放してボーダレス化を進めたり、そういうグローバリズムの政策の数々が、このコロナのせいでいよいよ限界に来たかと。僕としてはむしろその方向はいいことだと思います。EUの掲げた理想は、要は国境をなくしてボーダレスな経済圏を確立するといったプロパガンダでしたが、それが夢物語であることが昨年までの移民騒ぎで明らかになって、そしてイギリスがEUを抜けて現実となって、さらには今回のコロナ騒動で決定的になってしまったように思います。

②今回のコロナ危機の最大の原因は、人の無制限の移動

もしも我が国が、昨年の12月または今年の早い段階で武漢からの帰国者または入国者をシャットアウトしておけば、今回のような大騒ぎには決してならなかったはずです。今更ですが、我が国の政府や官僚の中には、そういう警告をする人材は結局のところ一人もいなかったんですね。本来はエリートであるはずの官僚(国土交通省厚生労働省、外務省、総務省などなど)の中に、この有事に対応・助言できる人材が一人もいなかったってことです。結局、ペーパー(テストの点数)だけで役人になった人たちばかりですから、こういう有事に極めて弱いのは当然だと思います。が、これが我が国の政府とか役人の限界なので、そこは責めてもしょうがないかと。

③自国で製品をつくることの意味

今回、消毒液やらマスクやら、相も変わらず品薄状態が続いていますが、その価格が10倍に跳ね上がったマスクなんて僕は絶対に買いません。だって、マスクって、そのほとんどが中国製じゃないですか。そして、このコロナ、つまりは=武漢ウイルスって、要はウイルス研究所から漏れた可能性が高いわけで(あるいはヒラリー派の策略説も捨てがたい)、なんでよりによってその国から買わなきゃいけないのか、意味がわかりません。

そもそも、身の回りの至る所に中国製品が溢れかえってますが、こういうことに慣れてしまうのはやはり怖いことですね。もしもその国に何かがあったらすぐに品薄になってしまうわけでして。ただ今回は、その張本人たる中国からのマスク輸入がほとんどなので、やはり中国はすごい国というか。むしろ儲かってホクホクの人がいますよ。

地球温暖化なんてどうでもよくなってしまったこと

最近、このコロナ騒ぎで、まあ当たり前ですが、僕の大嫌いな「地球温暖化」とか「CO2削減」などという戯言が一切聞かれなくなったのはむしろよかったことだと思ってます。特に、スウェーデンの大人達やマスコミの誤った教育の被害者でもあるグレタ・トゥーンベリさんなんか、もはや全く話題に上らなくなりました。僕は彼女のことはよく知りませんが、なんでも世界気候変動会議(COP24)に参加するために「私はヨットで来ました」などと主張してましたが、じゃあそのヨットを1台つくるために、一体どのぐらいのエネルギーを消費しているのか彼女は考えたことがあるのでしょうか。

特にパリ協定では、過去100年で0.6℃上昇しているので、今後100年の内に温度上昇を2℃以内に抑えるなどと言ってますが、簡単に言うと、そもそもこの気温上昇は、地球上のCO2排出量などの活動によるものではなく、太陽周期に影響されるものなので、仮にCO2の排出量を減らしても、ほとんど変化や影響はないんです(つまりは無意味)。

何より重要なのは、現在の地球科学では、明日の天気すら正確な予測ができないのに、それがどうして100年も先の気候を予測できるのでしょうか

そして近年の極めつけですが、このCO2の各国の排出量等を調整・達成するために、それらに値段を付けて売買ができるという歪んだシステムに、一体なぜ誰も異を唱えないのでしょうか。これはつまりどういうことかというと、これまでみんなが自由に使えた水汲み場に、いきなり巨大資本が乗り込んできて、蛇口を付けて、そしてその蛇口に鍵をかけて、お金を払わないと飲ませない、といったやり口と一緒なんです。要は「本来全くお金とは無関係だったものに(=かわいそうな二酸化炭素)、どうにかお金を紐付けして、それを売買の商品にして、一部の人間達だけが儲かるようにする」という詐欺まがいの手口ですね。だって二酸化炭素なんて空気中のたった0.04%しかないわけでして。

⑤もはや東京都受動喫煙防止条例もどうでもよくなってしまったこと

あと、都内の特定のお店でこの4月から受動禁煙防止条例が全面施行され、店内の喫煙ルールが義務化されましたが、それでお客さんが減ると心配していたお店の皆さんはもう完全に虚を突かれましたよね。そんなこと、もはやこのコロナ騒ぎできれいさっぱり忘れ去られてしまいましたから。このコロナパニックと自粛要請に比べれば、もうどうでもいいの最たるもの、それが喫煙ルールの義務化なわけで。しかし、この条例の施行により分煙室なんかを設けたお店の方は、このコロナパニックで追い打ちをかけられ、もうかわいそすぎます。こういうお店こそ、優先的に補償するべきではないですか。

長くなってきましたのでそろそろやめますが、要は何が言いたいのかというと、世界の気候変動なんかの戯言よりも、そして喫煙ルールなんかの極めて些細なことなんかよりも、今回のコロナみたいにもっと取り組むべき(備えるべき)大事なことがあったってことなんです。

日本も世界も平和ぼけしすぎて無意味な取り組み(EUとか移民とか気候変動)ばかりやってきてましたが、最近は長野や茨城で地震も頻発していますので、今後はこのコロナばかりに気を取られることなく、地震対策も必要ではないでしょうか。間違ってもコロナ騒ぎの方がまだマシだったなんていうことにならないように。

ぽてちゃん安らかに・・・。

昨日でしたか、久しぶりにぽてとチャンネルの三毛猫ぽてちゃんユーチューブを見てびっくりしました。なんと、ぽてちゃんは、この3月に天国に旅立っていたんです。。。。

えっ!なんでだよっ!って、もう信じられなかったです、信じたくなかったです。ものすごく悲しいです。泣きました。涙が止まりません。ものすごく悲しいです。はたしてこんなことがあっていいんでしょうか。

ポテちゃんと飼い主さん、ほんとうにかわいそうです。。。。言葉が見つかりません。もはやコロナなんてどうでもいいです。

ぽてちゃんは、前に飼ってたうちのミケにそっくりで、よくユーチューブでそのかわいらしい雄志を見てました。とにかくカラーリングがうちのミケと似てて、まるでミケが生き返ったみたいで、びっくりして興奮、驚愕したのを覚えています。

ぽてちゃんは、どうも非再生性貧血という病気だったようです。けど、2歳の誕生日を目前にして、あまりにも早すぎませんか。だってうちのミケも、それはそれは色んなドラマがありましたが、それでも17歳まで生きました。最後は片目を失明し、腎臓病、甲状腺機能亢進症、リンパ腫などに侵されながらも、それでも8ヵ月がんばってくれたんです。

そして一昨年でしたか、僕が大好きだったミケは2018年の夏、天国に旅立ったんです。僕はそれまで、生まれてからその時まで、こんなに辛いことってありませんでした。毎日泣きました、夜寝る前も泣きました、写真を見ては泣きました、泣きすぎて涙と鼻水で顔中が荒れました、それでも泣き続けましたよ。今でも写真を見れば3秒で泣けます。こんな辛いことが世の中にあっていいのか!とすら思いましたね。その涙をどっかに溜めておけば、きっと大量の塩を生成できたかもしれないです。

癒やされたとか、元気をもらったとか、メルヘンちっくなことが色々言われますが、そんなきれい事じゃなかったんです。僕にとってミケは、ただ一緒にいてくれるだけでよかったんです、そこにミケがいるだけで幸せだったんです。仕事をがんばれたのも、毎日、映画とかアニメを好き放題見れて幸せだったのも、それはもうミケが一緒にいてくれたからこそ。

ミケが逝ってしまった後の3ヵ月間はもはや地獄で、毎日が灰色に色褪せ、映画もアニメも全く見なくなり、食事なんかもどうでもよくなって、そういう最低の毎日が続きました。全く笑いの消えた毎日。何にも興味が沸かず、風呂もたまにしか入らなくなって・・・。

けど、そんなある日、ミケの写真を見てて僕は気づいたんですね。こういうダメダメでダークサイドに墜ちた僕を、天国からミケが一体どんな気持ちで見守ってるのか?ってことに・・・。

イメージとしては、ヨーダとかルークとかが霊体化(フォース・ゴースト)して、色々こっちに説教してくるイメージです。だってこんなダークで荒んだ状態がずっと続くぐらいなら、むしろミケに出会わなかった方がよかった、ということにすらなりかねませんので。そしてそれは、一緒に過ごした日々を否定することにもなってしまうんです。

で、僕は決心したわけです、施設やシェルターに引き取られた猫ちゃんの「里親」になることに。。。僕が一匹引き取れば、シェルターには一つ空きができるので、そこでまたかわいそうな猫ちゃんを一匹救うことができるわけです。そうやって僕が笑って過ごすことこそ、きっと天国でミケが望むことだろうと。

そして、そういう立派な活動をしている組織やNPOがいくつかあるんですね。コロナなんかより、むしろこっちにお金を回すべきかと・・・。

で今ですが、うちには猫のサビが来てくれて、一緒に楽しく生活してます。幸せ一杯で、毎日楽しく映画とかアニメを見れてます。サビ猫という種類で、なんと三毛猫の一種とか。

とにもかくも、ぽてちゃんの今回の悲報は僕にとって途方もなく悲しい出来事でした。ぽてちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。

さて、みなさんもコロナで身に染みてるかとは思いますが、すぐそばに君がいる幸せあなたがいる幸せ、そういう今の幸せを十分かみしめなきゃダメですよ。

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大好きだったミケ

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シェルターから引き取ったサビ

 

その他「在宅という名の悲劇②」

さてさて今日もコロナは感染者数が増大してますでしょうか。って、してますよ、ただし、検査者数イコール感染者数の増大と正比例してますので、まあ当然かと。つまり、まだまだ周りには無自覚の感染者がかなりたくさんいますので、最終的な重篤化率や致死率は当初の予想通り、かなり低くなると思います。当然、無自覚のまま、すでに感染していて、すでに抗体を得ている人も相当数いるかと思います。まあ、僕自身もすでにその一人かと・・・。

一方、世の中は在宅勤務(テレワーク)の宣伝や広告が徐々に増え、ここぞとばかりに参入しようとする業者もチラホラ目立ちはじめ、ホントにうんざり感が否めません。なぜなら、やっぱりボク的にはこの在宅(テレワーク)というのがなんとなく馴染めないからなんです。もう自分もアラフォーなんで、オールドタイプということなんでしょう。

そもそもコロナの一番やっかいなのは、人と会って話をしたり、友達同士が集まって一緒に飲んだり食べたりバカ騒ぎしたり、みんなでどこかに遊びに行ったり、そういう人間としての本能的かつ根源的な楽しみや、人とのつながりとか触れあいを全否定している点なんですよね。いま、それらの全てが自粛扱いですから。

まあ、個人的には大勢で集まって酒飲んで騒いでっていうのはあまり好きじゃないんですが、それでも誰かと食事にすら行けないのは寂しいし、さすがに少しキツいです。この4月も、仕事でお世話になった人と年度末を乗り切った打ち上げの予定を3つほど計画してたんですが、それが全て中止になり、なんともかなしい限りです。

僕レベルでもそうなんですから、ラテン系で陽気なブラジルなんかで自粛要請してもうまくいくはずがないですよ。案の定、半分以上の国民が政府の言うこと聞いてないようですね。

で、テレワークって、僕以上の個人主義とか人間関係とかが嫌いで、人に会ったりするのも大嫌いで、淡々とパソコンの前でプログラムコードなんかを書いていればいい、という種類の人たちであれば、それはもう天国かもしれません。

が、僕としては、やはり人と会って(泡沫は飛ばさないよう注意して)話をして、一緒に笑ったり考えたり議論したりとか、お疲れ様と伝えたり、相手を気遣ったり、心配したり、励ましたりとかって、やっぱ、そういうのって人と人がその場で一緒の空間にいてっていうのが基本なのかと。

いやいや確かにメールLineとか電話とかTeamsとかZoomとか、そういうツールは色々あるけど、やはり現実に人と人が会わないというのは、なんとなく違和感が拭いきれません。

だって、そろそろレンタル開始のスター・ウォーズ9/スカイウォーカーの夜明け」にしても、ずっとレイカイロ・レンフォース・ダイアド(フォースでお互いを共有しているかのような状態)でつながったりしてましたが、別にずっとそういうテレパシー状態なわけではなく、要所要所ではちゃんと会って戦ったり助け合ったりしてるわけでして。

なので、やはりいくらダイアド(dyad=一対、夫婦,、2個一組)(※この記事中では拡大解釈して「テレワーク」の意できたとしても、実際に会うことの素晴らしさには到底かなわないというか。

だって、カイロ・レンってば、劇中ずっとレイを追いかけ回してるわけですが、それは要はただ単にレイに(実際に)会いたかっただけなんですよ。つまるところ、特にこのスター・ウォーズ/ディズニー3部作って、壮大な鬼ごっこのお話なんです、好きな子をただひたすら追いかけるというね(ストーカーとは違います)。

ですので、テレワークで死にそうな世のおっさん達も、そういう視点でスター・ウォーズ9/スカイウォーカーの夜明け」をレンタルしてみてはいかがでしょうか。いくらテレパシー(テレワーク)が使えても、結局は会うことの素晴らしさには全くかないませんって。

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その他「在宅という名の悲劇①」

皆さま今日も在宅勤務を満喫してますでしょうか。

僕は都内で緊急事態宣言の出た4/7からプチ在宅(週2日ほどは出社)が始まり、早2週間が過ぎましたが、はっきり言って「在宅もまた、それはそれで悲劇的にだるい」というのが正直なところでしょうか。

もともと引きこもりがちのネット系のオタッキーな人たちにしてみれば、今回の件でテレワークが市民権を勝ち取り、それはもうフランス革命並の朗報だったのかもしれませんが、ボク的には少し耐えられないというか。いくつかその理由を挙げましょうか。

①まず、かなりの運動不足になること。
②時間の間隔が曖昧で、ヘタをすると夜中まで頑張ってしまうこと。
③オンとオフの境界が曖昧で、勤務時間を過ぎてもメールなどを神経質に確認してしまうこと。
④数多い誘惑(映画、アニメ、マンガ、庭いじり)をひたすら我慢しなければならないこと。
⑤猫ちゃんが頻繁に邪魔しに来ること。
⑥コーヒーとタバコの量がハンパなく増えること。
⑦なんとなく定年後を疑似体験してる気持ちになること。
⑧在宅中に洗濯を取り込んだりしてると罪悪感があること。
⑨電話以外に会話しないので人恋しくなること。
⑩むしろ会社にいるよりも拘束感が強いこと。

などなど、もういくらでも挙げられます。なので、最近は朝少し早く起きて3キロほど歩くことにしました。それでかなり体調がよくなりましたね。やっぱり通勤するだけでそれなりに運動になってるんですハイ。

スマホにその日何歩歩いたかが表示されるようになってて、普段は会社に行って帰るだけで4,000歩、つまり大体3キロ位は何もしなくても歩いてるんです。が、在宅になって一日家で仕事をしているとなんとたったの75歩という!

ただ、それらを解決する方法が一つ、いや二つだけあります。まずはこのコロナのリスクを承知で無理矢理出社すること、まあ当たり前ですが・・・。そしてもう一つは、これを機に思い切って休みにしてしまうことです。休みにしてしまえば、スマホも切って、メールも開けずにひたすら自分の欲望に忠実に時間を使えますからね。

さらに、もう一つの変則的な解決策としては、在宅というフリをして、適当に休み休みダラダラ仕事しつつ「別に誰も見てないからいいや」と開き直る、といった中途半端かつパンクな方法もあります。案外、在宅を声高に叫んでる世の中の大半の人がこのパターンではないのでしょうか。

が、僕にはどうしてもこれができません。なぜなら、一度それをやってしまうと、そのままダークサイドに落ちてしまうこと間違いなしなわけでして。なので在宅って、よっぽど規則正しくて自分に厳しい人でないと、ずるずる堕落してしまって、運動不足とストレスで不健康になって、太ってハゲて、挙げ句は病気になりそうな気すらしてます。

しかし、こうして呑気に在宅ができるのも、病院の先生とか看護師さん、役所や警察やゴミ収集などの公共機関で働く皆さん、電車やバスの運転手さん、日々の食料等の生活必需品を安定的に供給してくれるコンビニやスーパーで働く皆さん、あとは何より運送業や宅配関係の皆さんががんばって仕事を続けてくれてるからこそ可能なんですが、あまりそのことは報道されません。

日本って、あまり普段は意識してないですが、先進国の中でもものすごくいい国なんです。川口マーン恵美さんの本を読むとそのことがとてもよくわかります。基本的に、公共機関の職員はみな親切で、宅配も2時間刻みで届くし、建設工事や改修工事は極めてスムーズに進むし、街中で言い合いになることも少なく、宗教的な差別も皆無で、教育水準も高くて、機会は極めて平等で、努力次第で何にでもなれるし、夜も安心して出歩けるし、水道の水も普通に飲めて・・などなど、こんな国って世界中で日本しかありませんよ。

こんないい国なのに、有事の際にはすぐに補償を!補償を!という方向には賛同できません。健康で普通に働ける人は、結局のところは自分で乗り切るしかないですよ。補償とかは、それができない人に絞っていくべきではないですか。

加えて、一律一人当たり10万円などという愚劣な政策は、最も安易かつ思考停止の何物でもなく、極めて社会主義的な政策だと思いますね。一見平等に見えて極めて不平等ということが、なぜかマスコミでは指摘されませんが・・・。

なので、もはやみんなで在宅なんかやめてしまって、「ロング・バケーション」しましょうよ。

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映画「戒厳令」と本「2/26」

さて、4月に入り、年度末業務を終えたのも束の間、このコロナショックで自宅にいることが多くなり、いろいろとブログをアップデート?してみました。まず、このトップ画面の緑色の帯なんですが、これは「グローバルメニュー」というやつなんです。これってずっと付けたかったんですが、やっと実現できました。色々調べてコード入れてうまくいったときの感動ってばもう。あとは、プライバシー・ポリシーを追加したり、質問欄を作ったり、グーグル・アドセンスに申請してみたり、色々と他の人のブログを調べ、少しずつカスタムして作り上げていくのが意外にも楽しかったです。

しかし世の中はコロナ一色で、申請したグーグルアドセンスからは「新型コロナウィルスの影響で審査できる状態ではありません。。。」という返事が来て少し反省しましたですハイ。そもそも日本ばかりではなく、今後世界がどうなってしまうのかなんて誰にもわかるわけがありません。が、トレーダーとか資産家は、これを機に「史上最大のバーゲンセールだ!」などと密かに大騒ぎし、急落した株を買い漁っているようです。まるでハゲタカみたいな奴らで、武器商人とか死の商人と全く同じのクズどもですね。ゴーンさんとかホリエモンを逮捕する前に、そもそもこういう奴らを取り締まる法律を作るべきではないですか。

今現在、アメリカではコロナウイルスによる死亡者が急増してますが、これは要するにこれまでのアメリカの政治思想、つまりは弱者を切り捨て、富裕層を優遇しまくる路線でひた走ってきた当然の帰結のような気がしてます。お金がないと医療も受けられず、国内産業は疲弊し、大学を出ても借金漬けという現状や、サブプライムローンという詐欺まがいの住宅ローン販売と、それに伴うホームレスの急増など、貧富の差の拡大と半ばそれを容認するような政策の数々が、このような悲劇を生んでいるように感じます。要するに、適切な医療を受けることのできない特に底辺層(貧困層)の感染者の多くが重篤化して亡くなっているんだと思います。

で、我が国、日本ですが、僕はもともと今の政権には何の期待もしていなかったので、というより、国会議員とか大嫌いなので、今の国の対応はある意味しょうがないと思ってます。むしろこの一連のズレまくった対応こそが、今の日本を象徴しているとすら思いました。で、マスク2枚とか、国民一人に一律10万円とか、はっきり言って僕はどちらも要りません。そもそもこの段階でそんな無駄遣いをしていいんでしょうか。もっとマスクとか消毒液とか防護服とか全国民のPCR検査とか、そっちに投資すべきではないんですか。そして一方で、マスコミとかどっかの学者やコメンテーターが騒いでる「手厚い補償を!」というのも僕には全く賛成できません。

これって、あの福島の原発事故の時と一緒なんです。そこに住んでる人たちはそれなりの手当をもらっていたわけですよ、もらって、要は納得して住んでいたのに、いざ天災で原発が事故ったら「補償を!補償を!」って、おまいらそういう危険をわかっててそこに住んでたんだろ!というか。それでたんまり入った補償をパチンコ代にしたり、福島に戻ると補償が打ち切られるので戻らなかったり、職に就くとかえって収入が減るのでつかなかったり、そういう受け身でやる気のないイヤ~な実情を色んな記事で目にしました。そういうわけで、僕は「補償」という言葉には決していいイメージはありませんし、賛同もしません。

そもそも、今回のコロナってある意味天災みたいなもので、政府は初動に失敗してしまったので、もはやどうしようもないんです。そして、そういうダメダメな政府や政治家を選んだのは我々国民なわけですよ。自分たちで選んだ政治家がダメダメな政策をしたからって、それを国民が攻めるのはそもそもお前が投票したからだろ!というか。従って、当時の選挙で自民党公明党に投票した人や、あるいは投票に行かなかった人は今回の件で批判する資格は一切ないと思ってます。

で、確かに今回のコロナで飲食業界や観光業界が大変な危機にあるのはわかりますが、これはもう運が悪かったと思うしかないわけです。こういう危機が起こるとそういう業態が大打撃を受けるのは当然のことですので、この危機に際してそれぞれに何らかの手を打って自力で乗り切っていくしかないですよ多分。

当時の雪印乳業の食中毒事件とか、船場吉兆の不祥事とか、数年前に流行った店員がお店の冷蔵庫とか食材にイタズラをしてる写真をアップしたりとか、そういうある意味「天災」みたいなことって、起こりうるんです。で、そうなるとあっという間にマジメに働いていた関係者が廃業に追い込まれてしまうわけですよ。

ただ、そういう人たちに対し国は一切補償してませんし、その(補償しない)ことに対しても国民は誰~も、なに~も文句を言わなかったし、さらにその後はマスコミが一切取りあげなくなったので、もはやすっかり忘れてしまっていたはずです。皆さま、誰か覚えてますか~、雪印事件とか船場吉兆事件、覚えてますか~?

なので、あまりにも極論ではありますが、個人的には今回も同じように何もすべきではないと思ってます。要は、そういういつ失業するかわからない、というリスクは誰にだってあるわけですから、常日頃からそれなりのリスクヘッジをとっておく必要があるわけです。なので、それができない企業や会社はもう(潰れても)しようがないと思います。

なので、もし政府が何かをやるんだとすれば、今年のコロナが流行りだした頃のブログに書いたように3週間の戒厳令しかありません。それが無理なら、今回の不祥事を契機に、国会議員を半分に減らし、給料も一律700万ぐらいにした方がいいんと思います。そうすれば本当に国を憂いて国民のために政治をやりたい人間だけが立候補するので、今の議員連中みたいに威張ってばかりで上から目線の特権階級みたいな奴らはきれいにニフラム(消え去る)されるでしょう(小泉も)。そうすれば政治の質も上がってくるはずです。まちがってもその道のド素人を党への貢献度だけで大臣にするような愚行は減るはずです。

さあ、そろそろ戒厳令発令のカウントダウンでしょうか。まあ、法令にはないのでさすがに無理でしょうが、実は我が国でも過去に一度だけそれに類する令が出されたことがあります。

その名も高き「2.26事件」です。これは、1936年に起きた出来事で、国を憂いた青年将校たちが起こしたクーデターで、最初はうまく行きかけたんですが、詰めが甘くて結局は失敗し、首謀者たちは結局全員死刑になりました。ちなみに僕はこの事件の首謀者の一人、栗原安秀(くりはらやすひで)中尉が好きで、彼の壮絶な遺書の中に、「我、魂魄(こんぱく)この地に止まりて、悪鬼羅刹(あっきらせつ)となり、わが敵を憑殺(ひょうさつ)せんと欲す」という一文があるんです。もうすさまじいですよね。要はクーデターが失敗しちゃったけど「オレは死んでも魂となってここにとどまり、化け物になってオレをこんな目にあわせた奴らを呪い殺してやるからな!」と言ってるわけです。どうですかこの精神!この気迫!要は、政治とは、国を憂うとは、本来は命がけなはずなんですよ。こういうキチガイじみた気概なくして務まらないんですよ。なのに、安部首相の国民を舐めきったインスタとか、この未曾有の国難の中で、給料をちょっぴり下げただけ(予定?)の自己保身にひた走る国会議員とかに、果たしてこの気概はありますか?

あっまずい、映画「戒厳令」について全く触れてないので、次の機会に書くようにします。

戒厳令 [DVD]

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2/26 (集英社文庫)

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映画「ファントム・スレッド」と敬愛するPTA監督

評価:★★★☆☆

 いやいやようやく見ましたファントム・スレッドです、大好きなポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作ですハイ!・・・が、なんでしょうかこの残念感は。

ごめんない、あまりにも高尚すぎて、あるいは僕にはレベルが高すぎたのか全く理解できませんでしたですハイ。しかしなんでポール・トーマス・アンダーソン(長いので、以下、PTAとします)はこういう高尚系というか純文学チックな方向に行ってしまったのでしょうか。ボクがぎりぎり大丈夫だったのはパンチドランク・ラブまでで、PTAが今回のファントム・スレッドの主演のダニエル・デイ・ルイスとかホアキン・フェニックスとつるみ出してから、急速にクソつま化が進行したように感じてます。もうむずかしいよ~う、オレのミルクセーキ!お前のミルクセーキ!(by「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の名セリフ)

 最初はダニエル・デイ・ルイスゼア・ウィル・ビー・ブラッドにはじまり、次いでホアキン・フェニックス「ザ・マスター」とかインヒアレント・ヴァイスとか、もうボクには頭が悪すぎて全く理解不能。おそらくは、かなりハイレベルな人間賛歌なのかもしれませんし、雨林(Amazon)ですら以外にも高評価で、みんな頭いいですよね。ボクにはさっぱり意味がわからなくて・・・。

 とはいえこの映画って全く見所がないわけではありません。僕としては意味がわからないと言いつつも、年に数回はゼア・ウィル・ビー・ブラッド「ザ・マスター」を見直してますので、このファントム・スレッドもそれなりに中毒性はあるかと。

 さてストーリーですが、時は1950年代のロンドンで、腕のいい仕立屋でデザイナーのデイ・ルイス(レイノルズ・ウッドコック)は、そのドレスが外国の女王から発注されるほどの超売れっ子。ロンドンっ子でウッドコックブランドを羽織ることは、もうそれだけで一大ステータスというわけです。そんなレイノルズですが、とにかく神経質で理屈っぽくてマザコンかつシスコンという三重苦を背負ったおっさんなんです。が、そんなおっさんのクセにかなりモテるんですわ。なんででしょ?ルックスなのか金なのかはよくわかりません。ただ、性格がやな奴すぎるので、すぐに女の方が耐えきれずに出て行ってしまうんです(まあ、当たり前です)。

 そんな中、レイノルズがふらっと入ったレストランで、そのルックスが気に入ったのかスタイルに魅了されたのかはわかりませんが、あまりパッとしないアルマというウエイトレスの女性と恋に落ちて、このアルマとの生活が始まるんです。で、このアルマがこれまでの女性と違うのは、このレイノルズがやな奴すぎるのに、なぜか絶対に出ていかないんですね。で、あとはエンディングまで、二人の関係がよくわからない方向に疾走していく、という物語なんです。

とにかく笑えるのが、彼女を自宅に連れ帰った翌日、朝食の席で、アルマがカチャカチャ音を出してパンにバター塗ったり、紅茶を飲んだりするわけですよ。そうするとレイノルズの機嫌が一気に悪くなって「静かにしてくれ」「動作が大きい」「僕の一日を台無しにしないでくれ」とか、まあ、ことある毎に神経質というか、神経過敏症みたいに文句を垂れるわけです。それ以降は、劇中ずっとちょっと気に入らないことがあると「なぜそんな話題を出した?」とか「おかげで心を乱された」とか「アスパラガスにバターソースはナンセンスだ」とか言ってて、見てるとだんだん殴りたくなってきます。このやな奴さの種類とか雰囲気は「カジノ」デニーロに匹敵すると思いますね。

ただ、ギャグと思って見ると、まあ笑えますよね。人間って少なからず自分なりのルールというか許せないことってあるわけでして、そういうルールの塊でできてる奴が要はレイノルズ・ウッドコックという男なんです。

僕が好きなシーンというか、見事だなと思ったのは、大晦日の夜、アルマはレイノルズが渋ったので、一人で街のダンスパーティーに出かけてしまうんですが、結局レイノルズも耐えられなくなって、そのパーティー会場にアルマを探しに行くんです。で、その会場の2階から、1階のホールで楽しそうに踊るアルマを見つけ、急いで1階に降りるんですが、そこでまた見失ってしまうんです。で、強引に人並みを搔き分け、廊下みたいな所に出ると、そこにはアルマが一人で静かに壁にもたれかけながら、まるでレイノルズが来るのを予見していたように、じっとこっちを見つめて立ってるんですね~。

このシーン、僕はかなりゾクっとしましたね。若かりし頃に全く予期していない場所で好きな子と鉢合わせになった事とか、彼女と街中でケンカになって置いてきぼりにした後、やっぱり気になってその場所に戻ったらずっと彼女が待っていた事とか、そういう淡~い記憶がよみがえってきました。結構、神がかったシーンだと思います。

ちなみに、このアルマを演じた女優さんは、ヴィッキー・クリープスという新星女優さんなんですが、なんとなく垢抜けないパッとしない女優なんですが、見る角度とかカメラのアングルによってはものすごく美人に見えたりもするわけです。まあ、そこは狙ってるんでしょうが、女優というのはモデルとは違うことが非常によくわかりますね。

というわけで、見所がないわけではないこの映画、神経質で強迫神経症気味のおっさんたちには是非おすすめの一本です。が、やはりボク的にはPTA初期の傑作、「ハード・エイト」ブギーナイツマグノリアの三部作の方が断然好きですね。出ている役者さんもバート・レイノルズウィリアム・H・メイシージョン・C・ライリーフィリップ・シーモア・ホフマン⑤メローラ・ウォルターズフィリップ・ベイカー・ホールさんなどなど、かつてのPTA組が勢揃いで、スクリーンでの存在感が半端なくて皆さん本当に魅力的でした。ただ、残念ながらすでに①バート・レイノルズおやじと大好きだった④フィリップ・シーモア・ホフマン兄貴はすでに亡くなってしまいました。そろそろPTAさん、原点回帰しないかなあ~。

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